「ようやくだねー!」
「ああ、散々僕達も手合わせはしたけど実戦を見るのは初めてだからね…」
「あの変態カス集団相手じゃ大したモン見せないんじゃないか?」
「手札の多さを考えると隠す意味も少ないからバンバン使える札は切るだろうし…1つの指標にはなると思うよ…」
「…それにベルや他の新入団員もいる」
「ベートが珍しく高評価だからどれほどかと思ったけど、予想以上だったよねえ、アタシの攻撃も大半逸らされたり躱されたりだったし…」
「アンタは力任せすぎんのよ」
「何をー!ティオネも大差ないじゃん!あんだけ攻めまくって捌ききられてたし!」
「ぐ…無詠唱魔法がレベル2とは思えないほど痛かったし、なんなのかしらねあの
「ステイタスに寄りかからない『技』もしっかり重要視している者の動きだったねアレは…既に一流になるための土台というか準備は出来ていそうだった」
「私が直接教えるまでもなく、こちらの魔法を殆ど使えるみたいだったしレフィーヤよりコピー条件は緩そうだったな…【ジェノス・アンジェラス】もしっかり使えるらしいときた…」
「アレで魔導士ってんだから大半の他の雑魚共は型無しだろうよ」
「ちなみに『例の防御魔法』は?」
アイズが突っ込む。そう言えば全く使う機会がなかったから判らない。
「「「あ」」」
「聞いたら『ある』ってあっさり教えてくれたよ、自前かアルフィアから継いだものかは判らないけどね…」
フィンが答える。リヴェリアあたりには天敵になり兼ねない相手なので「そこ」もう少し気にして欲しかったのだが…大概みんな脳が焼かれてしまって忘れていたのだろう
「うわぁ本当にレベル上がったら誰も勝てないんじゃない?」
「それより僕はあのベルと並んだ光景を想像するだけで親指が震えるんだよね…」
「あの手札の多さを考えれば集団戦のほうが厄介だろう、勿論個人戦でも全く隙がないが、アレが10歳か…確かに見た目はそうだが…」
レフィーヤはいつもの如くアイズをストーキングし、ロキ・ファミリア幹部陣が総出でクラネル兄妹が鍛えられているところを目撃していた。同じファミリアで有望と見られている自分ですらあんなことしてもらったことないのに…
自分と同じ系統の魔法の使い手で種族縛りも、起動詠唱も無い完全上位互換。「魔法の数に関しては唯一無二」という自信は木っ端微塵に砕けてしまった。
武術に関してはほぼ素人の自分では全く理解出来なかった。「なんか凄い」ということくらいしか理解らない。レベル2くらいのスペックに合わせたアイズが、何回か危うい場面を晒してしまい、
結局レベル3くらいの能力で相手せざるを得なくなったのは聞こえてきた話で理解った。尚、ティオナやベート、フィンらは最初からそれくらいの力で相手をしていた。
レベル4くらいに合わせたティオネ相手だと流石に防戦気味だったが(それでもほぼ凌ぎきっていた)
フィン達から言わせれば「【才禍の怪物】と才能で競うとか愚かにも程がある」と言うだろう。アレは「天才を越えた鬼才」だし、ロキ・ファミリア幹部陣やレフィーヤは一般的には全員が充分天才の範疇に入る。
何より自分でも判らないのがあの「ベル・クラネルの妹」というポジションが不思議と気に食わない。ロキの眷属らしく、割と面食いで美少女には甘いレフィーヤにしては珍しい反応だった。
更に「例の防御魔法」もあるらしいので自分では1レベル差程度では普通に負ける。レベル差を当たり前に覆したり、無詠唱の速攻魔法もそうだが、短期間で常識外の新人が沸きすぎだろう。
あの
何故かフィルヴィスのことをやたら気にしていて質問されたが…ベル・クラネルも冒険者にしては珍しく礼儀正しいと最初の頃は思っていたが、輪にかけて礼儀正しく謙虚だった。
彼の面影を感じる容姿でもあったし、実妹ではなく従妹らしいが確かな血の繋がりを感じさせた。能力もそうだが振る舞いも10歳とは思えない。
「ああ、これは
魔導士としてはどうしても意識してしまうが、ベル・クラネルとは違って流石に10歳の女の子を意識しまくっているのを周りに知られたくないため、なるべく露わにしないようにしているが…
「あ、始まった!」
映像内の試合開始とほぼ同時にティオナの声も上がる。
───
開始と同時に全員が駆け出すが、リューが先頭で切り込みクロッゾの魔剣を振るう。
ベルとアリス、
飛んでくる魔法もあるが…
「【
かき消される。飛んでくる弓矢も…
「
尽く撃ち落とされる。
「”それ”やっぱスゲーな」
「ふふ…強いでしょ、これ、お母様譲りの魔法なの。ヴェルフの魔法も凄く強いと思うけどね」
「いや不意打ちにゃ対応出来んしお前のが強いと思うぜ」
(上の方に強めの気配が集まっている…レベル2の殆どが城の上部のようだ…敵の大将をビビらせすぎたようだな…)
じゃあそれに合わせて少し魅せる方向でいきますか。まだ私の魔法は
「【永争せよ、不滅の雷兵】!【カウルス・ヒルド】!」
雷撃の弾幕が展開され次々と城の上部の敵だけを倒していく。レベル2と、レベル1に使う威力を分けている。死なないように気遣って。500m以上先から味方に誤射せず敵だけを精密射撃するヘディンほどではないが、魅せ技として充分だろう。
「よし、このへんか行くよお兄ちゃん!「うん!」【エアリアル】!」
風に乗ってベルと一緒に飛び立つ。一応目立たないように使ったが…どうなるやら。死屍累々になったその城の上部に2人で降り立つ。”これ”が共にすぐ出来たのはリューさんとベル、忍者修行をしていた
共に上から乗り込む人間は決めていた。変身したリリが城の下部を開けて、リューさんに
今後はそこまで気にしなくていいけど、ほぼ初戦の今回だけはリリの自己肯定感を上げるためにも必要な作戦遂行だ。
私達は最上階の間の扉を吹き飛ばして侵入していく。
「お、貴女もこっちに居たのねダフネ、ちょっと展開変わっちゃったかなあ」
「?初対面だよね…?」
「まあね、うん、やっぱ貴女は他のカスより大分マシみたい、カサンドラは?仲良いのよね、居ないのかなあ?」
「ほら魔法あるんでしょ?ま・ほ・う、それ使えば少しは良い勝負出来るかもよやってみれば?」
喋りながら無詠唱魔法と体術だけで周囲のレベル2を片付けていく。というかそのへんの情報割れてないはずなのに…今目の前で見せてる強さも同じレベル2とは思えない。
「いやいい。絶対に勝てないし。アンタがその気ならこの
「ふぅん?まあ貴女このファミリア嫌いだもんね、じゃあもういいよお休み、またね【
その魔法を受けて軽く吹っ飛びダフネ・ラウロスは気絶した。結構良い読みしている、やっぱ頭良いな。もう少し粘って欲しかったが、わざわざ嫌いな魔法使ってまで守るほどの価値がアポロン・ファミリアにはないのだろう。
「なんなんだ!なんなんだお前らはァ!」
部下が眼の前で全員やられて取り乱しているヒュアキントス。一騎打ちは既に始まっている。今のベルは普通に強い。仲間への侮辱の怒りはほぼ皆無になったが、「家族(と自分の貞操)を守る」ということがモチベーションに繋がっているらしい。
技と駆け引きもだが、単純なステイタスも
チャージも見せることなく、一騎打ちであっさりベルが倒してしまった。まあ私も既に倒しているし格落ちよね。
城の下部の敵もレベル1が大半だったため、4人のなんの障害にもならなく上で合流して戦いは終結した。ちなみに割り込もうとしたカサンドラは