4gamer記事「日本のRPGはもう駄目なのか?」

島国大和さんという方が、「日本のRPGはもう駄目なのか?」というタイトルで4Gamerの記事を書かれています。

http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20091208020/

ちょっと気になった箇所があったので引用しつつ言及します。

日本のCRPGもどきが糞尿糞味噌だらけなんて、世間的にはまだFFやどら喰えが上昇していた15,6年くらい前から時代遅れだと思ってきましたが何か ?

時代は変わって2000年代・・・。

イケメンホスト顔・ファッションのゴールドアクセサリーを首から下げた兄ちゃんが女とぐちゃぐちゃする過程でいろいろあって世界を救う話に、AIに任せてしまいたい戦闘と言う作業がついてくる。っていうのが2000年代のJRPGでしょ ?

JRPGFPSは,ただデフォルメの方向性が違うだけ。

何故FPSと比較するのか。意味がわからんちんです。
島国さんの記事の読者の対象は誰なのでしょうか。

「知り合いのゲーマーから国産RPGFPSと比較され(けなされ)て怒っているけど洋ゲーやったことないし、なんだかよくわからん国産RPGをrole playing gameだと思い込んで遊んできた14,5歳くらいから25,6歳くらいの男性読者」が対象なのかなあ。

JRPGドラクエやFFと比べるなら、同時期に発売された海外産CRPGビックタイトルと比較すべきでしょう。最近のFPSはシングルプレーシナリオがとても日本のCRPGっぽいものもあるから比較されるのかな。ロシアやドイツのメーカーのCRPGとも比べなきゃ、意味ないよね。FPSにしても具体的なタイトルがあげられているわけではないし、自称ゲーマーなら誰でも知っているべき海外産CRPGビックタイトルであるoblivionやfallout3への言及がまったくありません。

もう一度強調すると、国産の"J"RPG(糞尿ドラマ垂れ流し盲導犬ゲーム)と比較対象にするならば、FPSじゃなくて、ガチムチの海外産CRPGと比較すべきじゃないでしょうか。

ウィザードリィ」と「ウルティマ」の影響を受けて日本で爆誕したドラクエは,それら2作品のレベルアップの概念を少年の成長物語として描きました。

ドラクエ1に関してはWIZとUltimaの影響を受けているかもしれないけど、少年の成長物語として描いているかどうかは疑問。ファミコンドラクエ1の勇者は少年じゃなくてローラ姫とおせっくすできる青年だし。

少年としての成長物語りになっていったのは国産ファミコンCRPG量産期とジャンプマンガの絶頂期のパターンに毒された世代がお金をファミコンやらスーファミのソフトに大量投入できる時期に重なったため、意識的か無意識的かのユーザーマーケティングの結果、量産され続ける二匹目の泥鰌を狙う家庭用CRPG作品群が少年成長物語になっていったということもあるのではないか。

ゲームだけの問題じゃなくて、子供とか少年少女が強すぎる日本の少年漫画文化の延長線上なのではないかな。

リメイクされたFF3は確かに気持ち悪いほど少年少女リア充アニメRPGだったけど、ファミコン版のFF3とFF1はガッチャマンの作者の絵柄の不良青年団という感じだし、FF2はレジスタンス == 要はテロリストのお話。日本的で湿っぽいお話だけど一応主人公達「大人」だったでしょ。

これは、ゲームで遊ぶ、というかゲームメーカーにとってお金を出してくれるお子様とおっきなお友達の脳味噌の中身の平均値が、80年代-90年代前半と2009年ではまったく違うということなのではないかな。

なんかこう、若い日本のおたくは、色んな意味で文化的に狭くなってるんじゃないかな。ゲームメーカーもアニメ業界もそれに加担しているでしょ。「お約束」はあってもいいとおもうけど、全てお約束のみで構成された世界しか受け付けない変な人が多いのではないかな。

島国大和さんも、「ウィズとウルティマ」という単語を出してしまったからには、WIZARDRYはパソコン版のBCFと8 とUltima 7,7のパート2、9で遊んでほしいです。ゲーム業界の人は「ウィズとウルティマ」がどら喰えの祖であったということを言うけど、懐古主義的な文脈でばかりそのフレーズを言うことが多いのです。

でも日本のゲームメーカーでも、パソコンゲーム会社はwindows95の普及する前あたりまで、アートディンクとかビングとか頑張ってたよね。

島国大和さん、国産のPCゲームメーカーに関して言及していませんね。
ファルコムとかアートディンクとか、エロゲーですがアリスソフトとか、工夫に工夫を重ねたりしている国産PCゲームメーカーはまだある(あった)でしょ。

RPGは誰だって遊べるわけです。逆に言うとRPGしか遊べない人もいる。だったら,RPGで文法に多少合わなくても,凄いグラフィックとシナリオを楽しみたい人の為にゲームを作ってもいいじゃないか。

難易度の問題なのかな ?
ファミコンドラクエ2ってすげー大ヒットしたけど、すごぉおおおおおおく難しかったよね。ロンダルキアの洞窟とか。棺桶行進よくしましたよね。でも、小学生とかみんな血眼になって遊んでたよね。友達同士で情報交換もしたし、自由ちょうにマップ描いている友達も居た。

(まあドラクエ2鳥山明キャラデザだと、王子王女達子供っぽく描かれているけどね。)

メディアへの露出量と、周囲にどれくらいプレイヤーがいるかってことが重要なんじゃないのかな。どら喰えには最強のジャンプがあった。FFも大衆化期には殆ど全てのメディアが味方していた。

FPSが日本で人口に膾炙しないのは、ファミ通とかのメディアの露出量の問題と、ユーザーコミュニティの絶対数が少ない事。

気違いみたいに流行しているモンハンは三人称視点だけど、難易度は海外産の豪勢なFPSとかとあまり変わらない。勃興期のユーザーコミュニティの構成員の殆どはおっきなお友達でなく、子供であると思われる。

もう一度言うけど、日本でFPSが普及しないのと難易度は関係ないし、日本の糞尿CRPGもどきがダメダメなのも、間口を広げるために難易度の下げすぎているからっていう理由だけではないでしょう。

いずれによせ,JRPG的な良さ,誰でも遊べる簡易さとボリュームを持ちつつ,他のゲームの良さもどん欲に吸収した「何か」そういうものが出て来ても良い時期ですよね。

アリスソフト闘神都市2を思い浮かべました。あらゆる意味でこれ以上日本的にはできないCRPGでした。日本のサブカルチャーに浸りきった人間に響くお約束のオンパレード。誰でも遊べるように作られているけれども本気で取り組まないとなかなか難しい工夫が随所にされていて3が最近出たらしいけど、どうなったのやら。

なにがいいたかったのか自分でも良く判らなくなってきましたが、

1. 日本のCRPG全部が駄目だったわけじゃない。昔のパソコンゲームを研究して、今の日本のゲームと比較しましょう。今の日本のRPGが駄目なのは、難易度の問題じゃない。2000年代の日本の「おたく」文化が偏狭なせいだと思う。

2. 家庭用ゲーム機だけみるな。パソコンゲームにも言及せよ。

3. WIZはBCF,8をやってから語って頂きたい。(本当はモンティパイソン観た後で、4も。)

4. ゲームを語るなら、Ultimaは全部やった方がいいが、時間がないなら678。SAVAGE EMPIRE(パソコン版)も。

5. 誰にでもできて何の感銘も無いうんこゲームだったら、みんな糞尿ドラマとかアニメとか漫画読む方を選ぶんじゃないの。ゲームする必要ないでしょ。日本のゲーム業界は漫画とかアニメとかに代替物となってしまうようなものばかりが受けるからそれを作りましょう、ということをやりすぎて、本来的なゲーマーに去られてしまったのだ。

6. どら喰えもfucking fantasyもファミコン版の1は少年成長物語りじゃなくて、青年以上の野郎どものおはなし。「光の四戦士」は腐女子に媚び過ぎ。

7. 日本の「洋ゲーは顔グラがきもい」という人達は、異文化を消化できてないだけ。それと同じで"JRPGs are illogical."という外人が居るのは当然。

8. 日本でも、大人の鑑賞に堪えうるゲーム文化が昔はあった。今はもうほとんど無い。大人は残業のし過ぎで神経がすり切れているからなのかな ?

  • S

    日本で好まれるのは大衆向けCRPG
    海外(主に北米)で好まれるのは大作FPS、あるいはキャラものTPS
    だという論理から比較しているんでしょうかね。

    ですが、外国人(北米)は初代WizなりBGシリーズなども、M&MにUltimaシリーズも
    そして、ついに頂点に達したかと思われたMorrowindに、媚びはじめたOblivionも
    外国人と大衆向けCRPGで育ってきた日本人にはこのような差があるわけで
    日本のRPGがなぜダメなのか?を考察するのなら、そこらを言及する必要がありますね。

    というかこれ
    「イケメンホスト顔・ファッションのゴールドアクセサリーを首から下げた兄ちゃんが女とぐちゃぐちゃする過程でいろいろあって世界を救う話に、AIに任せてしまいたい戦闘と言う作業がついてくる」
    最高の言い回しですよw

  • gengorou

    突っ込みどころの多い文章でしたね。

    この人、要するにパソコンゲームを殆んど遊んでないんでしょうね。だから、あんな文章になってるのではないか、と。

    あと、文中でJRPGの欠点は「ゲームシステムの抽象度と、グラフィックやシナリオの抽象度が噛み合っていない」事だ、と書かれていますけど、最早そんなレベルじゃないですよね。そもそも、なんで戦闘を繰り返したり、経験値稼ぎをしているのか分からん、というところまで来てると思う。つか、アレは断じて「抽象度の高いゲームシステム」じゃねぇ。何も考えてないだろ?

    いや勿論、ホストとホステスばっかり(顔ではなく頭が)の連中が何かするだけのストーリーも、嫌だけど。例えストーリーが良くても、このへんが改善されないと遊ぶ気にはなれないなぁ、という意味で。「CRPGとは全く別のゲームです」と割り切るにしても。

  • damned

    Sさん >>

    日本人にしか作れない物で日本市場向けでしか受けなくてもいいものは沢山ある(あった)と思うんですよね〜。

    英雄伝説3以降のドラゴンスレイヤーとか、まさにJRPGの神髄という感じなのですが、とても素晴らしい作り込み具合で、良いゲームだと思います。ultima視点のアドベンチャー人情ゲームっていう表現が良いかもしれない。

    たびたび話題にする闘神都市2も、JRPGのお手本とも言うべきお約束と日本的情緒のお話が詰まった作品ですけど、遊び手を楽しませようというパロディの要素が非常に多くて楽しませるし、駆け引きや収集も楽しめるゲームとして素晴らしいと思う。どら喰えよりも遥かに高いレベルで旧Wizardryを完全に飲み込んで消化しているという感じです。

    3以降の英雄伝説もアリスソフトの闘神都市2も理想のゲームじゃないけれども、制作者が魂を入れて楽しみながら作ったんだろうなっていう感じが伝わってくるけど、今の家庭用ゲーム機のJRPGは、単にでっかいゲーム販売会社の上層部がマーケティングリサーチしてgoサインだした企画のものを下請け会社がデスマ進行で泣きながら「生産」したという感じするんですよね。

    一番いけないのは、作品として価値のない、プレイして人生の時間の無駄になってしまうようなゲームに高い点数を付けてしまうゲーム評価機構と、「周りの友達が買うから俺もXX買うか」みたいな惰性でゲームをして駄目ゲームの駄目シリーズを支えてしまう購買層なのではないかと思います。

    スクエニと、スクエニの後追いしかしようとしない会社や、経験値を販売したりすることを平気でやってのけるティルズオブなんとかの会社の企画部や上層部が、豆腐に頭をぶつければいいと思うんですよ。

    gengorouさん >>

    そうですよねー。抽象度が高いゲームっていうならストラテジーやればいいし、それこそカタンみたいなボードゲームとかトランプでいいんじゃねえかって話ですよね。

    経験値稼ぎや戦闘が面白いゲームならば、だれもJRPGの欠点を欠点と指摘しない筈ですよね。あんまり昔、昔とか言ってると"レトロ厨"とか懐古主義厨とか言われますけど、昔のパソコンゲームの名作は大方経験値稼ぎも戦闘も作業的な要素はあったけど、おもしろいわけで。

    今の、日本でゲームっていうと

    まずほぼ(コンピュータゲーム)であり、なおかつ家庭用ゲーム機であり、ゲーム == 任天堂の出す良質ではあるが言語能力をあまり遊ぶのに要求されない作品 or スクエニやティルズオブなんとかのうんこJRPG という二択になっているのが悲しいです。

    逆に言うとその二択から外れると、どんなに斬新で面白いものを作っても、売れないし誰も評価してくれない。歴女とか腐女子とかブームで終わるし、アニメや漫画に流れるだろうし。弱小勢力として**無双厨とか旧WIZ懐古厨コミュニティとかそれをとりこもうとしているアトラスゲー好きコミュニティとかありますけど。全部まとめてキャラクターゲームの範疇で良いのかもしれない。

    どちらにせよゲーム制作会社と販売会社の権力関係と作品監督権限みたいなものの制作会社への完全委譲が無いと日本のゲームが面白なる事は絶望的だと思いますよ。

    パソコンゲームみたいに、誰でも開発環境が手軽に入手できて勝手にゲーム作って任天堂だのマイクロソフトだのに認可されなくてもゲーム売れるっていう環境じゃないと、文化として滅ぶと思います。それは日本に限らず同じで、XBOX360オンリー時代が来てしまったら、海外ゲームもつまらなくなっていくとおもいますね。

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