独作家による贋作騒動、現地警察「78点が偽物の可能性大」判断 高知などの3点も

贋作家ベルトラッキ氏の作品の可能性がある高知県立美術館所蔵の油彩画「少女と白鳥」(同美術館提供)
贋作家ベルトラッキ氏の作品の可能性がある高知県立美術館所蔵の油彩画「少女と白鳥」(同美術館提供)

ドイツ出身の贋作家ウォルフガング・ベルトラッキ氏(74)が著名画家の作品の偽物を多数制作した騒動を巡り、日本の美術館が所蔵する3点を含む少なくとも78点について、ドイツ警察当局が贋作の可能性が高いと判断していることが15日、分かった。

日本の3点は徳島県立近代美術館(徳島市)のほか、高知県立美術館(高知市)とマリー・ローランサン美術館(東京都、閉館)が所蔵。ベルトラッキ氏はいずれも自身による贋作だと証言した。高知の作品については14日、県が贋作と判断したと発表。徳島でも真贋について調査が進められている。

捜査を主導したドイツ・ベルリン警察のアロンジュ主任捜査官によると、徳島と高知の2点は枠に貼られたラベルや関係者の証言から贋作だとほぼ断定した。東京の1点は実物の調査情報が欠けており、確実に贋作とまでは言い切れないとした。美術犯罪の捜査で約50年の知見があり、欧州で同様の捜査の中核を担うベルリン警察は、3点をドイツで調査することも提案している。(共同)

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