巫丹、隠し技の連続の妙技 

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巫丹(四川省)という80年代後期から90年代前半の中国の
ナショナルチームを支えたライトプレーヤーを覚えていますか?
身長177cmながら、攻守に優れ、各国を苦しめ続けました。
涼しい顔をして、憎らしいプレーをすると、荒木田裕子の解説でよく言われていました。


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ライトにもセンターにもどちらにも行けるような雰囲気を醸し出しています。
勿論涼しい顔で、です。


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ドイツのレフトブロッカーは彼女を見失っています。
セッターの馬芳の陰に隠れるように前に踏み出してきました。

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ドイツのブロッカー陣は、
彼女の切り込みのことを認識しながらも、
静かに切り込み、決定率も微妙に高い頼亜文を無視するわけにもいかない状態です。


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セッターの陰から出て来ることくらいは、中学生レベルでもやれます。
しかし、そのセッターの馬芳は、ジャンプセットを早く跳んで
下りながらボールを放ちました。
頼亜文にコミットしないブロッカーであっても、
タイミングをずらしにかかります。


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巫丹のフェイクモーション+セッターのフェイクモーション+1stテンポヒッターの
トリプル効果で惑わします。

さっきはセッターの後に隠れて出てきたのに、
今度はセンターの後に隠れました。

2回にわたって、背後に潜みます。


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ここで、囮の陰から巫丹が現れましたが、
その現れ方は、ただ単にジャンプしたのではなく
踏切りの際に横に蹴って
左に流れて空中移動までします。



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頼亜文という囮+馬芳のジャンプの下り際と
タメにタメたセットで惹きつける+巫丹のどちらにでも行ける体勢から
急に方向転換し、セッターの陰に隠れる+センターの後ろにも隠れる+横流れ跳び、と
ここまで十分なくらいに相手を欺く要素を気前よく詰め込んでいます。

相手はブロックにつけていないというのに
これでもかというダメ押し攻撃です。

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更に目線と違う向きに思いきりCross Body 打ち。
まさにイケズです。ブロックに跳ばせてから空中でよりスペースのある方を
見極めてます。



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体の向きと打つ方向を変えても、
空中バランスは全く崩れません。
両足で着地します。
相手ブロックはどこまでもタイミングが合わないまま終了です。

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そして、決まると分かっていても、
視線はボールが床に落ちるまで最後まで離しません。
彼女が、高度なプレーをした後に、よろよろ倒れ込んだり、
尻もちをついたりすることは、まずありませんでした。

そして拾われても、止められても
顔色一つ変わらない平常心。

決めても歯を見せて笑わない。


日本で王一梅や趙蕊蕊レベルの選手を出せなくても
彼女のような選手は、いなくてはなりませんし、
このようなプレーが出来なくてはなりません。

彼女はレフトからはほとんど打ちませんし、
バックローアタックも打ちません。

現代の男性化したバレーのプレースタイルではありません。
仮に、今彼女が2007年の世界のバレーにいたら、どうなるか。

やはり通用すると思います。
ブロックがついてからの対応の仕方が彼女の真骨頂。

身長177cm、日本選手と変わらないサイズで最高到達点311cm。
スクワットも180kgは挙げられる筋力と
走っても短距離走者並み。怪我をしない丈夫な体。

日本代表をみても、Vプレミアを見ても、
こんなに隠し味がいくつもある選手やプレーが見られません。

どんなにブロックが高くシステムが発達した21世紀のバレーでも
臨機応変に、スピードと技でかわせる選手はやっぱり通用しているはずです。


この映像は1991年のワールドカップ。
当時の彼女は、まだ22歳でした。

彼女は、決して小手先のプレーではなく、自分の持っている筋力やスピードを、
さまざまなタイミングを駆使しながら使い分けていました。
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