黄昏の館では───
「ベートどうしたんだ珍しい【ゼウス・ヘラ】のことを聞きたいだなんて」
酒場から帰った翌日本当に珍しくベートはリヴェリアに質問していた。10歳程度の少女がレベル差をあっさり覆していた光景は彼からしても衝撃的だったのだ。
意外も意外だろう。普段の彼なら「とっくの昔にくたばった連中になんて興味ねェな」とか吐き捨てているところだからだ。
「うるせえ、7年前の時点じゃ俺も大したことなかったからな、終ぞ奴らとは対峙しなかったし気になっただけだ」
「やはり会ったのか『噂の彼女』と」
「…まあ、そうだ…アレはすぐに
「ベル・クラネルも有望なのにそんな2人目のアルフィアみたいな奴まで現れるとはな…下手すれば数年以内に都市のパワーバランスが変わるぞ…ちなみに病気らしきものはあったか?」
「んなもん絶対ねーな、魔導士って話だけど一発だけ無詠唱魔法使っただけで後はグーだけで格上ボコってたぜ?」
「あの、アルフィアさんというのは…」
珍しい光景に眼を丸くしていたレフィーヤが
「ラウル達は知っているだろうがレフィーヤは知らなかったな、良い機会だ話しておくか、ギルドの情報よりは私達の方が多少詳しく話せるだろうしな7年前に『絶対悪』を名乗り
元ヘラ・ファミリア幹部の冒険者だ…レベルは7だったが持病が無ければ間違いなく8以上…いや
「破格の性能を誇る無詠唱の音魔法で、魔導士なのに単独でも第一級の戦士だろうが軽く倒せたし、切り札たる広域殲滅魔法はリヴァイアサンを沈めたらしい…単純な破壊力なら間違いなく最強だろうな、
仮に私がレベル7に至った場合の【レア・ラーヴァテイン】でも殺傷力は判らんが単純な破壊力は奴の【ジェノス・アンジェラス】の方が上だろうよ…病弱だという割には見ただけで他者の動きを簡単に模倣してしまい、
決まった武器は持たなかったが、剣技まで極まっていたな…並行詠唱の腕も極まっていたから奴が長文詠唱を始めても止めるのは至難の業だ。しかも奴の第三魔法はあらゆる魔法を無効化する。
だから魔導士の天敵みたいな奴で結局は物理による近接戦を強いられる。近接戦も恐ろしく強いのに、だ」
「【神時代最高の才能】【才能の怪物】故についた二つ名以外の渾名が【才禍の怪物】だ。2度と同じような存在が見れるとは思っていなかったけど…実の娘なら確かに有り得るかもね。
”音”という性質上躱すのは至難の業だ。魔導具の耳栓でもあれば一応軽減くらいは出来るだろうが…」
フィンが繋ぐ。
「あくまで”軽減”が限界じゃな。音そのものに高い破壊力が宿っている以上、完全に防ぐ方法は奴のように魔法そのものを無効化するような反則技のみじゃろうて
結局最期は【アストレア・ファミリア】と対峙し、持病に足を引っ張られ討ち取られたようじゃが…」
ガレスも参加する。あの2人は彼らからしても今尚、複雑な相手だった。
「本人たち曰く『勝たせてもらったようなものだ』と当時は言っていたよ、ザルドを倒したオッタルも似たようなことを言っていた」
「あの…なんでそんな凄い人が
「さあのう、終わってみれば奴らを討ち取った【アストレア・ファミリア】とオッタルはみなランクアップしたのが最終的な結果じゃし…まあそういうことじゃろうよ」
「ザルドはベヒーモスの毒に侵されていたらしいし、アルフィアも血を吐くほど病が進行していたし、死期を悟って
まあだからといって奴らのやり方はとてもじゃないが肯定までは出来んがな、ただ
「まあ仮に『病のないアルフィア』という存在が実現したら…間違いなく頂天に至るだろうね、オッタルもかつての【女帝】すらも越えて…」
フィンがそう締める。「ベル・クラネルもやばかったよな」「え、あれ以上?」「いや、まだ子供だぜ」「だからやべーんだろ」みたいな声が上がっている。ちなみにアイズは「ただ強いだけの悪い人じゃなかったんだ…」と地味にショックを受けていた。
───
ダフネとカサンドラからベルに「神の宴」の招待状が渡された。ちなみに「ご愁傷様」とは言わなかったらしい。もし言われた時に私がその場にいたら「そちらがね」と返していただろうが。引きつった顔で辺りを見回していたらしい。
私のことを探していたのだろう。眷属引いちゃってるじゃん、それでも止まれないのかあのアホ神は。性欲全開だなあ、やはり
私もばっちり目を付けられていた上に諦められないらしい。ヘスティア様には白と青が基調のドレスと下品過ぎない程度に装飾品を付けてミアハ様やナァーザさんと共に出立した。
ヘスティア様は感動していたが先を知っているのなら当然の準備である。私はまんまお母様の現役時代の黒いドレスを小さくしたようなのを着ていた。会場では「ロリフィア」とか聞こえてきたが。
「…本当にアルフィアそっくりね」
「初めましてヘファイストス様、ヴェルフにはお世話になっています。」
「…冒険者とは思えないほど礼儀正しいわね、誰に似たのかしら…ヘラやアルフィアなわけないし…ヘスティアも違うわよね」
ヘファイストス様がタケミカヅチ様と共に現れた。
「やぁやぁ集まっているようだね!オレも混ぜてくれよ!」
「よく私達の前に姿を見せられましたねヘルメス…神
アリスがヘルメスに極寒の視線を浴びせる。
「アリスちゃぁんなんでオレにはずっと塩対応なのさぁ?」
「自分の胸に聞いてみたらどうです?
この場のミアハ、タケミカヅチ、ヘファイストスの
アスフィは割と真っ当な感覚で彼女を恐れていた。10歳程度で
味方にすれば頼もしいが絶対敵に回したくない。レベル4の自分でも現時点でヘタをすれば倒されかねない。
その後はアポロンが挨拶し、フレイヤがヘスティア達に近付いてきた。ヘスティアとヘファイストスにフレイヤが挨拶をする。付き人はオッタルとヘディンだ。
「面白い子達を眷属にしたのね、ヘスティア…」
見透かすような視線───ああ、やっぱり私達のことも判るんだ。
流石、北欧神話でもトップクラスの知名度を誇る美神…前世では見たことがないレベルの美人だ。
読者視点の時は何も思わなかったが、
このあたりのレベルまでくると好みの範疇での差でしかないだろう。美しいというよりは可愛らしいタイプのヘスティア様も全然負けていないし。というか私もアルフィアさんベースという時点で負けていない。
アイズさんとかも普通に神々と同格だろうし。「美の女神」が特別視されるのは神威的な権能に近い魅了の力があるからに他ならないだろう。これで眷属と寝まくっているってんだからそりゃ男は骨抜きにされる。女でも人の身じゃ抗えないだろう。
だが思えば彼女も哀れな
まあアルテミス様の場合は周囲を巻き込まない理性、相手の意志を無視しない善性、があるだけ大分マシか。アポロンに騙されて
フレイヤの場合もそれをベルに見出したのだろうが…だがどんなに苦しもうがベルの人生、人格や思い出を壊していい理由にはならない。フレイヤとの衝突はどうあっても避けられないだろう。
私がきちんと力になれればいいのだが…そんなことを考えながら挨拶する。
「初めまして、フレイヤ様、アリスフィア・クラネルと申します。出来たら宴の後、お話しをしたいのですが…オッタル氏も同席して構わないので───あと、ヘスティア様も…」
ヘスティア様に「自分も絶対に参加する」といった感じで服を掴まれている。仕方ないか。その後にロキ様が現れてヘスティア様を煽る。アイズさんとフィンさんを連れている。
神様同士の付き合いなので見逃しているが、主神をバカにされるのはやはり面白くない。まあヘスティア様のご立派なモノへの可愛らしい嫉妬として大目に見よう。
「ほわぁー!アリスたんマジかわええー!昔のアイズたんにも負けてへんわぁ!ロリフィアやホンマロリフィアやぁ!なぁなぁドチビんとこなんか抜けてウチのとこに
(フン素人め…寧ろそっくりなのは私よりメーテリアの方だろうが)
なんのマウント取りですかね…まあロキ様は外出もままならなかったメーテリア叔母様のことを知らないでも不思議ではない。白髪だから叔母様の方が似てるよねそりゃ…
「有り難いお誘いですが私が忠誠を捧げるのは未来永劫ヘスティア様ただ
フレイヤにも視線を飛ばしながら言う。
「くぁあーっなんでドチビんとこに強くて可愛いこんなにええ子がいきなり
「ふんっキミに言われるまでもないことさっ!」
そして別の場所ではヘルメスがベルに三大
まあ物語的には最後に残ったのが最強というのはある意味当然なのだろうが…それに現実的にも空を飛ぶ相手が一番厄介なのは当然か。
(「怪鳥ジズ」か…竜でなく鳥だったらまだ少しは楽出来たかもな…)
まあドラゴンといえば怪物の頂点、最強の象徴だ。モンスターだらけのこの世界でもいや実在するからこそ竜種の強大さはよく知られている。だから妙なアレンジされたのだろう。
(そんなこと言ったら本来はあの3体は最終的には人間に喰われるだけの存在だっけか?ベヒーモスは毒獣と化していたからザルドの奴はモロに食あたりしてしまったがなフハハ)
それ全く笑えませんよ…ベルに今のうちから竜種狩らせまくってアイズさんみたいな竜種特攻スキルに目覚めさせられないかなあ…ベルのその手のスキルって言ったらアレしかないもんな、牛特攻。
アルゴノゥトがベルの
(ふん…物語としてはそこそこ面白いのは認めてやるが、あんな軽薄な男論外だな、容姿以外似なくて良かったな本当に)
でも普段は頼りない感じなのに決めるべきところはきちんと決める感じそっくりですよねえ。主人公気質というか。ゼウスもそら夢中になるわ。
(ぐ…常に頼れるような男に育ててやればいいさこれから私達でな、だからあのクソ雑魚サポーターを連想させる奴の話は止めてくれ)
ベルの父親はなんというかアルゴノゥトっぽい人物だったらしい。それはそれで凄い興味沸くがまあ私も友達ならまだ良いがアレを身内にはしたくない。
アステリオスもう生まれてるのかなあ楽しみですよね、
(面倒だな…とっとと送還させないか?)
「ファミリアの方は使えそう」って言っていたのにそんなことしたら味方になってくれなくなりますよ…特にアスフィさんは代えの利かない人材だし…
(あのガイコツがいるだろう)
全部フェルズさん1人に押し付ける気ですか、既に骨だけの人?を過労死させる気ですか。これから私達は自身とベルを中心にヘスティア・ファミリアの底上げをしていき、
余裕があればオラリオ全体を特に【ロキ・フレイヤ】と
【フレイヤ】の方は勿論
多分フェルズさんがトンデモ兵器か弱体化アイテムだとかを開発した上でどうにかするのだろう。そんな描写あったし。
レベル9が居て負けたのだから普通に力押しでどうにかするにはレベル10とかが必要になりそうなものなのに、オッタルやフィンさん達が今からそこまでのレベルに上げられるとは思えない。ベルの早さでも無理だ。
ならフェルズさんの負担を大きくするような行動は断じて無しだ。既に結構依頼はしてしまっているが、それはこれからの働きで返せば良い。人間に戻るための研究は絶対に協力してもらわなきゃだし。
まあフェルズさんの働きが大きかろうが単純な武力も絶対に必要になるから、強くなるための努力は惜しまない。そんな思考を高速展開しながら私はベルと踊った後、今はヘスティア様と踊っていた。
アイズさんとベルが踊っていた時ヘスティア様とロキ様だけでなくお母様も少しうるさかったが…【静寂】とは一体…私の場合は背丈的にはヘスティア様とが一番ぴったりなんだよね、私のほうが少し大きいけど。
ちなみにフィンさんとも踊った。ティオネさん居なくて本当に良かった…
その後は主催者としてアポロンが現れ、周りにも呼びかけるようにヘスティア様に話しかけてくる。
「ヘスティア。先日は私の
「あのクソザコ団長のこと?自分達から仕掛けようとして返り討ちに遭ってボコられたのにまだ余計なことしようとする判断力の無さは一周回って感心するわ、よくそんなんで生きてこれたわね?」
ヘスティア様が返答する前に割って入る。
「ぐ…ヒュアキントスのことではない!憎たらしいガキだ!ベルきゅんと兄妹仲良く優しく可愛がってやるつもりだったが手に入れたらズタズタにしてやるッッ!」
神威を漏らしながら汚い言葉を吐くアポロンだがアリスが怯むことはない。女神たちは「嫌ねー」みたいな反応だ。
「…
「ぐ…とにかく重傷を負わされた我が子の代償を貰うッ!」
「それで?用意したのがそのミイラのような包帯グルグル巻きの
「次はそいつに『イタイヨー』とか言わせるんですか?身体目当てでここまで滑稽な茶番を続けられるその性欲の強さだけは評価してあげますよ」
神々は殆どが笑ってる。ロキ様もひーひー腹を抱えて笑っている。
「ほら茶番はもういいですからとっとと
ヴェルフや
だから本来より早く開催されようと大丈夫だ。リリ抜きでも、なんならリューさんも抜きでもなんら問題ない。奴らの底は既に見えている。もっと言えばベルと2人だけでも勝てる。
「そこまで言うならやってやる…
「マジでマジで、マジやんの?」「既にアポロンとこの団長あの子に負けているらしいぜ?」「【
「まだ10歳のレベル2だぞ」「遠からず
と神々は好き勝手に騒ぐ。だがその場の全ての者が思った「間違いなく
普通ならアポロン側が圧勝なのは判り切っていたところなのだが、ベル・クラネルは既に戦歴からして普通ではない。アリスフィアのヤバさは目の当たりにした。実際に戦わずとも判る者には判る。
「
ちなみにベルや
「神の宴」の後のロキ・ファミリア陣の帰路では───
「偉く饒舌に煽っておったなあ、アルフィアとは結構タイプ違いそうやな、あのクソ度胸だけで評価出来るけど…ホンマ欲しかったわあの子…」
「日頃
「ほんで肝心の強さの方はどー見るん?」
「間違いなく強い…それもレベル4くらいなら現時点でも勝てるかもしれない…多分オッタルやヘディン、アイズも似たような見立てなんじゃないかな」
「うん…『あの人の娘』っていうのは…凄い納得した…ベルとあの
「それと『レベル3以上になったら地下のゴミ掃除手伝う』なんて耳打ちされたよ…」
「ほーんなんでそっちの方知ってんのかなあ…ヘルメスあたりか…」
「えっと…楽しみだね?」
合っているようで微妙にズレたことを言うアイズだがフィンも似たような気持ちだった。
───
「貴重なお時間ありがとうございますフレイヤ様…」
「いいえ、私も貴女には凄く興味があったから…ヘスティア、貴女の子は面白い子達ばかりね。それに礼儀正しいし…
「キミくらいしか頼れそうなのが居ないからね…あんまり借り作りたくなかったんだけど…」
「へえ貴女がねえ…それでアリス、なんでオッタルは良くてヘディンが駄目だったのかしら?」
「
「あら…ヘディンと彼女、面識あったかしら?」
「いやまあ、それはこれから次第ですけど…」
「あの教育」はなあ…たしかに強さも身についたし、女性に紳士的に振る舞えるようになったのかもしれないけど…元々モテるベルにあんなことしたら余計に
「釣りまくって餌を与えられない魚」が量産されるだろう。教育というかアレは最早「洗脳」だ。ちなみにお母様には悪いがアイズ(仲良くなって呼び捨てになった)との恋は私だけでも応援する方向だ。
「これ」に関してだけは方針が合わないかもしれない。「ヒロイン達の前に立ちはだかるラスボス」…私はやらんぞ…
(じゃあせめてあの天然娘を私達が教育する方向で…あの年増の教育もダメダメだし)
なんで「自分なら上手くやれる」と思えるんですかね…あとそれ下手すれば私達だけでロキ・ファミリア全員と戦うことになりますよ?
リューさんとかリリとも戦うのかなあ、嫌だなあ、もう普通に私の方は仲良いのに…春姫のバフも私らなら簡単に無効化出来るだろうけど…
(リリルカの方はなんとかもっと使えるように出来ないのか?「前世が元
だから
まあ「頭の良さ」より圧倒的に個人の強さのみを尊ぶ文化が根付いているこの世界じゃ、本人の武力が低い「後方指揮官」なんて信頼得るの難しそうですけど…
複数の
(ふん…姉の来世までを想って
ここまでの脳内のやり取りはほんの3秒程度だがフレイヤの方に意識を戻す。
「それでフレイヤ様…貴女様の眼には『私達』がどう映っています?」
「アリス…貴女の魂は…この世界の生まれとは思えないほど大きくてアルフィアの魂と癒着してるわね…相性が良すぎるのね貴女達…」
「このままだと私達は
「そのままだと遠からずアルフィアの魂も貴女が飲み込んでしまうでしょうね。アルフィアのも大きくて強い輝きを持つ素晴らしい魂なのだけど…強大さ、希少性という意味では貴女が更に上ね…」
(やはり、そうなるか…気にするなアリス、私は───)
それは断じて認められない。自分の命より大切なくらい
私の魔法【マギアレコード】は転生者御用達のレフィーヤの上位互換ともいえるコピー魔法だ。効果は「私が前世で知った
お母様しか知らない魔法は使えない。それにあくまで私が知る原作内の魔法のみだ。「この世界」という部分がなければ本物のチート転生者になれたのにな…流石にそこまでの無法は許されないらしい。
カイザーフェニックスとか
「【終わる幻想、還る魂ーー引き裂けぬ
「(!?)」
フィルヴィス・シャリアの分身魔法。彼女の場合はひび割れ壊れて2つに魂が分かれてしまったのだろうが、私達の場合は元々の魂が2つだ。だからこうして別の身体に別れることも自然なことだ。
「へえ…」
「フレイヤ様貴女様の眼には今の私たちがどう映っていますか?」
2人に別れたアリスとアルフィア。
「そうね…繋がりは残っているけど、不自然に癒着していた部分は綺麗に別れたわ、その魔法を解いて戻っても多分大丈夫でしょうね、それを定期的に使えば…ちなみにそれって貴女本来の魔法?」
「いいえ、これはある1人の悲しき妖精が失意から発現した、分身魔法の模倣です。なんなら【ヴァナ・セイズ】でも【ラウルス・ヒルド】でも【ヒルスヴィーニ】でも使えますよ。種族的制限もないですから」
「フフッ【
「確かに自慢したい気持ちは0じゃないけど自分から言いふらす気はないよ、まあどうせ遠くないうちに広まるだろうけど…」
「猪…独立した私を見て眼を輝かせるな…言っておくがこの状態の私はアリスと力を分け合ってる状態だから今はレベル1同然のクソザコだからな?」
「だが、もう病はないのだろう…」
「まあそうだが…実際にお前の相手をするとしたらこの子の方だろうよ」
「クク…どちらにせよ楽しみだ」
その後は私の詳しい身体の状態や
「フレイヤ様もしあの娘の言う通りの展開になったら──────」
「
「ええ、勿論ですとも───あやつを失うのはこの世界に、ひいては貴女様にとっても多大な損失となるでしょう。恐らく私にとっても…」
「
上手く利用していたんだったかしら…あの貪欲さというか強かさを見習ったほうがいいのかしらねえ?まだ戦っているところを見たわけじゃないのに貴方がそこまで興味を持つなんて珍しいわね…ふふ、少し妬けちゃうわ…」
「あやつ自身は『能力の高さは全てアルフィア由来で自身には大して価値がない』と思い込んでいたようですが…とんでもない、あやつらは中身もそっくりでしたよ…」
「そうね、アルフィアがあそこまで可愛がっているのだからそのうち自己肯定感も上がっていくと思うけど…尊大に見える自信は『出来て当たり前』と思っているからでしょうね…あの子が『どこ』から来たのか本当に興味あるわぁ」
「そうですね、ベル・クラネルのことも神ヘスティア含めてみな好いていたようですから…いつか相争うことになるのでしょうね…」
「そうね、魅了されていた様子もなかったし」
二度と逢えないと思っていた旧敵だ。一番の好みは勿論ザルドだが、彼女にも散々煮え湯を飲まされたのだ。戦うのはアルフィア本人ではないというのに既に
かつては「敵」にすらなれなかった己だが…今なら…しかも奴の方も