おかげで大ヒットし、この年の映画賞を総なめに。作家、檀一雄の再評価にもつながった。
この成功から大作路線が敷かれ、歌人の与謝野晶子を描いた吉永小百合の101本目主演作「華の乱」(88年、深作欣二監督)も生まれた。
しかし思わぬ“火宅の人”がスクープされた。深作と松坂の不倫報道だ。当時、松坂は松竹所属のため、高岩常務の預かり扱い。宣伝部も神経を尖らせていた。何かあってはいけない。
「ところがある日、赤坂のホテルで2人が密会しているところをマスコミに嗅ぎつけられた。深作監督は緒形さんのマネジャーと策を練った。深作監督はルームサービスを呼び、部屋前のカメラマンを煙に巻く隙に無事、厨房から脱出した」
取材陣はまんまと出し抜かれ、そのときはフォーカスされずに済んだ。しかし、2人の騒動は松坂も出演した「華の乱」の撮影現場まで続くことになるのだ…。 (敬称略)
■福永邦昭(ふくなが・くにあき) 1940年3月17日、東京都生まれ、76歳。63(昭和38)年、東映に入社。洋画宣伝室や宣伝プロデューサー、宣伝部長、東映ビデオ取締役を経て、2002年で定年退職。一昨年、「日本元気シニア総研」に参加し、研究委員、シニアビジネスアドバイザーの資格を取得。