屋久島珍道中(2)〜俺の中のライオンキングが心配ないさと叫んでいるよ編〜
こちらの記事の続編です。
屋久島のホテルにチェックインしたら、オーナーの男性から「実は圭吾さんに会うのは二度目なんです」と言われてビックリした。過去にバンコクでお会いしていたのだ。世界は狭い。お二人の関係はと聞かれたので、危険な関係ですと答えた。命懸けの今回の旅だが、我々は、この旅を悲劇ではなく喜劇にすると決めている。もしも死ぬ時が訪れたら、ダイイングメッセージとしてお米粒で「D」と書く約束を交わしている。これでコメディ(米D)になるという寸法なのだが、誰も気付いてくれないと困るから先にここに書いておく。
朝、M様から「いつもは昼過ぎまで寝ている子供から、朝早く『おはよう!今日も最高の一日にしよう!』と連絡が来ていた」と報告をもらった。母が動くと、子も動く。シングルマザーの暮らしが長かったM様は、油断をすると自分よりも他人のことを優先してしまい、ことあるごとに「大丈夫?」と周囲のことを気遣ってしまう。ご多分に漏れず、私のことも気遣ってくれた。心配無用、てめえのことはてめえでやる、おめえはおめえのことだけやっていたらよろしいと、ピシッと締めた。そこから、我々の関係はより良好になった。
私が持参したギターで、M様がハイロウズの即死を演奏した。入院したくない。病気で死にたくない。ベッドで死にたくない。即死で頼むぜ。痛いのはゴメンだ。苦しむのはヤダ。一瞬でいくぜ。即死で頼むぜ。即死即死即死、即死で頼むぜ。即死即死即死、即死で頼むぜ。振り返りたくない。考えたくもない。涙はいらない。即死で頼むぜ。厳かはイヤだ。くだらない方がいい。笑えりゃなおいい。即死で頼むぜ。即死即死即死、即死で頼むぜ。即死即死即死、即死で頼むぜ。今ほど、M様ほど、この曲が似合う瞬間はないなと思った。
我々の旅行スタイルは、予定をバンバン詰め込むよりもその日の気分で行こうと言うことになり、のんびりぼんやり過ごしていた。何もしないまま終わってもいいかなと思っていたが、腹が減ったから近所の喫茶店に行ったら、そこのマスターが傑物で、注文していないのにたんかん(屋久島の名物柑橘系)と和菓子と縄文杉のポストカードをくれた。千尋滝に行けと言われて千尋滝に行き、ペイタというパン屋に行けと言われてペイタに行き、尾之間温泉に行けと言われて尾之間温泉に行き、どこも最高で「屋久島最高だな」と思った。
M様の子供は絵描きで、高校一年生なのに絵が売れまくって大変だから、確定申告をしている。M様が家を出る時も「金はあるか?金を出してやろうか?」と、M様に声をかけてくれるほど頼り甲斐のある傑物だ。家からM様がいなくなり、子供も子供で動き出した。我々は、病人が絶対食べたらいけないようなものを食べ、病人が絶対やっちゃいけないようなことをやり、ここには書けない時間を過ごした。ホテルの冷蔵庫には、誰のものかわからなくなることを防ぐため、自分の名前をネームペンで書くと言うルールがある。私は、スーパーで仕入れたキャベツの袋に「JESUS」と書いて、冷蔵庫のど真ん中にどかんと置いた。
ら、奇跡が起きた。
(つづけ・・・)
2025年3月20日,破壊と復活。
昨日、学校では退任式があった。
しかも、退任される先生方たちはお世話になった方々ばかりだ。
そして、今日2025年3月20日、私の母は屋久島へ向けて、最も親愛なる方、坂爪さんとの人生最後の旅へと旅立った。
屋久杉まで見に行くという話だが、そこまでたどり着くのに急勾配に加え、片道約11キロもあり、早くに出発したとしても一夜明かさなければならない可能性だってある。
そして何よりは、その坂爪さんが、同ブログで公開されていた記事にて、どちらかが死ぬかもしれないという話が持ち上がっていた。
なぜなら元々過酷なのに加えてお互いに最近体調が良くなかった時があり、他の記事で記していますが
母は以前、50と書かれたロケットに乗って旅立つ夢を見て、「"50"に旅立つのかな?」と話していたほどで
一番母の身に命の危険を感じたのは、夜中に起きた発作で、丁度50歳になったのは、その2ヶ月後のことであったからだ。
私は思った。自身、今まで自立したと思いながら、全然"頼る"ではなく"甘え"まくっていたという話だ。
そこで突然、私には他に同居している人はいないので、半強制的に"孤独"がやってくる。
しかしこれは神様、そして母のプレゼントだと思った。つまり自分の力で生き、孤独を楽しむということだ。
私にはとても心の通った、魂が互いに叫ぶような古き親友Y君がいる。
しかし中学校時代、自身を見失って闇の谷底に堕ちていく際、そんなY君に話しかけられた時答えることができず、地獄の果てまで後悔し、その繰り返しだった。
しかし今なら会えると思い、そして私は決意した。Y君に会いに行くと。
おおまかな予定
3月21日(金)鹿児島県屋久島界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
いいなと思ったら応援しよう!

コメント