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<メディアの戦後史>「ひとりっ子」放送中止 自衛隊巡るテーマで紛糾
2017/5/4 13:12(最終更新 5/4 13:12)
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1963年1月、RKB毎日放送(福岡市)制作のドラマが、在京の新聞・通信各社の放送記者らが創設した第1回「テレビ・記者会賞」の特別賞を受賞した。
タイトルは「ひとりっ子」だが、主人公の高校生(山本圭さん)は農家の次男だ。志望は国立大工学部だが、防衛大学校の1次試験に合格する。かつて陸軍報道班員だった父(加藤嘉さん)の勧めで力試しに受けたのだが、喜ぶ父や周囲の人たちの手前、引くに引けなくなっていく。教官から自衛隊の意義を教えられ、「防大で技術が身につけられるなら」と入校を決心しそうになる。そのとき、長男を特攻隊で亡くした母(望月優子さん)が強く反対する。さらに両親を戦争で失ったガールフレンド(佐藤オリエさん)にも反対される。主人公は悩んだ末、働きながら学ぶことを決心する--。人々に戦争体験が色濃く残っていた時代を背景にしていた。
この作品は放送されていない。後に社会派ドラマの名演出家として知られる久野(ひさの)浩平ディレクターが担当して芸術祭参加作品として作られ、前年の11月25日に「東芝日曜劇場」として全国で流される予定だったが、中止された。
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