韓国大統領代行の代行まで弾劾訴追へ 野党弾劾案乱発に高まる批判 経済司令塔不在の懸念

ソウルの大統領府で「非常戒厳」を宣言する尹錫悦大統領=2024年12月3日(大統領府提供、AP=共同)
ソウルの大統領府で「非常戒厳」を宣言する尹錫悦大統領=2024年12月3日(大統領府提供、AP=共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国の革新系最大野党「共に民主党」など野党5党は21日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政相の弾劾訴追案を国会に提出した。「非常戒厳」を宣布し、弾劾訴追された尹氏の権限を代行していた韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾訴追に続き、〝代行の代行役〟まで職務停止に追い込もうとする野党の政治的攻勢に対し、国内で批判が高まっている。

憲法裁判所は先月、国会が推薦した憲法裁判事候補の1人について崔氏が任命しなかったのは国会の権限を侵害する違法行為だとの判断を示した。野党側は、崔氏がその後も任命を保留し続けていることに加え、戒厳を巡り尹氏の共犯の疑いがあることなどを弾劾訴追の理由に挙げた。

野党側は国会で多数派を占め、弾劾訴追案が採決されれば、可決され、崔氏は職務停止となる可能性が高い。ただ、弾劾審判を担う憲法裁は24日に韓氏の罷免の可否を巡る判断を言い渡す予定。憲法裁が韓氏の弾劾訴追を棄却か却下し、韓氏が職務復帰するとの見方が大勢を占めており、崔氏の弾劾訴追案の意味を疑問視する声も強い。国会議長が採決を見送る可能性もあり、流動的だ。

韓氏が大統領の権限代行に復帰しても、崔氏の弾劾訴追が強行されれば、経済政策の司令塔が不在となる。トランプ米大統領が韓国を含む各国への関税の大幅引き上げを掲げるなど、韓国を取り巻く国際的な経済情勢が厳しさを増す中、崔氏の職務が停止された場合の影響は大きいとみられている。保守系与党「国民の力」は「国政を徹底的に破壊しようとするものだ」と強く批判した。

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