「さぁ、ノクス!向こうの屋台に行こう!」
凛とした印象のアルテミスが顔を綻ばせただ一人の眷属の名を呼び手を引く
「待ってくれってアルテミス。人が多いんだからそんな引っ張るなって」
手をひかれる彼もまた笑顔を浮かべ、彼女についていく
二人やオラリオの住人の多くが集まり楽しむ祭りの日
そう...........
〝
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「すいませんジャガ丸くんソース味一つと小豆クリーム味クリームマシマシを一つで」
アルテミスにあっちこっち連れまわされながら歩いてるとジャガ丸くんを売ってる露店を見かけ二人はそこで買っていくことにしたのだ
「はいよ。少し待ってろあんちゃん」
店主は注文を受けると調理に移った
「ノクス、今日はソース味ではないんだな?」
2人で出かけることは少なくないためその時に何度かじゃが丸くんを買う機会がある。そのためある程度注文は固定化される。なのでノクスが普段頼まないようなものにアルテミスは疑問を感じた。
「あぁ、この間アイズ達と遊んでた時にアイズが買っててさ。それで少し興味があったんだ」
「そうか.........だが、私とでーとしてるのに他の女性の名前を出すのはどうなんだ?」
アルテミスはノクスの質問に対する回答に悪戯ぽっく笑みを浮かべる
「えっ、いやだってそれアルテミスが聞いてきたんじゃん。それよりこれってデートなのか?」
ノクスからすればアルテミスは母あるいは姉のような存在でもあり、何より守るべき家族のためそんなアルテミスとのお出かけがデートと言うのか疑問だった
「男女がこうして二人でいればそれはでーとだろ?それに今日私はそのつもりで来ていたのだが..........どうやらノクスはそうではないみたいだな.................」
途中からあからさまに落ち込んだふうになるアルテミスにノクスは動揺する
「え、えっと........そうだよな男女が二人で出かければデートだよな!うん!俺、アルテミスとデートできてうれしいな!」
「ふふふ、そうか..........だが、ノクスは私を悲しめた。覚悟はできてるな?」
アルテミスの笑みを見て揶揄っていたことに気づいたがノクスは何の覚悟かわからなかった。それを聞こうとしたところで............
「へい、あんちゃん出来たぜ!女神様と仲良くな!」
すると露店の店主がおちょくるようにそう言って商品を差し出してきた
「あ、ありがとうございます」
ノクスは渡されたじゃが丸くんのソース味をアルテミスに渡すと..........
「あ~ん、だ」
「え?」
「ノクスは私を悲しめた。だから私を慰めるためにあ~ん、だ」
アルテミスは自分のじゃが丸くんをずいっとノクスに差し出しあ~んをするように言うのだ
「ま、待ってアルテミス。こんな人通りの多いところで.........///////」
「ふふふ、恥ずかしいのか?顔が赤いぞノクス?」
揶揄うように笑うアルテミスはいつもよりもテンションが高いのか照れる俺のことを見て楽しんでるようだった
「............あ~分かったする。俺が悪いんだし」
ノクスはアルテミスが言う通り悲しめたのであれば断ることはできないし、アルテミスのお願いと言うのであれば断りずらいものがある
「ふふ、そうか。なら.........あ~ん」
「あ、あ~ん///////(恥ずかしすぎて味がわからない)」
ノクスはどこぞの馬鹿なカップルみたいで気恥ずかしく味が全くわからなかった
「あ~んと言うのは中々いいものだな。ノクスが可愛らしく照れるところが見れたのだからな」
そう言うアルテミスは満足そうにはにかむ。不覚にもアルテミスの笑顔とその行動に先程からドキドキさせられっぱなしだ
(なんかアルテミスいつになくご機嫌だな)
「そうだノクス。ノクスも私にあ~んをしてくれないか?」
「え?俺も!?」
「勿論だ。言っただろ?私を慰めて、と。ほら、はやく....あ~ん」
目を閉じて口を開けてノクスが差し出そうとすのを待っているアルテミス
「(こ、こうなりゃやけだ!)あ、あ~ん/////」
ノクスはここまで来たらやるしかないと腹をくくり、アルテミスへとあ~んをする
「........ふふふ、これは本当に甘いな。それに私も少し恥ずかしいな」
(何で今日のアルテミスはこう........../////////)
若干照れたようにはにかむアルテミスをノクスは言葉でどう表せばいいかわからなかった。ただ確実に言えることはいつもよりも機嫌がいいことと積極的だと言う事だった
「は、恥ずかしいならするなよな俺だって恥ずかしいんだから.........」
そう言ってノクスはもうバレているのに照れていることを隠すようにじゃが丸くんを食べる
(確かにこれ甘い........てか、甘すぎるだろ。いろんな意味で.......)
「ふふふ、それがいいんじゃないか」
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「なぁ、アルテミス今更だけどさ今日なんか機嫌よくない?」
ノクスは今アルテミスと手をつないで怪物祭のメイン会場に向かっていた
因みに今でこそ手をつないでいるが最初はかなり戸惑った。だが、アルテミスらしくない上目遣いで......
『私と手をつなぐのは嫌........なのか?』
普段凛としたアルテミスから放たれたあの上目遣いにあらがえるものはいるのだろうか............いや、いまい!なんにせよ、いつものアルテミスの様子とは違うのは確かだ
「そうか?でも、そうだな........こうしてノクスと出かけるのはやはり楽しくてな。それにこの間はロキ・ファミリアの面々と遊んでいたみたいだが私だってあの日暇だったんだぞ?」
「ん~それって嫉妬?」
「ふふふ、さぁな?..........でも、ノクスは私の家族なんだ。そんなノクスが私のいないところで私以外の女性と会っていれば面白くはないだろ?」
「なんだよそれまるで俺たち恋人みたいじゃないか」
ノクスはその言葉に少し驚きながらも冗談のつもりで笑いながらそうアルテミスに伝えると.........
「ふふふ、確かにな..........でも、それも悪くないと思わないか?」
アルテミスはそう言うとノクスの腕を抱き寄せて密着すると上目遣いで問いかける。ノクスはその行為に驚き硬直する
「あああ、アルテミス//////////な、なにを言って........///////」
「あははははノクス慌てすぎだ。冗談.........ではないかもな?」
「ッ~~~~~~~!!///////」
「まだまだ、そう言うところは子供で可愛いなノクス」
アルテミスの言葉がノクスには本心からなのか自身を揶揄うものなのかは判断がつかない。恐らくはからかうものなんだろうがほんのり.........僅かにだがアルテミスの頬に朱がさしていた
(頭がくらくらするぞ............ホントアルテミスにはかなわない)
そんなやり取りをしながら
「色々見て回っていたからもう
「そうだな外からでもわかるこの凄まじい盛り上がりようだ。さぞ、素晴らしいのだろう」
そう会話を交わし二人は盛り上がってる会場に入ろうとしてるところで.............
「ん?エイナだ...........なんか慌ててるみたいだ.........お~い!」
ノクスは入場口付近でエイナやギルドの職員たちが慌ただしくしている様子を怪訝に思いノクスの担当アドバイザーであるエイナの方にアルテミスと共に向かった
「あっ、ノクス!それに神アルテミスも............そうだ!ノクス悪いのだけれで聞いて欲しい話があるの!」
エイナは当然二人とは面識があり、見知った顔に一瞬安堵したようにするもすぐにまた焦ったように会話を切り出す
「いいけど、そんなに慌ててどうしたんだ?らしくないけど..........」
「あぁ、落ち着くんだエイナ。ちゃんと私たちは話を聞くから」
エイナは俺とアルテミスにそう言われると深呼吸をして少し落ち着いたようだった
「スゥーハァーー........ごめんなさい........今から言う事落ち着いて聞いてね?実はガネーシャ・ファミリアがモンスター
「なッ!?」
「それは本当なのかエイナ?」
2人は声こそは荒げなかったものの十分に驚くべき内容に切羽詰まった表情になる
「えぇ、いまロキ・ファミリアの一部の冒険者やガネーシャ・ファミリアもので当たってるけど一刻を争う状況なの。だからノクス、貴方にもモンスターの討伐に参加してほしいの。見たところ装備は持ってきてるみたいだし協力してもらえないかな?」
ノクスは念のためいつもの双剣を腰に吊ってきていたその為すぐにでも討伐に出ることは可能だ
そしてもちろんその要請に対する答えは決まってる
「わかった。俺もすぐに動く」
ノクスが動くことを聞いたエイナはよろしく頼むと伝えまた職務に戻っていった。恐らくギルドの職員で協力して会場あるいは付近の冒険者に協力を要請するためだろ
「アルテミス...........その悪いんだが.......」
「わかってる。仕方ないさ.........この事態は捨て置けない。私のことは気にせずしっかりやるんだ」
「わかったアルテミス............コレ、一応俺の剣渡しとくからもしもの時はそれで自衛してくれ」
ノクスは保険のために双剣の一本をアルテミスに託した。
「なんだノクス.........私に戦えと?」
「違うよ。アルテミスは戦えるのは知ってるけどそれは本当にもしもの時にして。アルテミスはすぐに安全な場所に避難して」
「わかってるさ.............気を付けるんだぞノクス」
「あぁ、さっさと倒してくる」
そのままノクスは走り出し街に解き放たれたモンスターの討伐に向かうのだった
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「ふふふ、ヘスティアには悪いことをしちゃったわね」
フード付きのローブを纏った誰よりも美しい彼女は眼下で起こってる騒動を見下ろしながら妖しい笑みを浮かべ彼女のよく知る女神に対し一切の申し訳なさを感じない謝罪の言葉をこぼしていた
「ダメね私は.........しばらくはあの子の成長を見守るつもりだったのに」
彼女の目的は一人の白髪の少年
頼りなく、少しのことで泣いてしまうような子
見つけたのは偶然だった
それでも彼女が見たことないような〝色〟をしていたのだ
そんな目的の彼がどんな...............
「あら?あの子も来ていたのね............」
彼女がふと目についたのは一際眩しく銀色に輝く〝彼〟
真面目で優しい〝彼〟はまさしく彼女の
「あの子の〝色〟も面白いのよね.............」
銀色の彼は、優しく真面目で彼女譲りの心根を持っていた
だが、彼の本質は気高い銀色ではなく...............
「いつその〝真っ黒〟な色を見せてくれるかしら?」
彼の本質は彼女でさえ測れない銀色の内側に秘められた〝漆黒〟
彼の本質は悪意..........彼の優しさや気高さとは真逆の負の性質
適性が高すぎるが故に彼が恐れ、封印しているもの
彼女はいつかそんな彼の〝漆黒〟に染まった姿が見てみたいという興味があった
或いは..............
「その闇をすべて飲み込んだあなたも見てみたいわね............」
彼女の陰謀...........そしてもう一つの陰謀もまた動いていた