<敗戦を越えて:市和歌山・井上漸晟(ぜんせい)内野手(2年)>
井上家11人分の大応援に背中を押され、憧れの舞台に足を踏み入れた。「6番一塁」で出場した背番号3の三男漸晟は、3打数無安打で迎えた2点を追う9回2死で第4打席へ。横浜奥村頼に中飛に打ち取られ、最後の打者となった。
「家族にいいところを見せたかったんですけど、情けない結果になってしまって、申し訳ないです」
最年長は21歳、最年少は3歳の10人きょうだいの上から5番目の三男の晴れ舞台に、和歌山・新宮市から地元で建設会社を営む父真吾さん(47)と母味弥(みや)さん(41)、次女陽音(りおん)さん、長男槙晟(てんせい)さん、次男慎晟(じんせい)さん、双子の四男天之真(そらのしん)くんと五男王之真(きみのしん)くん、三女采音(みおん)ちゃん、六男真言(しんげん)くん、七男源乃城(げんのじょう)くんが応援にかけつけた。長女百音(ねおん)さんは仕事で来られなかったが、家族全員の思いを背に、優勝候補に食らいついた。
幼少の弟妹からは「小さいパパ」を略して「ちいパパ」の愛称で呼ばれる。母味弥さんは「すごく家族思いで、ムードメーカーです」と明かす。現在は親元を離れ、学校近くで1人暮らし中。家族の存在について漸晟は「一番頼りになって、何でも言える。いつも背中を押してもらって、一番大きい存在です」と感謝は尽きない。「夏にまた甲子園に戻ってきて、家族に自分の成長した姿をみせたいです」。夏は「ちいパパ」が聖地で大活躍し、大家族を喜ばせる。【古財稜明】