才禍の怪人


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作:でるぱ
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第1話 生誕


かつて1人の女が居た。「神時代最高の才能」と言われながらも、その代償かまるで()()()()()()()()()()()()かのように常に身体を苛む致命的な病気(ハンデ)を負わされた女だった。

「本来ならかつての真の最強(レベル9)を越えることも出来たであろうに」と嘆く者もいた。頂天に至ることもなくせいぜいが「強者の1人」という程度の立場に甘んじたまま、未来を後輩達(アストレア・ファミリア)に託して燃え尽きていった。

本人もそこまで長い時間が残っているとは思っていなかっただろうが、生き残れる可能性があったのなら主人公(ベル・クラネル)と共に生きれば良かっただろうに…【静穏の夢】を考えれば生き残れる余地は充分にあっただろう。と思ってしまう。

ifすら知る転生者の特権、原作知識というものだが。

 

(おい、何を考えている)

 

さていい加減現実に戻ろう。”ここ”がどこなのかも把握している。

水槽の外から聞こえてくる話し声から、状況も大体把握出来た。ここは「ダンまち」の世界。

今が「いつか」という問題があるが、主人公(ベル・クラネル)が名を上げ出していることから

「原作前」ということはあるまい。ここは闇派閥(イヴィルス)のアジト人造迷宮(クノッソス)、私はそこで行われていた研究成果の一つに宿ってしまった哀れな転生者。

「48番」とかいう番号が振られてはいるが、それだけ居てきちんとカタチになったのは私だけらしい。そして私の中で語りかけてくるのはこの身体の元になった人物「【静寂】のアルフィア」らしい。

本人としては細胞を提供した覚えはないが、いつの間にやら毛髪が回収されて製造されてしまっていたようだ。

成功例の少なさから見て、「名のある冒険者達の複製体(クローン)軍団が数を成して襲ってくる」みたいなことはなさそうなのは安心した。この世界の複製体(クローン)技術はまだまだ未熟らしい。

私は【才禍】の才能の喪失を惜しんだ闇派閥(イヴィルス)の研究者が産み出した、「人工怪人(クリーチャー)実験」の唯一の成功体…

量産されたアルフィアのコピーは結局オリジナルと同じように病気を引き継いでいたため、大半が廃棄されてしまったらしい。

だが様々な冒険者の遺伝子を混ぜる実験も繰り返し、それらも尽く失敗してしまったのだが、血縁者なのが関係もあるのか主人公(ベル・クラネル)の遺伝子を混ぜたら

今までの失敗が嘘のようにすんなり成功してしまったらしい。そこで話が終わっていればまだ良かったのに、

何を考えたのか、並行して進めていた「人工怪人(クリーチャー)実験」まで混ぜてしまい私の身体には例の「極彩色の魔石」も埋め込まれてしまったのだ。まあ闇派閥(イヴィルス)の研究者にマトモな倫理観を求めても無駄なのは理解っているのだが…

まあ転生者の私という異物か、「彼女」の存在のお陰か、「妙な声に支配される」みたいなところは今のところないわけだが…

 

(取り敢えずこの辛気臭い所は出てしまおうか、

なに、神の恩恵(ファルナ)は無くとも幸い身体能力は高い)

 

所属予定ファミリアは決めている。この身体と容姿の時点で厄ネタ間違いなしだから「孤児の保護者」でもあるというヘスティア様一択だ。【ロキ】はアルフィアさんが嫌がっているのでナシだ。

 

(当然だあのようなセクハラ神…女のゼウスのようなものだろう)

 

そんなこんなで人気(ひとけ)が少なくなった深夜に私達は水槽をぶち抜いて脱出を図ったのであった。




続くか分かんない
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