少子化や市町村合併が進み、全国的に加速した小中学校の再編統廃合。平成中後期の20年間で4300校以上が廃校となったという。令和に入ってもこの流れは続き、日高地方でも統合やその準備、再編の検討などが行われている。
日高川町では、今年6月から再編推進委員会を設置。小中学校再編の枠組みや統合の時期、通学区域等の検討を重ね、▽2024年度に美山地区の3小学校を統合し、川原河小の校舎で開校▽25年度は、川辺地区で和佐、江川、山野、三百瀬の4小学校を一つにして和佐小に設置▽同年度、美山、中津、早蘇、丹生の4中学校を合わせて早蘇中で開校――の計画をまとめた。現在は、この計画の説明会を各小学校区ごとに開催している。取材を通し小学校は、これから複式化が進む学校や、すでに複式で欠学年や入学予定の子どもがいないなど状況は違えど統合の必要を感じているのがうかがえる。一方、中学校は、学校規模によって統合への思いに温度差が大きく、統合計画は広大なエリアを校区とするため、通学問題が課題で前途多難といったところ。
小規模校には特有の良さがあるが、複式でも数人や1人学級まで減少すると経験すべき楽しい学校生活と言えるかが疑問。また、複式になれば教員数が減らされ中学校は専門教科の先生に教われない学科も出てくるという。そうなると生徒の学習にも損失。子どもたちの1年は貴重でその学年は一生に一度。統合が1年延びれば、その1年の環境は全く別のものになる。全ての人に理想的な統合などなく、負担がかかる子もいるが、統合のメリットも大きい。難しい問題だが、子どもたちの充実した学校生活を願いながら、日高川町の学校再編の進捗を見守っていきたい。(陽)