選挙染めるバズり経済 収入6000万円迷惑系YouTuber当選
デモクライシス #SNSが政治変えた件①
「歴史上初めて誰もが携帯電話を使うだけで、自分の考えを国民に納得させ、政治家になる力を手に入れた」。2024年6月の欧州議会選挙でキプロスから当選したフィディアス・パナヨトゥ氏(24)は12月、議場で訴えた。
「10日間空港で無料で暮らしてみた」といった動画で数百万回の再生数を稼ぐユーチューバーだった。日本旅行中の23年に新幹線やバスに無賃乗車を繰り返す動画で物議をかもし、JR九州が被害届を出す...
中世の活版印刷の登場が宗教改革を迫り、近代が幕を開けたように、SNSは社会や民主主義を不可逆に変えた。誰かのものだった政治が自分のものになる感覚とともに、スマホの画面を飛び越えて人々は投票所に足を運ぶ。半面、「いいね!」の数を収益に変えるアテンションエコノミーを背景に、SNS上の偽情報や陰謀論、誹謗(ひぼう)中傷が選挙の信頼・公正を揺るがしている。対応を誤れば、民主主義は窮地に追いやられる。
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