児童数の減少に伴い3月末で閉校する下関市立吉母小学校(亥川竜太郎校長、2人)の閉校記念式典が16日、同市吉母の同校であり、150年にわたって地域と一緒に歩んできた長い歴史の終わりを惜しんだ。4月からは吉見小との統合でできる小学校と吉見中学校による施設分離型の小中一貫校「よしみ小中学校」として新たなスタートを切る。
記念式典は市教育委員会の主催で行われ、約250人が出席。磯部芳規教育長が「学校と地域が心に残る教育で子どもの豊かな心と体を育んできた。新しい学校でも児童2人が友達や先生、地域の方と一緒にたくさん学び、すてきな大人に成長することを願う」と式辞。亥川校長が「吉母小はこれで終わるが、良さをぜひ引き継いでほしい。地域の方には4月からもこれまで以上に学校に関わり、吉見の子どもも合わせて見守って」と呼びかけた。
在校生で4年の伊藤鈴夏さん(10)が「思い出がたくさんできた吉母小がなくなるのは寂しい。本当はまだ続いてほしかった。吉母小出身だと自信を持って言えるように頑張っていく」、妹で3年の咲羽さん(9)は「吉見小ではたくさんの友達とサッカーなどをしたい。吉母の皆さんも応援してください」とそれぞれの思いを発表。学びやに感謝を込めながら、全員で校歌を斉唱した。
吉母小は1874(明治7)年6月、西光寺の一室に「寄藻(よせも)小学校」として開校し、1947年に吉母小学校に改称。2006年に完全複式学級となっていた。本州最西端の小学校で、これまでに2600人以上が卒業した。
北九州市小倉南区の合馬小(高田晋仁校長、57人)とは姉妹校として65年にわたり、吉母海水浴場での海水浴交歓会や合馬特産のタケノコのプレゼントなどを通じて交流。式典にも合馬小の全校児童や関係者が招かれ、式典後に地元主催で行われた記念行事では合馬小の6年生と保存会の人が合馬神楽を披露した。
吉母自治連合会長の清田幸男さん(78)は「地域としては閉校は寂しいが、魅力ある小中一貫校をつくってほしい。跡地利用も市が方向性を出してくれれば、地域として協力していく」と話した。
(石田晋作)