Notionから79万円の請求が来て寿命が縮んだ話
先日大学のサークルで運用していたNotionのワークスペースに対し、5,306.76ドルの請求が来ました。これ自体はキャンセルをしてもらえたんですが、サポートの対応にいくつか疑問があったため記事を書きました。これ気をつけないと同じ目に遭う人が出る可能性もあるなと思ったので、注意喚起の意味も込めて。
背景
Notionは学生団体向けにNotionプラスプランを無償で利用できるプログラムを提供しています。
組織でNotionのワークスペースを利用する場合、ワークスペースに所属するユーザー数ぶんだけプラスプランを契約する必要があります。
しかしプラスプランは月額1,650円と割高です。そのためこれまでサークルでは管理用のアカウントのみプラスプランを契約し、そのページをサークル全員にゲストとして共有する、という形をとっていました。ただこの運用方法はあまりきれいとは言えないため、せっかくこのようなプログラムがあるのであればということで、サークルとして学生団体向けプランに申請することになりました。
時系列
2025/01/06
学生団体申請フォームから代表が申請。学生組織のワークスペースのメールアドレスにサークル用のGmailアドレスを、学校のメールアドレスに代表の大学アドレスを入力して送信。
直後に申請を受理したとのメールが来る。
We've received your student org application
Thanks for submitting an application!
Our team will get back to you within the next couple weeks with an update on your application’s status.
In the mean time, you can get your team set up in Notion with some of our favorite student-created templates →
2025/01/09
学生団体向けプランの申し込みが受理されたとのメールが来る。
You're in: Your student org discount has been approved!
We’re excited to share that your application has been approved for our student org discount! Your student org’s workspace has been upgraded to our free Plus plan, with unlimited member additions. You can confirm that your workspace has been upgraded by going to Settings & Members > Plans — your subscription should be updated to the Plus plan. Start adding your teammates as workspace members by heading to the People tab in our Settings page, and clicking on Add members. To set up your student organization’s workspace, use our templates to plan your org’s meetings & events, organize projects, and collaborate with your teams on Notion. P.S. Want to get more involved with Notion on your campus? Join our Campus Leaders community, and check out upcoming events popping up on your campus block. — The Notion Team
その日じゅうにメールは確認しましたが、予定が立て込んでいた時期だったため、後日対応しようと放置していました。
2025/01/10
Notionから59.46ドルの請求が発生し、引き落とされました。この引き落としは1/10ではなく後日確認したことで気づきました(常に確認しておけよという話ではある)。
しかし、毎年有料サブスクリプションの引き落としは10/10に行われており、この日特段の設定変更を行っていないことから何の引き落としなのかが不明です。明細には「日割りの料金」とありました。
ここで一度整理しておくと、この日までに我々がやったのは「申請フォームから申請する」ことだけであり、特にアップグレード処理などはしていません。念の為後日サークルのGmailアカウントでこの日周辺の閲覧履歴などを確認しましたが、そもそも1/10にこのアカウントを触った人はいませんでした。
2025/01/28
サークル内の担当者(私です)がワークスペースのアップグレードを行いました。この日の操作についてログを残していたわけではないため、うろ覚えではありますが、私の記憶ではワークスペースへの変換と、もともとページに招待していたゲストを一括でメンバーにする操作を行いました。
2025/02/10
サークルのワークスペースで支払いを処理できなかったとのメッセージが表示され始めました。
請求一覧の画面を確認したところ、5,306ドルの引き落としに失敗しています。
この時点ですでにパニックだったのですが、急いでNotionサポートに問い合わせたところ、以下のような返答がありました。
ご連絡いただきありがとうございます。Notionサポートです。 この度は学生団体向けプログラムのご獲得をいただけ大変光栄です。
お客様のワークスペース「(サークル名)」は現在有料プランとなっており、有料プランのワークスペースは学生団体向けプランの適用ができません。 そのため、こちらでプランをキャンセルする必要があると判断しております。 上記より、本件を一旦弊社の経理チームに転送し精査を要請いたしますので、 お手数ではございますが管理者メールアドレス【サークルのアドレス】をCCに追加いただき、 1/6に受信された承認メールを転送いただきますようお願いいたします。
個別のサポートだと日本語の窓口があるようです。
さて、メールを読むと「有料プランから学生団体向けプランにアップグレードする際は一回解約してからアップグレードする必要がある」とのこと。いや、そんな話は知らないが……？
改めて申請フォームを確認してみると、たしかに下の「よくある質問（Q&A）」の中に書いてありました。
とはいえ今回の場合、実際に申請が受理されたというメールまで来ています。いくらQ&Aに書いてあるとはいえ、この状態で申請が通ってしまうと気づかない人も多い気がします。
2025/02/13
なかなか返事が来ないので気を揉んでいました。3日後に以下のような返答が。
〇〇さん、 返信ありがとうございます。 弊社の日本語サポートは週末および祝日がお休みとなっております。そのため、ご返信は休業明けより順次対応させていただいております。 管理者のメールアドレスよりご連絡をいただきありがとうございます。 対象のメールアドレスがワークスペース「(サークル名)」の管理者でいることを確認しました。 この件はファイナンスチームに依頼いたしました。 ファイナンスチームは順番に対応しておりますので、今しばらくお時間頂戴できますと幸いです。 よろしくお願いいたします。
結局このメールから10日連絡がありませんでした。
2025/02/24
Stripeから請求がキャンセルされたことを知らせる自動送信メールが来ました。これにより2/10に発生した75万円の請求は取り消されましたが、1/10に発生した1万円の請求は特にキャンセルは行われませんでした。
2025/02/25
Notionサポートから返信
〇〇さん、
本件についてお待ちいただきありがとうございます。 ファイナンスチームより以下の回答をお預かりしました。
サブスクリプションと最新の請求書をキャンセルしました。 学生組織プランにアップグレードいただけます。
他にこちらで確認できることがありましたら、お知らせください。
これに以下のように返答。
Notionサポートデスク ご担当者様
お世話になっております。 5,306.76ドルの請求について、キャンセル処理を行って頂きありがとうございました。 一方で、1月10日に発生した59.76ドルの請求については、いまだ払い戻しが確認できておりません。本ワークスペースは1月6日に学生団体としての申請を行い、1月9日に申請が受理されているため、この請求も手違いによるものと考えております。 つきましては、1月10日の引き落としについて再度ご確認いただけますでしょうか。 お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
2025/02/26
この日、キャンセル処理によりワークスペースがフリープランにダウングレードされました。
同日Notionから返信が。
〇〇さん、
ご連絡ありがとうございます。
2025年1月10日の請求書についてファイナンスチームに確認をいたしましたが、返金の対象外であるとの報告がありました。 弊社の返金ポリシーは年払いの場合はサインアップ/プランの更新の請求書から30日、月払いの場合は3日以内にご連絡をいただく必要があります。
ご満足いただける回答ではないかもしれませんが、ご理解いただければ幸いです。 ほかにもご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
返金ポリシー、それはこちらの都合で返してくれってときの話では……？
今回は簡単に言えば「学生団体向けプランの申請をしただけで59.46ドルの引き落としが発生した」という話です。前述したとおりこれまでの支払いは毎年10/10に行われていました。そのため、もし有料プランとして引き落としが行われていたんだとしても1/10に請求が来るのは説明がつきません。
2025/02/27
25日のメールで「学生団体向けプランにアップグレードいただけます」とありましたが、同じ徹は踏みたくなかったので具体的なアップグレード方法について問い合わせました。また合わせて、1/10の請求が何の請求なのかについても聞いたところ、以下のような返答がありました。
〇〇さん、
ご連絡ありがとうございます。
2025年1月10日の請求書はパーソナルプランからプラスプランへアップグレードされた際の請求となっております。
以下の方法で学生団体プランへアップグレードを行えますか？操作は管理者のみ行えます。 サイドバーの 設定 を開きます。 プランをアップグレード を選択します。 無料の学割プランを入手 を選択します。所属の教育機関がシステムにて確認されると、自動的にアップグレードされます。 ご確認お願いいたします。
「パーソナルプランからプラスプランへアップグレードされた際の請求」とありますが、前述のとおりサークルでは以前からプラスプランを契約していたため、やはりこの請求は怪しいです。
アップグレード方法についても「無料の学割プランを入手」とありますが、そんなボタンはないぞ？
結論
この後もやり取りを続けているのですが、今のところ最後の問い合わせから2週間返事が来ていません。
1万円なので払えない金額ではないですが、決して無視できる額ではないです。
お金に関わる話なのにちょっとサポートの対応が遅いんじゃないかという気がします。1万円に関してはもう少し納得ができる説明が欲しいと思いました。
学生向けにこういったプログラムを展開してくれることはありがたいのですが、中途半端にやるだけではお互い得をしないので、ちゃんとフローを整えてほしいところです。
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