第30怪 全ての理を暴くもの――アポカリプス
揺らされる身体。思い瞼を開けると、美緒が今にも泣き出しそうに表情で僕の顔を覗き込んでいた。
「おはよ」
大きな背伸びをしながら左手を上げて朝の挨拶をすると、
「もう! 床で寝てるし、真っ青な顔で揺すってもピクリと動かないから死んじゃったかと思ったじゃんっ!」
両拳を僕の胸に叩きつけて大声を張り上げる。美緒は泣いていた。ポロポロと大粒の涙を流しながら、幼い子供のように泣きじゃくっていたのだ。
この様子からも相当心配させてしまったようだ。ただ、寝ているだけでこうも美緒は取り乱すまい。青白い顔という言葉からも、もしかしたら、一時的に仮死状態になってしまったのかもしれない。
「ごめん」
左腕で抱きしめると落ち着かせるためにその後頭部を優しく撫でる。
美緒は僕の胸に顔を埋めたまま、泣き続けた。
「じゃあ、朝ご飯作ってるね」
先程とは一転、上機嫌で僕の頬にキスをすると、朝食を作るべく一階のキッチンへと降りていく。
美緒がいなくなった部屋で、
「これが、僕が生み出した究極禁術というやつか?」
僕の眼前にプカプカ浮かぶ一冊の本。その本の真っ赤な表紙には幾何学模様が刻まれており、絶えず悪質極まりない赤黒色の霧のようなものを発生させていた。
「調べてみるか」
右手を伸ばそうとすると、本は消失し、僕の目と鼻の先に出現する。そしてページがめくれ、最初のページが開く。そこには――。
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【
★存在意義:
★初伝――魔術贄召喚:発動を認識した魔術を贄としてその元となる存在を召喚することができる。
★解放率:5%
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んー。要は召喚魔術ということだろうな。私の全魔力をつぎ込んだ割に結構しょぼい感じもするが、確かに私が望んでいた魔術だ。特に魔術を認識しただけで呼び出せるというのは大きい。これで僕の『ウィルオウィスプ』に会いたいという当初の目的を達することができる。それに、解放率が5%ということは、まだ先があるということ。ならば、ある意味、この魔術の獲得は行幸という奴なのかもしれぬ。
ともかく少し整理しよう。おそらく、僕が魔術の発動を目にすれば、その元となる生物を呼び出す事ができる。
もし、その呼び出した奴が相当な強者なら、その討伐も命懸けとなる。つまりそれは、僕が絶好の修行相手を獲得した事を意味する。
「むっはっーーー! そうか、そうかっ! 異界の怪物君たち、さぞかし君らは強いんだろうなぁ!」
さぞかし、理不尽に強く、吐き気がするような邪悪なんだろう。こいつらとなら、魂が震えるような闘争をすることができる。
正直、ステイツが危険視していた【
「さあ、ではさっそく、ウィルオウィスプ君、君の雄姿を拝むとしよう」
興奮で呼吸が荒くなるのを自覚しながら、僕は【
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