四輪用タイヤチェンジャー
は1960年代から存在した
が、国内で二輪併用チェン
ジャーが登場し始めたのは
私が大学生の頃だった。
同時期、ブリジストンから
バトラックスというハイグ
リップタイヤが登場した。
私はそれまで履いていた
RZ350のダンロップTT100
のタイヤをバトラックス
に履き替えてみた。
ショップでの交換は新しく
登場し始めた二輪用タイヤ
チェンジャーを使っていた。
ホイールバランス取りは手
作業だった。
この手作業バランス取りは
機械式よりも繊細で精密な
バランス取りができる。
今でもレースの世界ではそ
うしてホイールバランスを
取っている。
私がお世話になっている広
島市内のレーシングショッ
プでも、タイヤ外しとはめ
込みはチェンジャーを使う
が、バランス取りは熟練の
職人メカニックが手作業で
取っている。
国内で初めて登場した一般
公道用の扁平ハイグリップ
タイヤを履いた時の感想は、
寝かし込みはスリックのよ
うに粘って重く、そして深
い旋回のある一定のライン
を超えるとズッといきなり
滑る感触だった。ハイサイ
ドになるんじゃないかと思
う位。
その点、かつてはレース用
タイヤだったTT100は非常
に滑り出しもナチュラルで
コントロールし易かった。
1970年代のロードレーサー
などは125についてはほぼ
全車両がTT100を履いてい
た。
コースで使用すると、サイ
ドが削れてタイヤの真ん中
が立つ三角おにぎりのよう
になる。
公道でもツワモノが履く
TT100はおにぎりになって
いたりもした。峠マンたち
のタイヤ。
その後、バトラックスは
年々進化し、かなり良い
特性を見せるように変わ
って行った。
だが、どのメーカーでも
タイヤが劇的に良質化し
たのは21世紀に入ってか
らだった。
1980年代中半以降はレー
スの世界ではミシュラン
の優位性は揺るぎなかっ
た。
1983年は日本製公道ロー
ドモデルでパワー競争と
新製品ラッシュの年だっ
たが、ホンダ、ヤマハを
凌いでスズキがとんでも
ないオートバイを発売し
た。歴史上多くの点にお
いて「初」を実現したモ
デル。
それがRG250ガンマだっ
た。
タイヤは国内初の仕様で
標準でミシュランを履い
ていた。
だが、結構滑った(笑
2025年現在。
各タイヤメーカーも品揃
えも豊富で、品質もとて
も良くなっている。
一般公道用タイヤがかつ
てのレース用タイヤより
も性能が良かったりする。
選択肢が広がったのも公
道タイヤのプラス面だが、
逆にレースの世界では選
択肢を狭めるおバカな事
をレギュレーションで強
制するようになってきた。
最近ではタイヤの空気圧
にも制限をかけるという
とんでもない大誤謬のレ
ギュレーションが実施さ
れるに至った。
車のシャシが悪いのとは
別に、世界チャンピオン
だろうと誰だろうとよく
転ぶ筈だよ。
物理的安全性など丸無視
の事をやっているのだか
ら。
塩加減を一方的に決めて
主催者が参加者に強制す
る料理対決なんて無いん
だよね。
人間の世界では。
本当に危険で馬鹿な事を
やっていると感じる。