第34怪 化け狸
アジトに到着するとすぐに、
「二足歩行の忍者コスプレ狸か。微妙だな……」
外見は民話に出てくる二足歩行の狸。ただ、忍びの格好をしたファンシーな狸なわけだが。
まあ、感覚的には雑魚としか判断はできない。
鑑定を賭けてみる――。
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【化け狸】
・変身能力のある狸の妖。
・種族:妖種
・系譜:超神八皇の八、
・存在強度:D(特級)
・限界魔力量:1000
・恩恵魔術:
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変身能力を持った狸ってわけね。伝承にあるような化け狸のようなイメージだろうか。
『儂を呼んだのはお前か?』
唸り声とともに低い声で威圧してくる【化け狸】。
時間も押している。とっとと屈服させよう。
僕は作り笑いを浮かべると、右手の指をパチンと鳴らし魔力を1万込めて『ウィルオウィスプ』の炎を顕現させて【化け狸】の周囲を包囲する。
「戦って燃えるかここで屈服するか、選べ」
端的に選択肢を提示する。
【化け狸】はポカーンとした顔で周囲の黒炎をグルリと見渡して、途端に恐怖一色に変える。
『……参りました』
【化け狸】はガタガタと小刻みに全身を震わせながらそう絞り出すと、突如その姿を消失させる。直後、『化け狸の従属契約完了』という赤色のルーン文字が出現する。
魔物とは言え、動物虐待の趣味はない。平和的な説得を試みたら、あっさり納得てしてもらえたな。
ともあれ、これで変装系の能力を獲得したはず。試しにアビスのコスチュームをイメージすると、僕の纏う衣服が美緒考案の痛々しい服装へと変わる。
「中々これは便利だ」
僕はこの能力の精査を開始する。
色々ためしてみたが、この能力は容姿や性別に至るまでの一切を僕の意思通りに変化させることができるものだった。
もっとも、犬や猫のような動物や赤子のような体格が違い過ぎるものには変化はできない。
ともあれ、変装系能力を得たのは大きい。この能力を駆使すれば、さらに目立たず、悪を執行することが可能となる。僕にとっては地味に使える魔術だろうよ。
そこで、ラインの通知音が鳴るのに気付く。
スマホを開くと美緒から『ダーリン、夕ご飯できたよ~。シチュー冷める前に、早く帰ってきてねぇ』というメッセージだった。
「そうだな。今日はここまでとしておこう」
既存の【
僕らの屋敷の自室へ向かう。
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