精霊魔法
ベル・クラネル
Lv.1
力 : E 417→C 677 耐久 : F 352→D 515 器用 : F 396→D 536 敏捷 : D 532→B 721 魔力 : I 0→H 105
《魔法》
【ガウス・オリオン】
・破邪の一撃。
・誓いによって威力上昇。
・誓いによって消費魔力上昇。
《スキル》
【
・早熟する。
・守護意識が続く限り効果持続。
・守護意識の丈により効果上昇。
【
・運命的相性。
・自身の成長と神の認識によりステイタス変革。
・
「これは.......」
ロキファミリアから逃げるように、豊穣の女主人に帰宅したアルテミスファミリア。ベルは主神の部屋にある椅子に座り、ステイタス更新を受けていた。レフィーヤは下にある、豊穣の女主人に向かい。晩ご飯を取りに行っている。
そして今、何が起こってるのかわからないベルと度肝を抜かれているアルテミスがいる。
この二つのスキルは、
特に2つ目のスキル。【
本来神と子どもでは意識というか、価値観そのものが違う。神という何億年を生きていて天界から下界を見ていた神からしたら一瞬と言ってもいい命を生きている子ども達では価値観が違うのは当然。
だが現実にいたのだ。アルテミスという女神とベル・クラネルという子ども。二人はきっとアルテミスがオラリオに降り立って、ベルの元に現れなければ、
彼女彼は下界にもまだ天界にも神はたくさんいる。そして子どももたくさんの種族が下界にいる。さらに神は不変だが、子どもは生まれ変わると性格や根本から違ってくる。その中でベルは運命の神様に出会ったことになる。スキルが変革をもたらしているのが何よりもの証拠だろう。
このスキルはアルテミスが思うに、ベルが成長し、アルテミスが成長を認識することでステイタスに変革をもたらすのだろう。ベルの成長と言っても単純に戦闘して成長することではない。根本的な成長である。ベルがもつ価値観、潜在意識などの成長。ベルはなにを目指すのか、いわゆる心の変化である。そしてそれをアルテミスが認識し、尊重することで変革をもたらす。
そしてベルはあの戦いを終えて、成長したと言える。彼は【ロキ・ファミリア】をレフィーヤを、そしてアルテミスを守りたい思いで立ち上がることができた。英雄はみんなを守ることができると言うのが多くの下界の認識だろう。実際英雄と呼ばれたものは皆を守り、悪を打ち滅ぼしている。それを認め、尊重してくれたアルテミス。だからこその【
「ベル、驚かずに聞いてくれ」
「は、はい」
「お前にスキル変化が起きている」
ベルは叫び出さずに絶句していた。アルテミスは真剣な顔をして、ベルを見つめる。ベルに発現したスキルは詳しくは話すつもりはないが、やはりあのことは伝えるべきだろう。
現在レフィーヤはベルのステイタス更新を待っているだけなのにとてつもない現場を見てしまっている雰囲気を出している。新参者が口を出せる状況ではなかった。
「昨日の戦闘でベルにスキルに変革が起き、【
「ええええええ!?それってどう言うことなんですか!!」
「落ち着け、そのスキルは確かに消えたが、かわりに違うスキルが発現した。ベルの成長はまだ止まらない」
「そ、それは良かったんですけど、けど【
ベルは自分のステイタスの紙を持っているが、スキル二つが隠れた状態である。それを見つめるのをやめると、ベルはアルテミスに不安そうに尋ねる。アルテミスは食事を並べてある食卓に座る。レフィーヤは食事を並べ終え、食卓に座って待っている。しっかり聞き耳を立てていたレフィーヤだった。
「理由はある」
アルテミスはベルを自室から呼び出すように、手招きをしながら食卓に呼ぶ、ベルは自分の上着急いで着て、食卓に現れる。四人用の食卓なのでレフィーヤの隣に座る。
「お前がアイズ・ヴァレンシュタインに勘違いしていたからだ」
「「はい?」」
理解不能だった。ベルはなにを言ってるんだ神様と思った。無理もない、ベルはアイズ・ヴァレンシュタインに助けられ、しかもアイズは神々から剣姫と謳われるくらいの美しさを誇る。あの時のベルからしたら命を危機を救うお姫様なのだ。恋をしてもおかしくない。しかしアルテミスは違うとベルに告げたのだ。
一口、焼き魚をアルテミスはつまんだあと、腕を組んでこう話した。
「事実消えてしまっている。私が思うに命の危機を救われて憧れと恋を履き違えたと思う」
「そんなことってあるんですか?」
「わからない。けど自分の胸に聞けばわかるんじゃないか?」
ベルは目を閉じ、手を胸に当てる。考え込むように、胸の内の声を聞くように自問自答する。レフィーヤはその間にベルに出現していた【
「確かに僕はアイズさんから命を救ってくれました」
ベルは目を開け、アルテミスに告げる。手はまだ胸の内に、まだ何かを探っているかのように。
「そしてアイズさんに見惚れました、憧れました。これは間違い無いです」
「そうか」
「けど確かに神様の言う通り、あの人に追いつきたいと言う気持ちだけだったのもしれません。けど今もあの人に追い付きたいって今でも思ってます、だから目指す目標は変わりません、まずは彼女と肩を並べる存在になりたいです」
ベルの瞳には強い意志が宿っていた。出会いを求めにベルはここに来たのは事実だ。だがしかしベルは根本的には求めていたのは違かった。ベルは英雄になりたかったのだ。
そして今最も英雄に近いのが、最前線で戦っている第一級冒険者。その中でも自分を助けてくれたアイズ・ヴァレンシュタインに恋という誤解の憧れを抱いただけである。けれど目指すものは変わらない。まずは彼女と肩を並べて戦える存在になる。
きっと
だから肩を並べて戦える存在になろうとそう思った。
「そうか、ベル。その誓いを忘れるな。きっとその誓いがお前を強くする」
「はいッ!!」
「そしてレフィーヤ」
「は、はい」
「お前はベルに負けるな。きっとベルはすぐにお前を超えてくる、だから負けるなレフィーヤ」
レフィーヤは手に力をぎゅっと込めた。きっとベルはレフィーヤを超える。レフィーヤもそう直感してる。けれど抜かれないようにではない。ベルのように自分も成長していくんだと改めて実感したからだ。
「はいッ!!」
ベルとレフィーヤは笑顔でアルテミスに誓い合う。アルテミスは笑顔で彼らのような眷属を持てて幸せだとそう思った。
ベルにはスキルの詳細、【
けれどベルにはなんらかのスキルが自分には発現してるということはわかっている。けれど、スキルの詳細を説明しないアルテミスを見てきっと何かあるのだろうと思っている。だからベルはアルテミスを信じることにした。きっとこの選択が正しいと分かっていたから。
******
「ただいま帰りました、神様」
「ああ、おかえりお前たち」
アルテミスはいつも通り笑顔で迎えてくれた。アルテミスはカチャカチャと音を立てて、何やら食事の準備をしているようだった。
「今日は私がミアから教えてもらった料理を作ってみたんだ。いい感じにできたと思うから食べて欲しいんだが」
「アルテミス様って料理できたんですか?意外ですね.....」
レフィーヤがボソッとベルの後ろで呟くと、ベルは心の中で’’レフィーヤサンッッ!!’’と呟きながらアルテミスの方を恐る恐る見る。
「レフィーヤ......それはどういう意味だ?」
「いッ!?い、いまの聞こえてました.......?」
「..........レフィーヤ、今日はお前夕飯抜きだ」
「すみませんでしたッ!!」
ベルは始めてレフィーヤが深々と頭を下げて謝罪する瞬間を目撃するのだった。
******
食事が終わり、ステイタス更新をしてもらおうと僕は神様に声をかけようとした。
「ベル、レフィーヤ。私から少し提案があるんだが聞いてくれないか?」
僕が話しかけようと思った矢先、神様が話し始めた。
「は、はい。提案ってなんでしょうか?」
レフィーヤは神様の問いに返す。
「私に類する、精霊の祠に行ってみないか?」
「「精霊の祠??」」
精霊の祠。いくつかの英雄譚でも聞いたことがある。精霊は神様の使いであり、神様の命により下界に降りてきた。そして精霊は下界に暮らし始めたという。神秘な森や祠などに住み着き始め、下界の子供達はその噂を聞き、探しにいくが全く持って見つからないので伝説となっている。
英雄譚では、伝説の英雄達なので精霊から力をもらったり、神秘な森に行き、精霊の力をもらったりしている。
その時は神様達が下界に降りてきてない時の話が多数で、今では神様達が下界に降りてきている。神様の恩恵がある今では精霊を探しにいく人なんていう人はほぼいない。
「ああ、そうだな、なんと説明した方がいいか」
神様がむむむっと考えていて、神様はそうだと手を打ち、口を開いた。
「英雄譚の『アルゴノゥト』という童話を知っているか?」
「はい、有名な英雄譚ですから。英雄に憧れる少年の物語ですよね」
『アルゴノゥト』道化の少年がなし崩し的に、ミノタウロスからお姫様を救う物語。
原初の英雄と言われていて、最も古い英雄譚として有名だ。
「それがどうかしたんですか?」
僕が神様に尋ねる。
「『アルゴノゥト』という英雄譚を見たならわかるだろうが、アルゴノゥトは精霊の祠に行き、精霊から強大な力をもらったと書かれていたな?その強大な力を授かりに行かないか?」
「その精霊の祠はどこにあるんですか?」
レフィーヤが小さく手を挙げて答えた。確かに精霊から力をもらえるというのならば、みんな欲しいだろう。精霊の祠は今では伝説である。神様が降りてきた今、精霊の祠を探すよりも、ダンジョンに潜って実際に経験値を積んだ方が早いのだ。その精霊の祠を今では誰も探していないため、精霊の祠の場所は誰でも気になる。
「オラリオから少し離れた場所に、『フィーサナの森』という場所がある。そこに精霊の祠がある」
『フィーサナの森』全く持って僕は聞いたことがなかった。それも僕は田舎に住んでいたので、田舎の近くの村かおじいちゃんから聞かされていたオラリオくらいしか知らないのだ。
神様はそのまま話し始めた。
「数日前、ガネーシャに
「と、突然過ぎませんか!?」
僕は大声を出してしまった。けどまあ、さすがに突然すぎるよね.....。明日出発するなんて....。
「だから選んで欲しい。精霊の祠にはたくさんの危険がある。私に類する精霊と言っても、はいそうですかと言ってお前達の力になるわけではない。きっと精霊の祠にはお前達を試す試練が待っている。危険が伴うはずだ。それでも精霊の祠に行くか?」
僕とレフィーヤは顔を下に向けて考えた。精霊の祠に行くか行かないか。だがそれはすぐに答えが出た。僕とレフィーヤは顔を上げた時が一緒で一緒のことを考えていると思ってしまったので、顔を見合わせて笑ってしまった。
「「行きます!!」」
僕とレフィーヤは同時に神様に返す。きっと精霊の祠では危険が沢山あると、神様も言っていた。きっと大変なことが待っているのだろうと思った。けれどあの人に追いつけるなら、一歩でも早く英雄になれるなら、そして最も尊敬する神様に認められるような人になるなら、僕は精霊の祠に行きたいと願った。
「そうか、わかった。精霊の祠までガネーシャが言うには一週間で着くらしい。食料は用意してある。準備はできている」
「あ、あの。神様は僕たちが行くって言うことがわかっていたんですか?」
「当たり前だろう?お前達は私の眷属だ、お前達がなんて答えるかわかるだろう」
神様は当然な顔で僕のことを見てきた。本当にこの神様には敵わないと僕は改めて実感した。
精霊の祠では何があるのかわからない。けど、強くなるための僕は一歩踏み出した。