母「真実明らかに」 アイドル自殺訴訟、会社側は争う姿勢

閉廷後、亡くなった大本萌景さんの遺影とともに会見した母の幸栄さんと弁護団=18日、東京・霞が関の司法記者クラブ(加藤園子撮影)
閉廷後、亡くなった大本萌景さんの遺影とともに会見した母の幸栄さんと弁護団=18日、東京・霞が関の司法記者クラブ(加藤園子撮影)

 愛媛県を拠点に活動するアイドルグループ「愛の葉(えのは)Girls」のメンバーだった大本萌景(ほのか)さん=当時(16)が昨年3月に自宅で自殺したのは、所属会社「Hプロジェクト」(松山市)のパワーハラスメントや過重労働が原因だとして、遺族が会社側に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、東京地裁(三木素子裁判長)で開かれた。会社側は「パワハラや過重労働はなかった」として争う姿勢を示した。

 母の幸栄(ゆきえ)さん(43)が意見陳述し「萌景が戻ることは二度とない。真実を明らかにするため訴訟を提起した」と訴えた。

 訴状によると、大本さんは平成27年7月からHプロジェクトに所属し、アイドル活動のほか、農作業をして農業の魅力を発信。29年ごろからイベントなどの拘束時間が早朝から未明にわたる日もあり、学業との両立に悩んだ大本さんが脱退の意向を伝えると、社員からLINE(ライン)で「次また寝ぼけたこと言い出したらブン殴る」などのメッセージが送られた。

 また、自殺の直前に当時の社長から「(グループを)辞めるなら1億円払え」と伝えられたと主張している。

 閉廷後に記者会見した会社側代理人の渥美陽子弁護士は「拘束時間は自由時間を含んだもので過重労働はなかった」と説明。「社員とは仲がよく、『ブン殴る』の言葉には顔文字も付いており激励の意味だった。『1億円払え』の発言はなかった」と述べた。当時の社長は「疲弊している様子は見られず、自殺の予兆は何もなかった」との談話を出した。

 一方、原告の幸栄さんと弁護団も会見。望月宣武(ひろむ)弁護士は「事務所側とずいぶん認識が異なる。なぜ自殺に至ったかについて逃げていると感じる」と述べた。

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