宮崎産業経営大学 結婚雇い止め訴訟 和解成立

宮崎市の宮崎産業経営大学で助教を務めていた女性が同僚との結婚を報告したら雇い止めにあったとして大学側を訴えた裁判で21日、宮崎地方裁判所で和解が成立したことが分かりました。
大学側が雇い止めを撤回し、女性は来月以降も教員として働き続けるということです。

宮崎市の宮崎産業経営大学で法学部の助教を務めていた30代の女性は去年、同じ学部の教授だった夫と結婚したことを大学に報告したところ、年度末で雇い止めにすると通告されたうえ、事務職員に配置転換されたなどとして、先月、教員としての地位の確認などを求める訴えを宮崎地方裁判所に起こしました。

その後、裁判官を交えた協議が行われていましたが、原告側の弁護士によりますと21日、和解が成立したということです。

和解条項では大学側は今月末での雇い止めや事務職員への配置転換、それに規律違反を理由とした懲戒処分をいずれも撤回し、女性は来月以降も教員として働き続けることが決まりました。

一緒に訴えを起こしていた夫についても准教授への降格や懲戒処分が撤回されました。

また和解条項には「大学側は県内唯一の法学部を擁する大学として、女性の教職員の良好な就労環境を整え、健全な大学運営を行うよう努めることを約束する」ことも盛り込まれています。

これについて大学側の弁護士は「和解したことは事実ですが、詳細は差し控えます」と話しています。

訴えから1か月余りで和解に至ったことについて、原告の女性は「とにかくほっとしています。来月以降も教壇に立てることがうれしいです」と話しています。

宮崎産業経営大学は21日夜、ホームページで「お知らせ」を発表し、原告の女性らとの和解が成立したことを明らかにしました。

この中では「処分を撤回し、2人については従前の通り、本学園のために頑張っていただくことになりました」としたうえで、和解条項にも盛り込まれた、女性の教職員の良好な就労環境を整え、健全な大学運営を行うことを宣言しています。

雇い止めの撤回を求めて署名活動を行った教え子の学生の1人は「来年度以降も先生の指導を受けられるのがすごくうれしい。授業時間外に先生と話すのも楽しい時間だったので、再びその時間が戻ってくるのも楽しみです」と話していました。

署名サイトでは、21日午後7時時点で400人余りから賛同が寄せられていました。

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