子宮筋腫の女性、禁忌の薬処方され死亡 北九州・産業医大に1億円超求め提訴

産業医科大病院(北九州市)に多発性子宮筋腫で通院していた同市の女性=当時(46)=に令和4年、悪影響が懸念される禁忌薬を説明なく投与し、くも膜下出血で死亡させたとして、遺族が17日、大学側に約1億900万円の損害賠償を求め、福岡地裁小倉支部に提訴した。

訴状によると、女性は4年4月、子宮内膜症などの治療薬「ジエノゲスト」を処方された。同7月20日、自宅で倒れて救急搬送され、急性くも膜下出血と診断。同28日に死亡したとしている。

原告側は、高度の子宮腫大のあった女性に禁忌の薬なのに、医師が説明なく使用した上、以前に処方していた薬の影響も踏まえ、脳動脈瘤(りゅう)形成や血圧上昇も予見できるのに、必要な検査をしなかったと主張している。

女性の夫は記者会見で「簡単に危険な薬を使えるのか。命を無視している」と非難。病院は取材に「訴状が届いていないためコメントは差し控える」と答えた。

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