ロシアとウクライナ、双方がインフラ施設を空爆 プーチン氏とトランプ氏の電話会談後

ウクライナ軍は18日夜、キーウ上空に飛来するドローンを見つけるため、探照灯を用いた

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画像説明, ウクライナ軍は18日夜、キーウ上空に飛来するドローンを見つけるため、探照灯を用いた

ロシアとウクライナの双方は18日、互いのインフラを標的とした空爆を実施した。この数時間前に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領が電話会談をし、ウクライナのエネルギー・インフラへの攻撃を停止することで合意したばかりだった。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの標的には複数の病院が含まれていると述べた。また、プーチン氏がトランプ氏との電話会談で、包括的停戦を事実上拒否したと主張した。

プーチン氏は電話会談でトランプ氏に対し、諸外国がウクライナに提供している軍事援助と情報共有が終わらない限り、全面的な停戦には応じないと伝えたとされる。

ゼレンスキー氏は、ウクライナ北部スーミ州の病院など、「特に民間インフラを標的とした攻撃があった」と説明。プーチン氏とトランプ氏の電話会談から数時間のうちに、ロシアが40機以上のドローン(無人機)をウクライナに飛ばしたとした。

「ウクライナのエネルギー部門やインフラ、そしてウクライナ人の一般生活を破壊しているのは、ロシアによるこの種の夜間攻撃だ」とゼレンスキー氏はコメント。

「今日、プーチンは全面的停戦案を事実上拒否した」と付け加えた。

一方でロシア国防省は、一晩でウクライナのドローン57機を迎撃し破壊したと発表した。うち35機はウクライナと国境を接する南西部クルスク州の上空で迎撃したとした。

同じく国境を接するロシア西部ベルゴロド州では、「困難な」状況が続いていると、州知事が述べた。ロシア政府は18日、同州への地上攻撃を試みたウクライナ部隊を押し戻したとした。

ロシア南部クラスノダール地方の当局者によると、石油施設がウクライナのドローン1機の攻撃を受け、小規模な火災が発生したという。

この日のプーチン氏とトランプ氏の電話会談では、プーチン氏がウクライナでの全面的な即時停戦を拒否し、エネルギー・インフラへの攻撃を停止することのみに同意したとされる。

この電話会談に先立ちトランプ政権は、サウジアラビアでウクライナ代表団と協議し、30日間の包括的停戦案をまとめていたが、プーチン氏はこれに応じなかった。

アメリカのスティーブ・ウィトコフ中東担当特使によると、ウクライナをめぐるアメリカの協議は、23日にサウジアラビア・ジッダで続けられる予定だという。

ゼレンスキー氏は昨年9月の時点で、ウクライナのエネルギー・インフラの8割が、ロシアの爆撃で破壊されていると述べていた。

ウクライナ政府はこれに対抗するために、ロシア領内の石油・ガス施設に対してドローンやミサイルによる攻撃を仕掛けている。