参議院法務委員会 谷合正明委員 2024年12月19日㈭1
開会日:2024年12月19日
会議名:法務委員会
審議時間:約4時間11分
案件
政府参考人の出席要求に関する件
法務及び司法行政等に関する調査
<抜粋>性同一性障害特例法について
谷合正明(公明党)
公明党の谷合正明です。午前中最後の質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。
先ず冒頭、性同一性障害特例法について伺いたいと思います。これは昨年令和5年の10月に最高裁で、戸籍上の、戸籍を変更する際の要件のうち、生殖不能要件につきまして違憲判断がなされたところでございます。戦後最高裁で違憲とされた法律は、十数本ありますけれども、議員立法で最高裁で違憲となったのは今回、性同一性障害特例法が初めてでございます。その後、旧優生保護法についても違憲判断がなされたわけでありますが、その中で、最高裁で違憲判決なされたものの中で、現時点で未だ法改正がなされてないっていうのは、この性同一性障害特例法のみになっているわけでございます。
これ、私自身も立法府に身を置く者として、大変重大、重い責任をいただいたという風に重く受け止めております。そこで、公明党といたしましてもこの最高裁判決を受けて、党内のPTで今後どうしていくべきなのかということの方向性については、今年の7月に見解を表明させていただいたとこでございます。生殖不能要件についてはこれ、最高裁で違憲となっておりますので、これは削除していかなければならないであろうと。また、一方で診断の正当性の確保ということも必要であろうと。またこの最高裁の判断ではないんですけれども、子なし要件という要件が課せられているわけですけども、こうした要件の在り方も総合的に検討していくべきではないかと。またそもそも、「性同一性障害」という名称自体が、もう実はもう古い名称になっておりまして、WHOの診断基準の中ではもう別の名称になっているわけでありますので、こうしたこともとらまえて性同一性障害特例法を改正すべきだという風に意見を出したとこでございます。
今回の大臣所信の中でも、大臣が触れられていただいておりますが、現時点で法改正がなされていないことの受け止めと、法改正をする必要性について、また今後の法務省の対応について見解を伺いたいという風に思います。
鈴木馨祐法務大臣
昨年の10月25日の性同一性障害特例法に関する最高裁の違憲判決につきましては、これは厳粛に受け止める必要があると認識をしてるところでございます。法務省といたしましては既に、生殖腺を失くす手術を受けていない場合であっても、その他の要件を満たしている場合には戸籍上の性別の変更を行って差し支えない。そうした旨の事務連絡を発出するなどの対応を行っているところであります。その上で性同一性障害特例法、これ委員もご指摘の議員立法であります。その改正の在り方につきましては立法府におきましても様々な考え方があると承知をしているところでありますので、法務省といたしましては関係省庁と共に、必要な検討を行い、立法府とも十分に連携をして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
谷合正明(公明党)
現にですね、今も家庭裁判所で性別変更の申立てがあって、実際これが審議が続いてるわけでありまして、ただ、法律が以前のままになっている状態の中で、じゃあどういうことを満たせば性別を変えられる、変えることができるのか、変わるのかっていうことが、現場で混乱してはならないという風に思っております。従いまして生物学的な性別と心理学的な性別の不一致に苦しむ方々のため、また、社会の不安を取り除くため、正面からしっかりと向き合っていかなきゃならない。これは議員立法だからということでなくて、しっかり政府の方も、ここは一体となって取り組んでいただきたい、ということを要請させていただきたいと思います。
2023年10月25日
当事者の方々が決死の思いで声を上げたにも拘らず、法の趣旨を無視した最高裁での違憲判決により、法改正を迫られることとなった。
2024年7月10日
先の最高裁差戻審で個別対応とはいえ、外性器を保持したままに女性への戸籍上の性別変更までもが認められた。司法、精神科医、外科医が圧倒的少数な学会、診断書を乱発するGI学会認定医や非専門医に向けるべき批判の矛先は、あろうことか市井の当事者に向き、摩耗させている。
立憲民主党案はポーズとしての提出にしても論外だ。苛烈な身体違和の緩和を求め、患者は自ら望み手術を受けられる。特例法は国内での性別適合手術を合法とし、その後の社会生活のために特例として戸籍上の性別の取扱いの変更の審判を求めることができる法律だが、要件全削除に飽き足らず法対象者の定義まで変えるのであれば、手術を望まない方々のための救済措置を立案すべきではないのか。それを怠り、自由意思で戸籍上の性別を変えたいという方々のために性同一性障害特例法を上書きする行為は、活動家各位や偏向報道による「くたばれGID」と同義に他ならない。これは市井のトランスジェンダーの方々にも迷惑な話だ。
性同一性障害患者にとって手術を受けることは甘受ではない。過酷な二者択一を迫るものではない。苛烈な身体違和を緩和する現状唯一の治療方法だ。過酷な二者択一だと感じるのであれば、法で定義される性同一性障害対象者ではない。それだけだ。
日本共産党の主張も世界の「病理モデル」から「人権モデル」への流れに沿ったものだが、社会的信用と希望を奪うことのどこに患者の人権はあるというのか。
2野党は要件撤廃に躍起になっているが、5号要件(外観要件)は違憲とはされていない。
自民党は7月の高裁決定の前に手術要件を削除の上で新要件を設ける検討を始めている。将来的に違憲判断が下される懸念を考えてのことだが、性同一性障害の法的定義・社会への信頼に関わることでもある。外観要件保持の上新要件創設で検討してほしい。
公明党PTは2023年成立した理解増進法で定義したジェンダーアイデンティティを用いず性自認としている。法に賛成されたのになぜ率先してジェンダーアイデンティティを使われないのだろう。
公明党は5号要件のより制限的ではない見直しを表明した。外観要件のより制限のない見直しとは何を指すのか。ホルモン療法による陰茎陰嚢の変化とでもいうのだろうか。
性同一性障害特例法においてホルモン治療は他の性別に適合させようとする意思の証明にはならない。摂取を止めれば体の変化は戻ってしまう。男女の体のつくりは非対称であり、男性様から女性様への変化と女性様から男性様への変化は事情が異なる。
前者の場合、陰嚢委縮はあれど精巣保持状態では4号要件に加え、正当性が認められている5号要件も満たすことができない。また、前者への思いやりというのであれば施す場面が違う。
脱衣時に一目瞭然な特徴を残した状態を万人が理解し受け入れられる社会ではない。現状はそういう社会にするための贄として別法に押し込み差し出しているだけだ。その残酷さを思ってほしい。
その特定個人に対してではなくその存在が、多くの方々の不安を生み、人を属性で捉え、理解を遠ざけ分断を齎すことを思ってほしい。
法に則り戸籍上の性別の取扱いを変更された方々が地道に積み上げてきた社会的信用と、苛烈な身体違和により心傷ける未治療患者の希望を踏み躙り蹴散らしていることを思ってほしい。
性同一性障害特例法は、性同一性障害という障害を越え、同じ社会を生きていくためのものなのだから。
これは、WHO定義の人権モデル「性別不合」の視点から書かれた、潮出版社発行月刊誌の記事である。障害と誤解されるという言葉から偏見が滲み出る。医療は必要だが疾病ではないとしたところで違和は消えない。概念は患者を救わない。
患者の意識が変わったわけではなく、性質の違う「当事者」が増えた。患者は移行に際し自ら地縁を絶つことも少なくない。相手に無理を与えないよう互いに配慮し合い、ゆっくり社会との信頼を築き、穏やかな埋没を望まれる。それが治療のゴールだった。
ところがSNSやYouTube等で元男の子・元女の子を謳い文句にする、性同一性障害の診断と性別適合手術を受けた者が現れた。品位を疑うようなことや過激な話題をネタにし衆目を集める者もいる。
診断の難しさが窺える。エビデンスに基づくべきであるが、そのエビデンスとしての手術でさえ、自らこそ性同一性障害であると思い込み、精神科医の診断を問わず手術を受けている者がいるのが現状だ。報道機関は申入れを無視し続け、性同一性障害とトランスジェンダーを混同させた発信を続ける。性別違和感の印象だけが広まり続け、性同一性障害患者は発かれ無理解と偏見に晒される。
身体違和・性別違和感共に自己を否定し、違う性別を生きたいという姿にしか映らないのかも知れないが、異なる。違う性別を目的のために選びたいわけではない。自分でどうしようもできないのだ。自由意思ある性別不合の「仲間」と一括りにできるものではない。身体違和を問わず性自認という「概念」を尊重し、戸籍上の性別の取扱いを変えられるようにするのであれば、違和の原因究明は進まないのではないか。身体違和が包含されてしまうのであれば性同一性障害は病理解明の機すら失いかねない。これほどの絶望があろうか。
Leave No One Behind、主語のない自在な言葉、Must Be Kidding.
診断の厳格化は性同一性障害患者のためは勿論のこと、非当事者のためにも必要だ。
GI学会は患者の声に応えない。
認定医の暴走は、手術なしでは性同一性障害の確定診断書を書かないと明言する、真摯な医師の信頼をも揺るがすことに気づいてほしい。
特例法改正の範疇で最初の診断書を書く医師のお墨付きに便乗し、性別変更審判用の診断書を乱発する専門外医師を野放しにしている現状も是正すべきではないのか。
議員の質疑では法未改正による家裁審判の混乱を懸念されているが、最近の記事によれば申請に対し却下0件と報じられていた。
記事全文を確認できない上に、家裁1箇所のデータで判断すべきではないことは承知している。
家庭裁判所は身体違和・戸籍違和を判別しない。そこには専門外であれ医師免許を持つ者2名が署名した性別変更審判用の診断書がある。4号要件の違憲判決、5号要件の正当性を認めながらも個別対応で突破させた判例がある。必要書類が揃っている限り、却下する理由がなくなっているのではないか。
果たして特例法改正を検討協議されている国会議員各位は、専門外医師による性別変更審判用診断書の乱発をどこまで把握されているのだろう。到底無視できる問題ではないはずだが。
最高裁は、ICD-11により性同一性障害から性別不合に変わったから、特例法制定時より理解が進んだから、と判決を下す。
国会議員は「生物学的な性別と心理学的な性別の不一致に苦しむ方々」と身体違和に苛まれる性同一性障害患者の存在ごと消す発言を議事録に残す。
世界のLGBT権利運動は宗教観による国家レベルでの迫害に起因する。今の性同一性障害を巡る一連の動きは性同一性障害患者を国家レベルで迫害しているように映る。


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