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日銀が利上げを急ぐ理由について面白い記事を見つけた件

 へえ~、そういう視点があるのか、と面白かった記事。

足下の日本の長期金利上昇が昨年までの「日米金利差拡大」を背景とした円安の流れを変え、円高要因の一つになっていることは間違いないところである。
ここに来て日本の長期金利の上昇ピッチが上がってきたのは1月23日、24日に開催した金融政策決定会合で政策金利を0.5%に0.25%引き上げたうえに、その直後から日銀審議委員からさらなる利上げに積極的な発言が続き、市場で日銀の利上げペースが速まるという見通しが広がったからだ
(略)
2月1日に田村審議委員
「25年の後半までに少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」との考えを示し
(略)
19日には高田審議委員が
「経済・物価見通しが実現していけば、利上げで一段のギアシフトを進める局面にある」との見解を示し

上記記事より引用

日銀が、やたらめったら金利引き上げを強調し始めているんですよね。
で、政府もシンクタンクもマスコミも景気回復。
賃上げからの好循環と言いまくっているわけです。

何故1月に利上げした直後から、日本企業の多くが3月末決算を控えて神経質になるこの時期に利上げを強く示唆したのか

上記記事より引用

1月の利上げ時点では、年1~2回程度の利上げというスタンスだったのに、3月にも利上げをするという。
日本の景気が過熱気味であるのなら分かるお話ですが、倒産件数が前年比でプラスであり、景況感もさほど良くはない段階なのは、統計数字が示しています。
あまりにも常軌を逸した言動でして、日銀が日本経済をクラッシュさせようと奮闘しているようにすら見えます。

トランプ大統領が関税引き上げに関して「4月2日にも発表する可能性がある」と発言したのは2月18日であり、4月2日の期日までに開催される日銀金融政策決定会合は3月18日、19日の会合しかない。高田審議委員が3月利上げを強く示唆したのは、トランプ大統領の発言の翌日2月19日であることからすると、この発言が日本側からの最初の回答だった可能性は否定できない。

上記記事からの引用

つまり、トランプ大統領に対し日本への関税圧力を弱めてくださいというアピールだというのです。

う~~~ん・・・
トランプ大統領ってそんなに繊細にメッセージのキャッチボールが出来る人なんでしょうか???
かなりの変化球ですよ、これは。

ただまあ、トランプ大統領の意向を気にするのなら、1月の時点で、「利上げはまだ早い」という記事の通りにしていた方が良かったと思います。

この記事の内容は、近い将来、

トランプ大統領からの圧力で利上げをしないといけないから。

というものでした。
圧力がかかる前に、トランプ大統領に届くかどうかも分からないような変化球で、わざわざ自分から利上げ可能な余力を削るのはどうなのかな? と思いますね。
まあ、場末の町工場の親父の言葉なんて届くわけはないですけどね。
で、案の定、トランプ大統領の関税圧力に屈する形(わずか2か月後の3月時点)で無茶な利上げに応じなければならない事態に追い込まれています。

この先見性のなさは何なのでしょうか?

私のような町工場のオッサンにでも分かるレベルのお話じゃないですか・・・

さらに私が問題視しているのが・・・

これまでのように円安・ドル高を容認し続けることは出来る状況ではなくなったことを市場に認識させ、生産拠点の米国移転を後押しする状況を日銀が作り出す意図が含まれていると考えた方が賢明かもしれない。

上記記事からの引用

というものです。
世界各国では、メキシコ中銀がトランプ関税による国内景気悪化を見込んで利下げを行なったように、利下げに動こうとしているわけです。
日本の場合、真逆の方向性になるわけですよね。
まだまだ国内投資が必要という段階で国内投資機運を引き下げ、米国での投資に注力させようとするのですか・・・
これでは、せっかく九州にTSMC、北海道にラピダスと国の税金を大量投入して、国内投資機運を高めてきたのに梯子外しもいいところですよね。

で、さらに続く記事で、政府がなぜ「コメ騒動」を鎮静化させるのを遅らせてきたのか? の理由に迫っています。

2月21日に公表された1月の消費者物価指数は前年同月比で3.2%上昇と、2か月連続で日銀の目標である2%を大幅に上回る3%超えという結果であった。

上昇を続ける消費者物価の中で際立っていたのが、主食の「米」である。
消費者心理に大きな影響を及ぼす「米類」は、前年同月比で70.9%上昇と過去最大の上昇率を4か月連続で更新する歴史的な高騰を記録している。
(略)
物価上昇を利上げによって食い止めるというのは金融政策の基本ではある。
とはいえ、歴史的な高騰を記録しているおコメの価格を利上げで止められるのかという疑問もわいてくる。
(略)
田村委員が1%程度までの利上げが必要だとする根拠として指摘しているのが、2%超のインフレが「3年近く続いている」うえに、コメの価格上昇が「消費者マインドにダメージを与え、個人消費に悪影響を与えないか懸念」である。
インフレを抑えるために利上げをするのは金融政策の王道だが、コメの価格上昇が「消費者マインドにダメージを与え、個人消費に悪影響を与えないか懸念している」のであれば、経済活動の抑制を通して消費者マインドにダメージを与えるリスクを孕んでいる利上げに前のめりになるよりも、備蓄米放出の効果を見極めるまで金利を据え置く方が理に適っている
メキシコ中銀がトランプ関税による悪影響を懸念して大幅利下げに出たように。

コメ価格を中心に物価上昇は国民生活を苦しめているが、それは円安や資源高に加えて政府主導による人件費上昇によって、2023年に3万2,396品目、2024年に1万2,458品目の食品が値上げされて来たあとの大幅な価格上昇だったことが大きな要因である。

2024年の企業倒産件数は、帝国データバンクの発表によると9,901件で前年(8,497件)から16.5%増加し3年連続で前年を上回っているうえ、日銀が1月の利上げ前に公表した昨年第3四半期の「需給ギャップ」はGDP比▲0.53%(12月発表の内閣府「需給ギャップ」は▲0.4%)であるというマクロ状況を鑑みると、実体経済の足下の状況は利上げで急いで抑制すべき状況にないと言える。

こうした経済状況下で日銀が利上げに前のめりになっていることから想像されることは、「コメ価格」を中心とした物価上昇以外に早期利上げが必要な事態が生じていることだ。
(略)
2月20日、農林中央金庫は今期(2025年3月期)の連結純損益が1兆9000億円程度の赤字(前期は636億円の黒字)に陥る見通しであることと、巨額損失を受けて奥和登理事長が3月末で引責辞任することを発表した。
(略)
ポイントは、「巨額赤字への対応策であるJA(農協)などを引受先とした1兆4000億円規模の資本増強も今年度内に完了させる」ところだ。
(略)
農林中央金庫に資金を預けて運用して貰っていたJAに1兆4,000億円もの大規模な資本増強に応じられる体力が残っているかは甚だ疑問である。
(略)
農林中央金庫の経営危機対応は、金融システムの安定を担っている日銀にとって最重要課題である。
(略)
1月の利上げによって付利も0.5%に上がったうえに、3月にも0.25%利上げを行われれば、年度内受取利息はあと100億円以上増える可能性がある。
2兆円の赤字、1兆4,000億円規模の資本増強額に比較すれば微々たる金額かもしれないが、翌期(26年3月期)に300〜700億円の黒字を見込む農林中央金庫にとって利上げによる付利引上げは大きな援軍になるはずだ。
(略)
資本増強に応じるには引き受け手となるJAの利益確保が必要不可欠である。そして、物価上昇によって生産コストが上昇する中でJAが必要な利益を確保するために必要なのは「売上拡大」である。
(略)
農林中央金庫が外債投資の失敗で25年3月期の最終損益が5,000億円規模の巨額赤字に陥ることを発表した6月前後から「米類」が、赤字額が1兆5,000億円~2兆円規模になることが公表された11月頃から「生鮮野菜」価格の上昇が際立ってきていることだ。
(略)
24年8月頃から店頭でコメが品薄となり「令和のコメ騒動」と騒がれ始めてからも、政府は新米が流通すれば品不足は解消されるとの見通しの下、備蓄米の放出を一貫して否定してきた。
(略)
政府の備蓄米放出が遅きに失したのは、単にコメ価格の見通しが甘かったからだけではなく、JAが農林中央金庫からの1兆4,000億円という大規模な資本増強要請に応じられる資金を捻出するためにコメ価格の上昇を抑えるわけにはいかなかったという大人の事情があったと考えるべきだろう
(略)
日銀が3月決算目前に開催される3月の日銀金融政策決定会合での利上げに前のめりになっているのは、3月に利上げせずに備蓄米放出の効果によって消費者の期待通りにおコメの価格が下落して来れば、4月30日~5月1日開催予定の日銀金融政策決定会合で利上げが難くなることを意識してのことだろう。

上記記事より引用

こちらの記事の視点は、私にはありませんでした。
事実だとしたら、国民への過度な転嫁になりますのでやめて欲しいものです。

もちろん日銀の利上げが、この一連の記事の内容(トランプ大統領への阿りと農林中央金庫の救済)だけで決まったとは言い切れませんが、あながち否定できないものがあるなと思います。

皆さんは、この記事の視点、いかが思われましたか?

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まっちゃん
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コメント

24
まっちゃん
まっちゃん

私のコメントのうち、1番目と2番目の冒頭。
財務省解体論に関する部分を無視して読めば、あなたへの反論ではなく記事の「内容説明」に終始していることが理解可能と思いますが・・・

まっちゃん
まっちゃん

なお、あなたは、私からの返信が迷惑だとしておき、ブロックまでかけているわけですが・・・なぜ、しつこく返信してくるんでしょうか?
ここは私の管理する場ですので、関わりたくないと思えば、これ以上コメントしてこなければ済みます。
一番手っ取り早いのは、ご自身のコメントを全て削除することだと思います。
私としては最終的に双方ブロックで手打ちというお話はしていますし、ここが私の管理する場であるため、こういう議論の締めは私の発言をもっておしまいにしたいんですけどね。

新しい幸せの扉
新しい幸せの扉

たしなめられたくなければ、非公開にすればいいのに👍
噛みついてくるから、対応してるだけ。
書いてたけど、理解すらできないんだね。

まっちゃん
まっちゃん

多分、書いてくるだろうな~と思っていました。
が、書いてきた内容がしょぼすぎて残念です。
「たしなめる」というのであれば、「発言個所のこの部分が間違っている」とでも言えば良く、「理解力ない」とか「稚拙」という侮辱発言・人格否定発言として問題視されますので、控えるように「たしなめて」おきます。

なお、私は「言ってもいないことを前提に批判される謂れはない。」としているだけです。

勝手に緊縮財政派で財務省擁護派みたいなニュアンスで批判されたりして意味不明と思っています。
noteにはキーワード検索機能というのがあり、「財政出動」や「緊縮財政」といったワードで検索すれば、私がリフレ派寄りの発言をし、政府や財務省の緊縮路線を批判的に論じていることが理解可能です。

相手を理解しようという気持ちがある人であれば、私の他の記事を検索したりして改心するかなあ? と思い、門戸を開いておきましたが、改心する気が無いようですし、反論にすらなっていないので、これ以上の門戸は必要なさそうですね。

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