21日午前7時55分ごろ、岡山県吉備中央町上加茂の国道429号で、同町のパート従業員石居菜緒さん(27)の軽乗用車と、岡山市、女性団体職員(46)の軽乗用車が正面衝突。石居さんが外傷性ショックで死亡し、ともに保育園児で、同乗していた息子(3)が意識不明の重体、娘(5)が軽傷のもよう。女性も軽いけがを負った。
県警交通指導課によると、事故が起きたのは片側1車線の緩やかなカーブで、石居さんは南、女性は北にそれぞれ向かって走行中だった。2台の停車位置など現場の状況から、女性の車が対向車線にはみ出したとみて慎重に原因を調べている。
現場はのどかな山間部を抜ける幹線道。事故で2台は大破し、石居さんの車は弾みで後部が国道沿いを流れる川の護岸に乗り上げるほどの衝撃を受けていた。
けがをした女性とは知り合いで、事故後に携帯電話で助けを求められ駆け付けたという近くのタクシー会社経営男性(48)は「男児は呼びかけにも応じず、周りにいた人たちが懸命に心臓マッサージをしていた」と緊迫した表情で振り返った。近所に住む主婦(84)は「ドーンという音が聞こえて外に出たら、大きな事故が起きていて驚いた。何とか無事であってほしい」と祈るように話した。