第31怪 野狐からの情報収集の報告
室内で少し遅い夕食のようなものを食べて数時間過ごしていると、『
『
さらに、
もっとも――。
「人外を含めた
特に
しかし――。
『我が偉大なるマスター、これは全て真実でございますっ!』
僕が咎めているとでも思ったのだろう。俯き気味に必死に声を絞らせる『
「いや、お前の情報収集能力を疑っているわけじゃない。信条的にそんな雑魚が世界でも名の知れた魔術師であるという事実に驚いているだけだ」
『
『
「恐れながら、これは全て信頼できる情報であると断言いたします! ここを襲撃する者としてリストに上がっている名のほとんどが、過去で確認した『クロウ』の構成メンバーですっ!」
青色軍服のイケメン青年ブラスが資料に目を通しながら、興奮気味に声を張り上げる。先ほど、料理を振る舞っている間に簡単な自己紹介は既にしてある。
「許せんっ! たかが、一介の議員ごときが、我が国の王族への襲撃を命じるなど……」
王の側近の一人がまさに赤鬼のような形相で声を絞り出すと、
「この村の一般人まで虐殺つもりなど、到底見逃せませんわ!」
ソフィアが資料の束をテーブルに叩きつけて、怒声を上げる。
それにしても、ソフィアってあの初音と決勝で戦った少女だよな? 同じエルドラだし、なんちゅう偶然だよ。
「当然、無事で終わらせるつもりはないよ。元々国際指名手配となっている
アルベルトがそんな見当違いな台詞を吐く。
「社会的に終わらせる? 違うな。アルベルト、それは全くの見当違いだ」
「君はこの外道を許せとでもいうつもりかっ!」
ソフィアが僕に食ってかかり、周囲の王の護衛から小さな悲鳴が上がる。さっきから人聞きの悪い連中だ。僕は確かに悪の怪人だが、誤解したか弱い女一人に突っかかられたくらいで一々憤ったりしない。
「ソフィア、それきっと真逆だと思うぜ」
三白眼の青年、
「その通りだ。そいつらはやり過ぎた。社会的な抹殺程度で済ますはずがあるまい。僕の信念に基づき悪を執行する」
「「「「「……」」」」」
一同が真っ青な血の気の引いた顔で僕を凝視しているのに気付き、
「うん、どうかしたか?」
疑問に思って問いかける。
「アビス、あんた、今、自分がどういう顔しているかわかってる?」
エミの台詞に右手で己の顔に触れると口角があり得ないほど吊り上がっていた。なるほど、これは確かに軽いホラーだ。
「とりあえず、
「アビス、奴らを始末するつもり?」
「始末? 馬鹿馬鹿しい。私はさっき悪を執行といったはずだ。そんな慈悲をこの私が認めるわけがないだろう」
丁度色々やりたい魔術の実験があったのでね。その馬鹿を材料にして試してみようと思っている。
「……」
完璧に血の気の引いて顔が土気色になっているソフィアたちに、
「心配せんでも、終わったら回復して警察に出頭させるつもりだ」
安心の材料を与える。まあ、そのとき果たして奴らが奴らであるかは保障しかねるがね。
「アビス様、此度の道を我ら民草にお示しください?」
アルベルトが僕に意見を求めてくる。それにしても民草ってアルベルトの奴、僕に対する態度は改めるつもりは微塵もないな。
「十分に材料は揃っている。では、具体的な計画を話すぞ」
僕は本策戦の説明を開始した。
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