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トランプの「性別は2つ」「反DEI」を受け入れる米国企業。私たちはなぜ「多様性」に疲れてしまうのか

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

トランプ氏の就任以降、開けたら全部ミミックでした、みたいなビックリ箱状態が続いていますが、特に受難を感じているのは、いわゆるマイノリティの方々でしょう。

就任演説では「性別は男性と女性の2つのみ」と宣言され、政府のDEIプログラム(※)は廃止。就任直後に起きた旅客機・米軍ヘリ衝突事故に至っては、

「多様性で管制の質が下がったから事故が起きたんだ、俺にはわかる」

とまで断言。流石にあのタイミングで事故原因が判るワケもなく、メディアもSNSもドン引きでしたが、一方で「性別は2つ」「DEI後退」については、日米とも比較的冷静な反応が多いようです。

(※)採用や昇進、取引先選定などで、性別・人種・性的マイノリティなどに配慮した公平性を保つ取組み。能力より属性を優遇する逆差別だという批判もあり。

実際「次の大統領はトランプ」が確定してから、米マクドナルド、メタ(Facebook)、ディズニー、ウォルマートなどが、政府の求めに応じて実施していたDEIの取組みを縮小・終了させる動きを見せ、特にディズニーはストーリー内に「そういった要素」を追加しない方針とした模様。

これら民間の動きについて「トランプが各企業に圧力をかけているんだ」と憤っている方がいらっしゃるんですが、実はこの件、そんなシンプルな話ではなく……民主党政権下で推進された「性別は自認で」という、やもすれば歯止めが効かない方針に、多くの米国人、特に教育現場が疲弊していたのは事実であり、それがDEI縮小という空気を後押しした面は否めません。

スポーツ大会で「元男子」が女子をブッチ切り、「私は女性」と思う人なら誰でも、女子トイレだろうが更衣室だろうが入室OKとされ、さらには「性は選べるんだよ」と子供達に迫る大人まで出現すれば、流石にみな疲れてしまうでしょう。

「Qアノン」を信じてしまうトランプ支持者はちょっとどうかと思いますが、だからと言って一部のバイデン支持層も相当アレです。アメリカは大丈夫なんでしょうか?

なぜ多様性は疲れるのか

これは日本での話ですが、以前、女優の橋本愛さんが、

「女湯に女性を『自認』する男子がブラブラ入ってきたらビビる」

的なコメントをしたところ、アッチ界隈から人が押し寄せ、橋本愛さんに謝罪させる騒動があったんですね。ビビるのは当然だし、自認で入り込んだら法的にもアウトですが、それでも「謝れ」と。お気の毒な。

かく言う私も「多様性はお花畑じゃない。嫌いなモノ、苦手なモノでも、その存在だけは認め『お互いに』我慢する、いわばガマン大会だよね」みたいな記事を書くと、必ずアッチ界隈から、

「差別されてきたのに、何でこっちがガマンしなきゃいけないんだ、お前『だけ』がガマンしろ!」

という雄叫びクレームを頂きます。それ本気なの?という感想しか出てこないのですが、そういった「特別扱いしろ」という強烈な欲求がSNSを駆け巡る度に、いわゆる「多様性疲れ」が社会に少しずつ蓄積されていく気が……するんですよね。

日本はたぶん大丈夫

救いなのが、上記のような雄叫びが響くと、アッチ界隈の「穏健派」の方々が「すんません」と私にご連絡を下さるんです、ご丁寧に。や、アナタのせいじゃないですから。

アッチ界隈も、SNSで大声出して暴れている連中には「困ったな」と感じているけど、だからと言ってそれを言うと面倒に巻き込まれるから……という方も少なくないそうで。SNSは偏った一部のデカい声がモノ凄く目立ってしまう世界ですが、

「声のデカい少数vs寡黙な大多数」

というSNSでよく見る構図が、実はマイノリティの「中の世界」でも起きているということ。つまりSNSで見えているアッチ界隈の「過激な主張」が、必ずしも界隈を代表した声とは限らない、ということです。

ネット・SNSの特性を多くの方が理解し、飛び交う情報の側面にもアプローチ出来れば、もしや多様性に起因する無用な対立・分断を少しは回避できるのでは、と最近は密かな希望を感じています。

情報リテラシー、やっぱり大事ですよ。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトル・画像はFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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