ベルが恩恵を刻む際にあった出来事
ヘスティア「さてベルくん。恩恵を刻むから上着を脱いでくれるかな?」
ベル「はい!」
ティオネ「ふー!ふー!ふー!(ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸ベルの裸)」
ヴェルフ「おい、お前の姉貴目が血走ってるんだが。アレと知り合いとか思われたくねぇから何とかしてくれ」
ティオナ「私に姉なんていないよ。いるのは将来の旦那のベルだけだから」
ヘスティアによって恩恵を刻まれる際に半裸になったベルの姿を目に焼き付けようとを目を血ばらせながら鼻血を垂らしているティオネを見ないようにするヴェルフとティオナ。なお別の場所では師匠がヘファイストスと椿を筆頭としたヘファイストスファミリアの鍛冶師たちに大量の素材を提供していたりする。深層・下層のモンスターたちの素材を前にして一部の鍛冶師たちは狂喜乱舞していたのは秘密である。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
フィンたちが会議を行っていたのと同じ頃、女神ヘファイストスの元にいる女神ヘスティアに会いにバベルへと来たベルたち。女神アルテミスからの紹介もあってあっさりとヘスティアとの面会を果たしたベルたちは無事にヘスティアからの恩恵を刻んでもらうことが出来た。
「ティオネくんとティオナくんはレベル3からレベル4にランクアップ、ヴェルフくんは鍛治スキルと魔法の習得、そしてベルくんだけど・・・」
「初めて恩恵を刻むのにもうレベル3までランクアップするなんて・・・」
ヘスティアとヘファイストスはベルたちのステータスを見て呆れればいいのか笑えばいいのか分からないでいた。ティオネとティオナは元カーリー・ファミリアに所属していた時点でレベル3だったのがベルとの旅で偉業を詰んだことでレベル4にランクアップ、ヴェルフも魔剣を打ったことでその偉業が認められスキルと魔法を獲得。そしてベルに至ってはランクアップのスキップと複数のスキルと魔法の獲得という下界の未知という一言では言い表せないほどの驚愕だった。
ティオネ・ヒュリテ
Lv.4
力:S984→I0
耐久:A894→I0
器用:B768→I0
敏捷:B784→I0
魔力:H135→I0
券打:G
潜水:G
耐異常:H
《魔法》
【リスト・イオルム】
詠唱式:【心海(うみ)に沈められし我が欲望、心海(うみ)に育まれし我が渇望——運命(とき)は来た。形をなし、牙を剥き、王蛇(へび)となれ。海を抜け、大地(おか)を越え、世界を覆え。運命(とき)を捕え、運命(とき)を止め、運命(とき)を蹂躙せよ】
《スキル》
【
・ダメージを負う度に攻撃力が上昇
・怒りの丈に合わせて攻撃力上昇
【
・瀕死の状態の時に『力』のアビリティに超高補正
ティオナ・ヒュリテ
Lv.4
力:S984→I0
耐久:A879→I0
器用:B774→I0
敏捷:A807→I0
魔力:I0
券打:G
潜水:G
耐異常:H
《魔法》
【 】
《スキル》
【
・ダメージを負う度に攻撃力が上昇
【
・瀕死時に発動し、全アビリティ能力に高補正
・窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、戦闘力が上昇
ヴェルフ・クロッゾ
Lv.1
力:G274
耐久:C648
器用:D567
敏捷:D502
魔力:I58
鍛治:I
《魔法》
【ウィル・オ・ウィスプ】
詠唱式:【燃え尽きろ、外法の業(わざ)】
《スキル》
【
・魔剣製造の特殊鍛治スキル
ベル・クラネル
Lv.3
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
幸運:H
耐異常:G
《魔法》
【 】
【
詠唱式:【傷ついた英雄、怯える民、失われた箱庭、絶望を乗り越え立ち上がれ。我が力、我が願いををもって癒せぬ者さえも癒しつくすることをここに誓う。さぁ顔を上げよ、我らが戦士たちよ、我が鐘の音を聞き、その傷を癒せ。】
傷の治療、体力回復、状態異常及び呪詛の解除。生まれ持った病をも軽減させる。詠唱完了時ベルを中心に地面に魔法陣が浮かび上がりその魔法陣にいるベルが味方と認めたもの達を治す。
《スキル》
【
・別世界の英雄を召喚する(この数はレベルに応じる)
・別世界の英雄の力をその身に宿す
・別世界の英雄の武器を顕現させる
・別世界の英雄の権能をその身に宿す
【
・ゼウスとヘラの血縁者の証明
・魔法スロットに関係なくゼウスとヘラの眷属の魔法を使用することができる。
・ゼウスとヘラの眷属のスキルを使用することができる。
・ゼウスとヘラの眷属の霊体によるスキル使用者の
【
・早熟する
・英雄への憧れが続く限り効果持続。
・英雄への憧れの強さによって効果向上。
・全武器の使用適性向上
・致命傷回避(1日最大12回まで)
・
・発動時、周囲の味方の戦意高揚
(ベルくんがまさかあの子たちの眷属の子供だなんてね・・・。アルテミスはそれを知ってたから僕にベル君のことを頼んだのかな?)
ヘスティアはベルのステータスのスキルの1つ【双神物語】からベルがヘスティアにとって弟であるゼウスと妹であるヘラの
「まぁいいか。これでベルくんたちも正式に僕の眷属になったから今日から冒険者として活動できるようになったよ」
ヘスティアはそう微笑みながらベルたちにステイタスが書かれた羊皮紙(ベルのみ早熟を始めとした一部のスキルを消したものを)を渡してあげた。それをベルたちは嬉しそうに受け取った。
────ベル・クラネルたちはこの時、ようやく冒険者としての一歩を踏み出せた。しかし本来の歴史よりも早く冒険者となった彼らが、ベル・クラネルが最初に冒険を挑む相手は
◆◇◆◇◆◇◆
恩恵を刻まれたベルたちはまずベルの得たスキルや魔法を試すためにヘファイストスファミリアの管理する訓練場にて試し打ちをしようとヴェルフの提案で訪れていた。そこにはヘファイストスファミリアの団長である椿・コルブランドが師匠やヴェルフの魔剣《咆月》、ティオネの2振りのククリナイフ《牙鳴》、ティオナの大双刃《水月》を用意して待っていた。
「おお!待っていたぞベル坊たち!お主たちの武器の整備はしっかりとしておいてやったから確認するが良い!」
椿はそう言いながらベルたちに武器を渡していく。その際に椿はわざとベルを後ろから抱きしめてその豊満な乳房をベルの頭に乗せてニヤニヤする。椿に密着されたベルは顔を真っ赤にさせてそれを見たヒュリテ姉妹が貰った武器で斬りかかりそうになったのをヴェルフと近くにいたヘファイストスファミリアの団員たちが止めた。
『・・・ベル、背中には気をつけろよな』
「なんでぇ!?」
師匠はベルがとんでもない女誑しに育っていることにどうしてこうなってしまったのか・・・と思いながらベルがいつか嫉妬に狂った女に背中を刺されないか不安に思いながら注意するようにいうとベルはその言葉の意味を理解できないのか悲鳴のような声を上げる。
その後なんやかんやあって落ち着いたところでまずはベルの魔法から試すことにしたのだが────
「これは・・・」
「むぅ・・・これはアミッドが知ったら喉から手が出るほど欲しがっただろうな」
ヘファイストスファミリア団員と椿はベルの魔法《サナトゥース・コーリング》のあまりの強力さに驚きを隠せないでいた。ベルの魔法でどこまで治せるか確認するために火傷や切り傷などの軽傷から失明や骨折、呪詛に侵されたものなどの重症などとりあえず片っ端に怪我人を連れてきていたのだが、ベルの魔法はその全てを治してしまった。元から傷なんてなかったなかったかのように完治していることに誰もが驚いていた。
それからベルは治療してもらったヘファイストスファミリアの団員たちから感謝の言葉を貰って揉みくちゃにされながらこの魔法ならお義母さんたちを治せるかな?と考えていた。
「とりあえずベルの魔法の効力はわかった。次はスキルを試してみようぜ」
ヴェルフはそう言って簡素な鎧をつけた的当て人形を用意するとそれに攻撃させようとベルに声をかけた時、その連中は現れた。
「─────死ね冒険者!!」
黒フードの集団はそう叫ぶと同時に訓練場に雪崩込むとヘファイストスファミリアの団員たちに襲いかかってきた。突然のことに武器も持っていないヘファイストスファミリアの団員たちは動揺してしまい対処が遅れてしまう。黒フードたちの凶刃が近くにいた椿に迫ろうとしたその時、いち早く気づいていたベルは師匠をその手に握ってスキルを発動させた。
「────《
ベルは《双神物語》のスキルを使用し、亡きゼウスファミリアのLv.7の
「まさか白昼堂々闇派閥が仕掛けて来るとはな・・・」
椿は苦虫を噛み潰したような顔をしながら縛り上げられる闇派閥の団員たちを見る。闇派閥の活動が活発化しているのは理解していたがまさかヘファイストスファミリアの管理しているこの場所に襲撃を仕掛けてくるとは思わず椿は油断していたと自己嫌悪するが、そんな感傷に浸っている暇は与えないと言わんばかりにオラリオの各地で闇派閥による襲撃が始まったと顔を青ざめた団員からの報告に椿たちの間に緊張が走った。
「後手に回ってしまったとしか言いようがないな・・・。ベル坊すまんが」
「いきます」
椿は今いる戦力のことを考えて自分以外にもレベルの高いもので対処せねばならぬと判断し、まだ冒険者になったばかりではあるがLv.3であるベルに協力を申し出ることに若干負い目を感じたが、ベルは椿が言葉を言い終えるよりも先に同行を申し出た。
「誰かが悲しむ姿を僕は見たくありません。誰かを守れるためなら僕は戦えます」
決意の籠った瞳で椿を見上げるベルの姿に満足気に笑みを浮かべた椿はニッと笑みを浮かべるとベルの背中を勢いよく叩いた。ベルはあまりの痛みに涙目になりながらケホッと息を吐いた。
「よく言ったぞベル坊!なら行くぞ!!」
「っ!はいっ!!」
椿は数名のLv.3の団員を連れてベルたちと共に近くの爆心地へと向けて走り出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
オラリオの各地で闇派閥が暴れ回るより少し前。とある廃教会にて今回の闇派閥の騒動を起こした首謀者である邪神エレボスと彼が『絶対悪』を成し遂げるために協力を仰いだかつての最強たち、───アルフィアとザルドが揃っていた。
いや、正確に言えばアルフィアに対して土下座をしているエレボスと彼女の怒りに巻き込まれたくないと言わんばかりに距離をとっているザルド、そして絶対零度の眼差しでエレボスを見下ろすアルフィアの姿がそこにあった。
「それで?何故ベルがオラリオにいるのか答えてもらおうか?」
「いや~俺も予想外というか・・・下界の未知というか・・・」
「ハッ?」
「サーセンしたぁ!!」
言い訳しようとしたエレボスだがアルフィアの視線だけで人を殺せそうな眼で睨まれたため神としてのプライドも投げ捨てて頭に地面を擦り付けるのだった。信じられるか?これが闇派閥をまとめるカリスマの姿なんだぜ?
「そ、そのぉ・・・どうやら俺がお前たちを連れてくところ見ちまったみたいでそれを追いかけてここまで来たらしい・・・」
「「っ・・・・・・」」
外で活動させている眷属からゼウスの眷属がベルを探していることとベルがアルフィアたちを探して村を飛び出したことを聞いたエレボスは顔の前で人差し指をツンツンとくっつけながらそう言う。エレボスの言葉にアルフィアとザルドは辛そうに顔を歪ませた。黙って去ったことに関して後悔していたがまさか恩恵も刻んでいないあの子が追ってくるなど夢にも思っていなかったのだからこそそのような反応をしてしまったのだろう・・・
「まぁ俺もあの子供が追ってくるとは思ってなかったからそれはお互い様だな・・・ってかまさかあの子がインテリジェンスウェポンに選ばれるなんてなぁ・・・」
「なんだ、そのインテリジェンスウェポンってのは」
エレボスが呟いたインテリジェンスウェポンという言葉が気になったザルドがそれについて聞くが、エレボスはそれに対して眉をしかめながら答える。
「インテリジェンスウェポンってのは知性ある武器の事だ。誰が造ったのかはわからないがはるか昔、俺たち神が地上に降りるよりも前に存在した英雄たちが使っていた武器たちのことさ。有名なので言えば暗黒聖騎士アッシュの武器《
エレボスの言葉にアルフィアとザルドは意志を持った武器の存在を聞き驚いていた。かつてオラリオで最強の座についていた自分たちでも知らなかったそんな武器が存在していることもだが、そんな武器をベルがもっていることに何とも言えないでいた。
「俺の眷属たちの話が正しければあの子はインテリジェンスウェポンの力とアルテミスの眷属たちの力を借りてだが古代のモンスターを討伐した。他にもスタンピードからの街の防衛、病に侵された集落の住人の治療、闇派閥の一部が行っていた奴隷取引現場の妨害。他にも色々とやったみたいだぜ?」
「・・・何が言いたい」
エレボスがどこか楽しそうにベルの活躍を話しているのを聞いているアルフィアは、あの子が剣をとる必要のない世界にするために自分たちを英雄を生み出すための贄にしようしたのにベルが剣をとって戦っていることを知ってしまい頭の中がぐちゃぐちゃになっているた。だからこそエレボスがこの後提案したことを素直に受け止めることも理解することもできなかった。
「─────あの子に英雄となる覚悟があるか問てみないか?」
────それはベル・クラネルという新たに現れてしまった英雄候補を見つけてしまった邪神が思いついてしまったちょっとした事だった。しかしその行動によって過去の英雄、現代の英雄候補たち、そして本来の歴史ならば存在しなかった邪悪たちの運命を変えることになるとは神ですら読むことはできないのであった・・・