静岡県島田市の市立総合医療センターで昨年3月、入院中の男子中学生=当時(15)=が死亡したのは緊急手術を怠ったことなどが原因だとして、遺族が17日、市に約1億9600万円の損害賠償を求め、静岡地裁に提訴した。
訴状などによると、2022年9月、中学生はセンターに緊急搬送され、脳膿瘍と診断され入院。緊急手術が必要だったにもかかわらず、行われなかったため、遷延性意識障害に陥り、自発呼吸ができなくなった。昨年3月には、看護師がチューブを確実に接続しなかったため人工呼吸器が外れ、異常を知らせるアラームが鳴ったが、ナースセンターにいた別の看護師らが放置したため亡くなったと訴えている。
遺族は代理人弁護士を通じ「病院側は身内をかばうのではなく真実を語り、再発防止に努めてほしい」とコメントした。センターの担当者は「訴状の内容を把握していないためコメントを差し控える」としている。