「まず私の名前は『アリスフィア』…他ならぬアルフィアお母様から頂いた名前です、後さっきまでの発言は唯の『静寂
多くの冒険者たちの前で自己紹介をする。私の前世の名前は「アリス」今どき日本人でも珍しくないだろう。今の名前はアルフィアさんが自身の名前と組み合わせて付けてくれた名前だ。
音の響きだけでいえば「アリスィア」でも良かったのだが、欺瞞だらけの私には「
「私とベルさんの関係は…
「あ…うん…構わないけど…」
「えへへっよろしくお願いしますねっお兄ちゃん♪」
上目遣いでそう言われて赤面するベル。突然降って湧いた「自称妹」だが自身の面影もある上にあざといがメチャクチャ可愛い。何人かの冒険者は羨ましそうにしている。ダンジョンに出会いを求めるのはやはり間違いではない…
「まず、そこの覆面エルフさんとヘスティア様とお兄ちゃんだけにしてください。あっと姿消して盗み聞きしようとしたらヘルメスだろうがアスフィさんだろうがブチのめすんで。まだゼウス様に知られたくないですし」
そうは言ってもゼウスに存在くらいは漏れるだろう。ヘラ様がちょっと恐いが…まあそちらと連絡は取り合ってないはず…ヘルメスが残念そうな顔してアスフィさんや多くの冒険者達と共に退散していく。
「まず前提知識として、私の母親は【静寂】のアルフィア…7年前の暗黒期に
ベルお兄ちゃんの母親の姉です、血縁的には叔母ということになりますね」
「「「な!?」」」
アリスフィアがアルフィアの関係者というのはリューも予想していたことだが、ベルとも血縁関係があることは予想外過ぎた。
「確かに…ベル君と少し似ているね…同じ白髪だし…」
「私はお母様の灰色の髪も結構好きだったんですけどね、お母様はお兄ちゃんの母親のメーテリア叔母様と双子の姉妹だったそうなので、私達が似ていても不思議ではないですね」
まあ遺伝子的にはアルフィア+ベルだから似ていて当然なのだが。
「それじゃちょっと
「「「は?」」」
アリスフィアが眼を閉じた数秒後に明確に気配が切り替わる。そして右目は翠色のままだが、金色だった左眼が灰色に切り替わる。そして眼を開く。
ちなみに金眼要素はアイズの遺伝子も使われているからである。構成比率で言えば、アルフィア7ベル2アイズ1くらいである。これも厄ネタの1つである。
「そして
あいつらにも期待していたのにお前1人だけとは残念だ、まあダンジョンとは理不尽の塊だしな…私も勝手に自身に見切りをつけて先にくたばった身だ…今更自分と同じ故人を貶すつもりはない
だがお前自身はどうなんだ?仲間を失った直後は仕方ないにしても充分に傷が癒える時間はあったのにお前はいつまで居心地が良いだけの場所に留まっている?
…
それが終わったら
黒幕の正体はお前らと同郷の神だぞ、ヘスティア…アポロンといいゼウスといいタナトスやヘルメス、イケロスやエレボスもだが、お前らの所は本当にどうしようもないな…」
アリスの「知識」をアルフィアはほぼ自由に閲覧出来たので退屈はしなかった。神話の神々は大抵が碌でもなかったが、ギリシャ神話はその中でもその代表格だった。
ゼウスとかまんまゼウスだったし、ヘラもヘラってた。オラリオでは善神とされる神でも結構非道いエピソードがあるのには笑った。
眷属に慕われているロキとか弱味を大量に握った気分だし…まあ眷属たちはともかく
「ちょっと待って待て待て待て情報量が多すぎる…キミの方はアルフィア君?でいいのかな?」
「そうだ。ベルよ、私のことは『おばさん』とは呼ぶな『お
「何故死んだはずの私がこの身体に宿った理由は正直分からない、ある程度の推測は出来ているがな…さてこれ以上の説明は面倒だ戻るぞ…」
そうして眼の色と共に気配が戻る。
「ああっもうっ勝手なんだからっ…」
逃げ場無くすために色々漏らしたのに逆効果だったかな…恥ずかしがってベルから逃げたっぽい。
「それでキミの方はアリスフィアで良いのかい?」
「はい、気軽に『アリス』って呼んでくださいねっ」
「1人の身体に2つの魂か…知られたら間違いなく神々の玩具にされるだろうね…
「はい、この後間もなく、神アポロンがベルお兄ちゃんのケツを狙って仕掛けてきます。断ると街中で襲撃してきたりと面倒なんでちゃっちゃと受けてください。
ゼウス様も両刀らしいし、オリュンポスの文化どうなっているんですかね?処女神のヘスティア様に言っても詮無きことですが…アレがアルテミス様と双子ってんだから世の中不思議ですよねえ」
まあ男の趣味は間違いなく同じなのだが。
「いい”!?」
ベルが驚いている。尻を抑えながら。「教会破壊」がアルフィアさんが健在の時に起きると、アポロン・ファミリアが皆殺しにされ兼ねないってのはネットでもちょくちょく見るネタだ。
積極的だろうと消極的同調だろうと強引に引き抜きするアポロンの眷属がロクでもないのは確かなのだが、ダフネやカサンドラあたりまでが「死んで構わない悪人」とまでは言えないだろう。
流石にこのまま殺されたら哀れなので、早い段階で予防しておくに限る。というか私の身体を使って人殺しされたら文字通り他人事ではなくなるので、悪評もゴメンである。
「情報源についてはまだ明かせません。ヘスティア様だけにはいつか明かしても良いと思っているのですが…」
「随分冷静だね…勝算は…」
「勝って当たり前の相手です
異世界転生云々はまあ大半の人間が馴染みのない概念だから親しい仲間には教えても構わない。怪人云々を明かす相手は決めている。
その後はタケミカヅチ・ファミリアも加えて、温泉イベントをこなし(私は当然入らなかった)つつ帰還した。
リューさんにも一応協力要請はしたが、保険のつもりだ。ヒュアキントス以外は全員私が片付けるつもりで戦う。それくらい出来なければランクアップは無理だ。ほぼ【サタナス・ヴェーリオン】一本で戦い抜くつもりだ。
遠征や【フレイヤ・ファミリア】戦のような極限状態でもない限り暫くはなるべく
だからあちらの戦場でもついていけるように早急にレベルを上げる必要がある。アルフィアさんも一応この方針には賛成してくれている。
(フン…全部がお前の「知識」通りに進むとは限らないからなそのへんは臨機応変だ…
それなら最低レベル6以上にはその時までになっていないと駄目か…ベル以上の成長速度か…転生者特典的なものに期待しよう…この病気無しの才禍ボディの時点で充分にチートではあるのだが。