第6怪 蹂躙
自身の両足に魔力を100万ほど込めつつ【強化】の効果を付与し、
地面に氷漬けになった奇抜な衣服を着た者たちとエルドラの国章の刻まれた衣服を来た者たちが、白服の男女の刀剣で今にも首をちょん切られそうになっていた。
あの白服共の衣服は、
自称ヒーローのあいつらは、子供を人質にその親の大切な仲間を裏切るように強いたんだ。奴らは僕の最大の禁忌に触れた。最悪の地獄を容易してやるさ。
【ウィルオウィスプ】の炎で白服どもを軒並み燃やし尽くして、地面に着地する。
白夜という怪人組織の構成員らしき奇抜な衣服を着ている者たちも、ツムジという少女を保護するために来たエルドラの軍人たちも、敵であるヒーローどもも茫然と僕を眺めるのみ。
「他愛もない……」
あまり呆気なさすぎる。奴らを燃やし尽くしたのは、【ウィルオウィスプ】の炎。何の能力の付加もしていない僕の魔力を注ぎ込んだに過ぎないただの力の塊。そもそも奴らの気を僅かでも反らせればよい、と考えていたのだ。それが、あの程度の炎で粗方、消し炭にしてしまった。僕の歩む悪道には、絶対的強者たるクズ虫共の存在が必要不可欠なのに、これでは一方的な弱者への虐殺。下種の奴らと同レベルまで落ちてしまう。いや、まだそうとは限らない。奴らがいる。
僕が品定めをするべく奴らのグルリと見渡すと、白髪の女と視線がぶつかる。
「雑魚を殺したくらいでイキらないでよねぇ」
白髪の女は小馬鹿にしたように僕を眺めながら、そんなどうでもいい忠告をしてくる。
「ふむ、その発言、中々期待がもてそうだ」
やはり、あの有象無象の白服は雑魚だったのだな。
「キモッ! なーに、あんたぁ?」
目を細めて尋ねてくる白髪の女に、
「私は怪人アビス。お前ら正義の偽善者をこの世の地獄に叩き落すことを使命としている悪だ」
私を構成するアイデンティティを噛みしめるように口にする。
「怪人? こうも自信たっぷり、自ら害虫であると名乗る馬鹿には初めてあったわぁ。ねぇ、
白髪の女は、無数傷のある金髪の野獣のような男と赤髪の坊主の男に同意を求める。
「
「……」
赤髪の男が答えるも、金髪の野獣のような男は神妙な顔で僕を凝視するのみ。金髪の男の顔には玉のような汗が多量に張り付いていた。
「
白髪の女が訝しげに、
「逃げるぞ……」
ボソリとそう言葉を絞り出す。
「え? 何が?」
「総員、今すぐ全力でここから退避しろっ!」
「はぁ? あんた、何言ってんの? 怪人にビビッて――」
「そいつは――怪人なんかじゃねぇ! 八界の住人だっ!」
「この自称怪人が八界の住人? 何の冗談よぉ?」
「
白髪の女と、赤髪の坊主エンマが緊張感皆無の口調で反論を口にする。
「馬鹿野郎がぁ! そいつは――」
「怯える雑魚に用はないな」
焦燥に声を震わせながら、怒声を上げる
「ひっ!?」
突如と鼻の先に出現した僕に
白目を剥いて崩れ落ちる
「ぐげげげげげげっーー!」
そして両眼から紫色の液体を垂れ流しながらその全身は溶けていく。
『ひいいいっーー! バケモノォォォッーーー!』
騒々しい悲鳴を上げつつ
「馬鹿がっ! 逃がすわけなかろうが!」
僕はそう吐き捨てて、無数の紫の剣を空中に生み出して串刺しにする。忽ち、肉が溶けて、骨が露出し、大虎のゾンビが出来上がる。
こいつらの下種さ加減は
「残りを食い殺せ」
私の死刑宣告により、白髪の女と巨大な大虎のゾンビは、近くの白服ヒーローどもに襲い掛かった。
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