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【麻雀小言Vol.11】和了率を上げるための思考

なかなか麻雀が勝てない人の特徴に「和了率が低すぎる」というのがあります。和了による加点によって点棒を得て、その多寡で最終的な順位が決まるゲームなので当然と言えば当然です。
アガれないということは単に加点が出来ないと言うだけでなく、失点の機会も増えます。自身がアガってさえしまえば失点をすることは無いのですが、アガリが無い局=対局相手の加点機会となるのでこれも当然と言えば当然ですね。
だからこそ基本的にほぼ全ての局面でアガリを目指し、そのために手を組むことがとても大切なのです。
とはいえそのためにはこれまでも散々お話しているように、基礎牌理を学んだりすることが重要なのですが、今回はそういった込み入った話というより、私自身が普段対局中にアガるためにどんなことを考えて臨んでいるかということを語っていこうかなと思います。

ただし今回の内容はいつにも増して、世間一般で言われていることの逆張り的な物が多いので思考をトレースする場合はくれぐれもご注意を。合う合わないってありますからね。

1.配牌に点数を付けない

配牌にざっくりとした点数評価をして良ければ真っ直ぐ、悪ければオリ気味に手を進めようといった話をよく耳にします。私はこれを一切しません。するだけ無駄というか害しかないとすら考えています。

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図1・東2局西家 25000点 配牌と第1ツモ

まごうことなきクソ配牌です。それは私も認めます。メンツも役が想定できるところも打点もありません。9種9牌で流すことすらできません。
点数をつける派閥の人であれば10~15点?ぐらいの点数を付けて、5pや6m辺りから切って万一のチャンタや国士を見て消極的に手を進めるでしょう。

私は北を切って真っ直ぐアガリを目指します。確かにこれはアガりにくい手です。ですが序盤に役牌を重ねたり、急所の7mや3sあるいはドラの6pなどを引いてちょっと前向きになれるときに、前述のような牌を切っているとただでさえアガりにくい手がより一層アガりづらくなってしまいます。
配牌に点数を付けてしまうと、この手でアガるルートはないか?と考える前に自身の付けた低い点数に思考が引っ張られて、ぱっと見セーフティな選択しかできなくなってしまい、結果ただ他家のアガリを待つだけのサンドバッグになってトータルの失点率が上がると私は考えています。

2.配牌から降りない

大見出し1の内容とも繋がってくるのですが、配牌からは基本降りません。和了率の低そうな手でもうまくいけばアガって失点を防げるかもしれませんが、配牌から止めてしまうとその局のMAXが横移動や流局ノーテンとなってしまい非常に失点する確率が高まります。いくら降りていても何牌かは放銃抽選自体は受けなければいけないというのもあります。
ですが図1のような配牌で真っ直ぐ進めると「こんな手で相手にリーチされたらどうするんだ」というような意見をぶつけてくる人もいます。
簡単なことです。そうなってから降りてしまえばいいのです。対応が難しいほど早い巡目でのリーチ、例えば3巡目リーチを受けたとしてまだ手牌には字牌や端牌が残っているでしょうし、ヒントが少なすぎてそのへんを切っておけば大体降りられます。

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図2・字牌や9m対子で気合降りすればいい

そんないい加減でいいのかよと言われるかもしれませんが、私から見ればレアケースに必要以上に怯え、ハナっからアガリ放棄する麻雀の方がいい加減に見えるのですがいかがでしょうか?
そもそも真っ直ぐ行く場合の結末に自身のアガリか放銃かという結末を想定し過ぎなのです。図1の手でまっすぐ組んだからといって、この局の放銃率が40%や50%に跳ね上がると思いますか?そんなわけ無いですよね。
別に組んだ後に後手を踏んだから降りるという選択肢はいつだってありますし、そういったものを抜きにして麻雀の局の結末は様々なパターンがあります。
脇が放銃したり、ツモられて結局変わらなかったり流局したりと。
その中で自分がアガって失点を防ぐというオプションがない分、初手でアガリ放棄するのは損だと見ています。

勿論まっすぐ組む=最後まで行くではありません。とりあえず5巡くらいは様子を見てみます。周りが無風状態だとしてこんな手になっていれば儲けもん。

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図3-1

とはいえ現実にはこのくらいの手になっていることが多いでしょう。

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図3-2

こうなった時に初めて降りだったり受けを意識すればよいのです。流石に局の1/3が過ぎようとしている時にこの手牌は戦えません。止めるのはそこからでも十分間に合います。他の記事でも再三述べているように、不要な失点・放銃が多い要因のほとんどは事前にどれだけ準備しているかよりも、いざピンチになったときに降りを選択できなかったり、的確な降り牌を選べないことにあるのです。

3.ブロック数を数えない

ブロックと言う概念が出来たのはいつ頃でしょうか?私が麻雀を覚えた20年以上前にはそんな言葉ありませんでした。多分ここ10年ほどで広く浸透した言葉なのでしょう。
そう私はブロックなんて生まれてこの方数えたことがございません。全く数える必要すらないと思っています。私はブロックよりも個々の牌の要不要で判断しているので、よりその必要性を感じないのかもしれません。
だから数える必要なんてないんだよ、という意見は流石に横暴でしょうか?笑
ただ指導の過程でブロック数を確認しろと言われている方もいると思います。実際にそういった指導を受けたであろう初級者の配信者さんも多く見かけます。
その指導を否定するわけではないですが、そういった人たちがブロック数を数えることの弊害について少しお話します。

1.ブロック数を数える「だけ」で満足している

これめちゃくちゃありがちなんですけど、「イチニーサンシーゴー…5ブロックある」「6ブロックあるなあ」でその後がないんですよね。
結局ブロック数を数える意義って、足りてるからどうする足りないからどうするの「どうする」の部分を導きだすためのものなのに、ただ単に数えることが目的になってしまっています。これでは意味がないですよね。
数えている間の脳のリソースと時間を無駄にしているだけです。じゃあ最初からやる必要ないのではと思ってしまいます。

2.そもそもブロックの捉え方が間違っている

例えばですが3345といった形がある時。当然牌姿にはよりますが基本は1メンツ+孤立牌と捉えた方が自然なケースが多いです。3+345ということですね。つまりこれは1ブロック(+孤立)な訳です。
ですがこれを33+45の2ブロックとしてしまうと、そのせいでブロックが足りていると誤認し、せっかくのくっつきや良型のテンパイルートを絶ってしまうことがあります。4556のような形でも同じような事が言えますね。
ブロックという概念で楽に捉えようとするよりも、それぞれの牌がどのように機能しているかを確認し、認識することが基礎牌理の向上に繋がると私は考えているので、その点でも間違ったブロック勘定に固執する必要はないのではと思います。

3.牌を要不要で考えられなくなる

上でも少し書きましたが私は基本的に牌を要不要で捉えています。まず局単位で何をすべきかということを念頭に置いて、その目標に向かって必要な牌は何なのかという逆算的な手組をすることが多いです。
私はこれを何切るならぬ「何やる」と勝手に呼んでおり、この件はいずれ別記事で詳しく語りたいのですが、今回はその一例を挙げてみたいと思います。

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図4・オーラス3着目の北家 ラス目とは800点差

3着で迎えたオーラス、ラス目の西家とはわずか800点差。上2人は離れており、この手をアガってラス回避できるかどうかというところ。
配牌は図4。アガれさえすればなんでもよい(=役さえあればなんでもよい)のだが、瞬間着順が落ちるリーチ棒は極力出したくない。また愚形部分も多いので仕掛けも考慮したい。
となるとこの手からは「タンヤオ」と「役牌」という役が見えてくる。それに関与しない牌は1sしかないので私は1sを切る。

というのが「何やる」に基づいた判断です。勿論この1sが正着だよということを言いたいわけではありません。ただブロックという概念に固執すると1sを打つという発想は出てこないと思います。
今回は割と極端な場面を出しましたが、このようにブロックではなく要不要で見ることで発想に自由さが生まれ、見えてくるアガリも存在するので、参考までにどうぞといったところでしょうか。

4.シャンテン数を意識する

ブロック数はどうでもいいと言いましたが、現状の自分の手牌のシャンテン数を把握し意識することはとても大切です。世間一般ではこの認識は逆になっている気がしなくもないですが。
まずシャンテン数がわかっていると押し引きがかなり簡略化されます。現代の麻雀では2シャンテン以下はほぼ無条件で相手のアクションに対して降りていいよとされていますが、事前にそれを把握していればスムーズに判断を下すことが出来ます。
また今回のテーマである和了率の向上という面でも、シャンテン数の把握はとても重要です。
うまくアガれない人・手組が下手な人にありがちなのは、シャンテン数が下がってしまうにも関わらず、不用意にターツやトイツを落として自らアガリから遠のく選択を取ってしまうことです。
無論シャンテン数が全てではないのですが、少なくとも3シャンテンからはテンパイまでに3巡かかるのです。そのことをしっかり把握して対局に臨んでいるか否かは大きな違いとなります。

5.単独孤立牌を信用しすぎない

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図5

發をポンしてさあ何を切るかというところ。素直に7sを切ればMAXの1シャンテンに取れますが、ペン3s受けが嫌で2pを切って保留したり、12sを落としてシャンテンバックする人もいるかもしれませんね。
いずれも7sから好形を作ることを目的としているのでしょうが、これらの選択はおすすめできません。特に12sを切る癖がある人は要注意です。

冷静にこの7sの価値というのを見ていきましょう。
まず7sのくっつき候補は5~9sの5種類ですね。そのうち5s9sは共にカンチャンターツ(受け入れ1種のターツ)ができるので形としてはほぼ12sを落とす前と変わりません。
7s重なりはポンが効くという点はありますが、元々2p8pはポンできる形なので、3s見た目4枚と7s見た目2枚残りの比較で単純な劣化です。
嬉しいのは好形になる6s8sですが、それを引くために瞬間シャンテン数が落ちています。
都合よくくっついた時(5/34)の4割しか形は良化せず、それ以外は同価値以下です。そんなものを引くことを願うためにわざわざシャンテン数を落とすというのがここから12sを切るということなのです。ましてや7sを持つことで打点が向上するわけでもありません。

ここで12sを切りたいと思いその選択をするのは、牌理が弱いあるいは愚形に対しアレルギー的なものを発症しているだけとしかいいようがありません。

12sを残した時はどうなのか?というとまず3s引きは非常に嬉しいですよね。当然ですテンパイになる牌なので。
そして1s2sを引くのも嬉しいです。単純に愚形部分の受けが強化され、テンパイしやすくなります。
要は自身で持っている分単純な受け枚数は若干差があるとはいえ、引いて嬉しい牌が2種、めちゃくちゃ嬉しい牌が1種を1シャンテンを維持したまま待てるというのが強みなのです。

特にこういった鳴きが効く手の時の愚形受けの部分を私は勝手に「愚形3面張」などと呼んでいます。今回の例で言えばソーズの1~3何引いても嬉しいじゃん。別に好形になるかわからん7sに手牌変化委ねなくてもいいよねってことです。

この手に限らず単独孤立を過剰なまでに期待するのは良くないです。受け入れ自体も良形になる牌種も大したことないのでね。大見出し4とも繋がってきますが、ここでもやはりシャンテン数意識というのが大切になってきます。

残すならこのくらいの条件は欲しいところです。

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図6

こういった手だと6sを残すことで良形を見るだけでなく、何がくっついてもタンヤオが確定し上手く行けばピンフも付くかもしれません。打点が跳ね上がる可能性があるんですね。また役があるので仕掛けの選択肢も出来ます。

6.愚形フォローを外さない(愚形固定をしない)

愚形フォローというのは244や889といった愚形ターツの内の1種が重なって受け入れを強化する形になっているものですね。この形って侮れなくて、他に雀頭候補がある場合この部分だけで6枚受け入れがあるんですよ。麻雀においてこの数字は決して軽視できません。
大見出し5の内容との合わせ技的な内容になるのですが、好形を作りた過ぎてこの愚形フォローを蔑ろにして、結果アガリから遠のくというのが和了率が低い人にありがちです。
少し極端な形ですが例えばこんなの。

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図7

ここから1sを切るといった選択です。先程の手と同様に7sから好形を作りたいんだろうなというのはわかりますが、たかが単独の7sです。手役も絡まないし大した価値はありません。
またこうやって愚形を固定することで和了に結びつきやすい好形テンパイを取りづらくなります。折角4p1s3sを引きさえすれば25mリーチが打てるのに、愚形を決めてしまうと3sを引かない限りはそれができなくなってしまいます。良形を求めているはずなのに良形から遠のくという本末転倒な事が起こってしまいます
また変化を求めるにしても1sがトイツであることは重要なのです。特に今回の手はピンズが4連形になっているので、3p5p6p8pと好形になるツモが沢山あります。その時に他に雀頭候補がないと折角の変化が台無しになってしまいます。そしてそれを1シャンテンを崩さずに待てるのです。

勿論3ヘッドの時など意図的に愚形固定をするケースも無くはないのですが、基本的に孤立牌との比較では愚形フォロー牌は外さない、ごちゃっとしてるところを触らないという姿勢が大切です。特に愚形フォローを外して持つ字牌など原則的に無いものだと思ってください。

少し長くなったので今回はここまで。まだまだ語り尽くせていない感はあるので、いずれ第2弾という形で続きを書くかもしれません。途中で少し話題に挙げた「何やる思考」についてもどこかで語りたいですね。

それでは

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※当記事内で使用した牌姿並びに全体牌図は「牌画作成くんbyその研」様及び「全体牌図作成くんbyその研」様を用いて作成しました。

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