男性2人をそそのかし入水自殺させたとして女3人が逮捕された事件で、60代男性の自殺後、所有していた土地と建物の所有権が自称占い師の浜田淑恵容疑者(62)の親族に移転していたことが17日、捜査関係者らへの取材で分かった。浜田容疑者の自殺教唆容疑での逮捕から18日で1週間。カウンセリングをきっかけに相談者を精神的に支配し、金品などを差し出させる容疑者の手口が浮き彫りになってきた。
府警によると、浜田容疑者らは令和2年8月1日、会社員の寺本浩平さん=当時(66)=とアルバイトの米田一郎さん=当時(51)=をそそのかし、和歌山県広川町の海で入水自殺させた疑いがある。
捜査関係者や登記簿によると、寺本さんは平成22年9月に大阪府河内長野市内の土地を購入し、2階建ての住宅(延べ約265平方メートル)を新築。26年に音響スピーカー製造会社を立ち上げ、事務所として使っていた。
ところが、寺本さんが亡くなる3年前、寺本さんの死後は浜田容疑者の親族に土地と住宅を贈与する契約を締結。死亡翌月の令和2年9月に所有権が移転された。寺本さんの生前から、住宅には容疑者や親族が暮らしており、近隣住民によると男女5、6人が出入りしていたという。
寺本さんは平成20年夏から、浜田容疑者のスピリチュアルカウンセリングに通い、信奉するようになった容疑者に給料や親の不動産の売却代金などを渡していた。