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共同親権エビデンス集

以前共同親権エビデンス作る作る詐欺をしていてほぼ1年以上経過してしまいました。申し訳ありません。諸外国ではすでにエビデンスが確立されつつあるこの問題ですが、我が国においては世界的には何年も前に大勢が決している事柄でもしばしば争点になることがあります。体系的にまとまった資料もまだあまり少ないので今回エビデンス集をQ&A方式で作成しました。ほぼ全てオープンソースですし著作権フリーとしますのでぜひレスバなり陳情の資料なり自由にたくさん利用していただけますと幸いです。全て読もうとするとめっちゃ長いので、目次から知りたいところだけ見てもらっても構いません。あとほかの方のnoteなども参照していますのでそれの取り扱いにだけ注意していただきたいです。また間違いや追加して欲しい事項がありましたらソース付きで私のxのアカウント@tsuresari04までDM頂けますと幸いです。

民意について

Q1 法改正時のパブリックコメントでは反対派が多かった?

こちらの記事によるとパブリックコメントは8000超の意見があり、90の団体とそのほかは個人の意見であった。団体は賛成派が多く、個人は賛成、反対が1:2であったよう。しかし、個人では一人で何百通も送る人物もおり、またパブリックコメントは正しい統計調査でもない。
公的調査、母集団が偏らないアンケート調査では大体賛成派が多数である。

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法制審議会家族法制部第25回 議事録より赤石氏の発言

また、令和3年内閣府「離婚と子育てに関する世論調査」では、父母双方による養育の関与について「どんな時でも望ましくない」と回答した人はわずか5.7%であった。

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https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-rikon/2-3.html

公的でない各種アンケート調査を見ても間違いなく、賛成派が多数だった。

たまに反対の方が多いアンケート結果もありますが、大体がすでに単独親権者となっているひとり親や女性だけを対象としているアンケートですので選択バイアスがかかっている可能性が大です。そういう統計結果を見たらまず母集団を確認しましょう。

Q2 当事者であった子どもはどう考えていたか。

令和2年に法務省により行われた「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態調査」では、父母の別居に「ほっとした」、「うれしかった」など肯定的な感情を示した割合は11-14%にとどまり、少なくとも37%は両親の別居を望んでいなかった

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https://www.moj.go.jp/content/001343837.pdf

また、どちらかと一緒に住む時に自分の希望する側と一緒に住めた子どもは50%しかいなかった32.5%の子どもは別居親と住みたかったと回答している。これらのことから多くの子どもは両親との離別を望んでいないことが言える。

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https://www.moj.go.jp/content/001343837.pdf

さらに39.2%の子どもが別居後に何らかしらの健康不調を訴え、離婚を経験した子らはメンタルケアや子の権利を守ってくれるような制度を望んでいた。ちなみにこれは後述する連れ去りによる精神的症状にも同じような症状が認められている。

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https://www.moj.go.jp/content/001343837.pdf

基本的に離婚においては子供のメンタルケアを最重要視すべきと考えられるが、この部分のケアは我が国では残念ながらほぼ皆無である。
また、このメンタルケアや「子の権利の尊重」といったことは、子供側からこの調査での要望として挙げられていたにも関わらず、この点は家族法制審議会ではほぼ触れられずに終わった。

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DVについて

Q3 DVでの離婚はどのくらいあるか。

協議離婚では離婚理由の調査がないので、正確な数字はわからないというのが最終的な答え。
ただ法務省の調査によると、だいたい13%-33.0%で、また別調査から簡易的に計算すると大体約4-10%と類推できる。ただこの精神的暴力というところはかなり主観的なもので信憑性が怪しいところではある。ちなみに養育費や親子交流の取り決めに支障をきたすようなDV事案は大体4%前後である。
また、一般常識として他国からの報告ではあるが、離婚案件において親権が争われる場合では虚偽DVの訴えが多くなることが報告されている。詳しくは次項で説明する。

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https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-52.html

男女共同参画による令和5年の「男女間における暴力に関する調査」によると、配偶者からの暴力があったとの回答が25.2%、その結果離婚した人が16.2%であるので婚姻生活全体の4.0%がDVが原因で離婚していることになる。厳密には違うが、わかりやすくよく言われている離婚率35%を使うと、簡易計算で離婚全体の11.4%がDVが原因と言い換えることができる。1、2度のDVだけで離婚することも考えにくいので「何度もあった」のみを対象にすると4.8%となる。

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https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdf
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Q4 離婚案件においては虚偽DV、虐待の訴えが増える。

米国の調査では虚偽虐待の報告は高くて10%前後ですが、親権争いの文脈では36-55%に増加することが報告されています。

また、後述するスペインでEPT法制定後に母親からの虚偽虐待の申し立てが増えたことも報告されています。

さらにカナダで片親疎外が認められた500件の裁判例を解析した論文では、片親疎外(同居親による別居親を嫌うように子を洗脳すること)が認められたケースでの、疎外された親への虐待の申し立てで、本当に虐待が認められた例はわずか1割であったことが報告されています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0190740923003833#b0095

この論文についてはこちらで詳しく解説しています。

世界各国単独親権時代は母親が親権をとるケースが多かったようで、一般的に共同親権になると
・父親は子の養育時間が増えて、それに応じて支払う養育費が減る。
・母親は子の養育時間が減り、受け取る養育費が減る。
ことが報告されており、このことが虚偽の申し立ての動機となり得る。また、元配偶者への子を利用した嫌がらせの文脈のケースもあります。

Q5 「共同親権になったらDVから逃げられなくなる。親子交流で殺される子どもが増える。」は本当か?

これは完全なデマ。以下にそれぞれの反証を詳しく解説する。

(1)単独親権だから逃げられない人が約14%いる。

まず単独親権だから逃げられない人が大勢います。
先ほどの男女共同参画による「男女間における暴力に関する調査」では、DV被害者のうち約4割が「別れたかったけど別れなかった」と回答しています。そのうち、「子供のことを考えて別れなかった」が71.4%います

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https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/r05/r05danjokan-4.pdf

さらに「子供のことで別れなかった」と回答した人のうち「子供を一人親にしたくなかったから」と答えた人が53%(男性では75%)います。そう考えると、単純計算で0.4×0.7×0.5で『暴力を受けた人のうち約14%の人が別れたかったけど、単独親権制度のせいで離婚できなかった』と言い換えることができるかと思います。これは無視できない数値です。

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なおこの調査では、「親権を失い子と離れ離れになるおそれがあったから」と回答した人は男性33%、女性8.1%と男性は女性の4倍であり、女性優位の単独親権制度のため、男性が離婚しにくいということを表していると言えると思います。また興味深かったのは男性側は子どものことや親権の面から離婚を躊躇していることが多く、意外と一人で養育することには不安がない人が多かったこと、女性側は経済面を不安視して別れないケースが多いということ。昨今の男女平等の流れである程度育児に関しても男性も一人での養育ができると考える人も増えたからなのかもしれません。

(2)共同親権導入後DVは減った。

我が国ではまだ導入されていないので比較のしようがないですが、二つの海外の大規模な研究でDVが減ったことが報告されています。

一つ目はこちらの論文です。

https://docs.iza.org/dp13810.pdf

こちらの研究では、スペインでEPT法(Equal Parenting time )が導入されたあと、導入地域ではDVが約50%減少したことが報告されています。
スペインでは2005年に選択的共同親権法が成立し(原則単独親権)、それまで共同親権家庭は11%くらいでした。しかし2009年から2011年にかけて5つの州がEPT法(要は暴力などの証拠がない限り原則共同親権で50対50の監護を行うという法律)の成立後は、共同親権を選択する家庭はわずか5年の間に40%に増加しました。そしてEPT導入地域と非導入地域との比較でEPT導入地域ではDVが50%低下しました。一方で、DVの客観的件数は減りましたが、母親からのDV申立は増えました。これは共同親権にメリットを感じない母親による虚偽の申し立ての可能性が高いと筆者らは推測しています。

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アカリパパ氏のnoteより引用
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アカリパパ氏のnoteより引用

また、もう一つの論文は米国で2013年に行われたこちらの論文になります。

こちらの論文によると米国では共同親権法のある州では共同親権になったあと、夫から妻への家庭内暴力は平均20%減少したと報告されています。
また後で触れますが、男女共自殺率の低下に寄与したとも報告されています。

DVが減った理由としては、別居しやすくなり物理的距離ができたこと、親権が担保されていることによって争いが少なくなったことが挙げられます。

高葛藤事案での暴力の50%は別居後に発生している。

また、紛争が多い離婚には家庭内暴力は伴わないが、初めての家庭内暴力の非常に高い割合(実に50%)が、親の別居中および別居後に発生しているという報告もあり(Fernández-Kranz & Nollenberger, 2020; Halla, 2013; Kruk, 2013)、親権争いで子どもを失うという脅威が対立を悪化させ、暴力を生み出す可能性があるのに対し、共同養育は親の対立レベルの低下と関連していると考えられています。

(3)児童虐待数は共同親権導入後に増えなかった。

まず共同親権導入後に虐待が増えたとする科学的根拠は一つもない。
また共同親権 (監護権を含む)を原則とする法制度は反証可能 (Rebuttable)なものですので、50:50の養育計画が子供の最善の利益にならない場合や、過去の家庭内暴力歴が示された場合は覆すことができます。
HHS(米国福祉保険省)は、50:50の監護分担推定を法制化した州において、児童虐待(child maltreatment)の件数に増加は見られなかったと報告しています ( 米国福祉保健省児童家庭局 “2020年 "Child Maltreatment 2020” , p. 30.)Fabricius (2020)

(4)むしろひとり親家庭では虐待率が3倍以上になる。

下記論文によると2008年頃の調査で児童虐待の35%がひとり親家庭であり、ひとり親世帯の割合は10%前後なので、ひとり親家庭の虐待発生率は両親が揃っている場合の3倍以上ということができる。
この背景には監視の目がないので、虐待が表に出にくいという構造があるかと思われます。
なおこの論文では、対策として母子家庭のサポートをあげているが、根本的な解決にはならず、共同養育がやはり一番であるということは海外の論文からも明らかであると言えると思います。

https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/sh17020105.pdf

おまけ 「DV被害者の多くは女性」の嘘

2001年に制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(いわゆるDV防止法)」の前文では「配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり…」とまで書いてあるがこれは実は世界的に嘘である。

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https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0100000031

まず我が国においては、配偶者からの暴力被害は女性で27.5%、男性で21.9%とほぼ大きな差はない。さらに20代では男女の被害数の逆転現象まで見られる。

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令和5年「男女間における暴力に関する調査」
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実は男女間のDVに差がないというのはすでに世界的に言われている話で、数多くのメタ解析でもはや男女半数くらいという報告が増えている。
(Archer, 2000; Fiebert, 2004; Hamel et al, 2012; Li et al, 2020; Rozmann & Ariel, 2018; Sparrow et al, 2020; Spencer et al., 2021, 2022)

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01926187.2024.2396279#d1e216

さらにいうとDVは約半数が相互性のあるものと言われており、米国の報告では一方向性の暴力の場合、加害者の約7割が女性とまで言われている。
(Whitaker et al., 2007)

Differences in Frequency of Violence and Reported Injury Between Relationships With Reciprocal and Nonreciprocal Intimate Partner Violence
https://ajph.aphapublications.org/doi/full/10.2105/AJPH.2005.079020

おまけに女性のDV被害に遭うことの最も大きなリスク要因は『自身がパートナーに暴力を振るうこと』という研究結果まで出ています。(stith et al 2004) 

Intimate partner physical abuse perpetration and victimization risk factors: A meta-analytic review
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1359178903000557?via%3Dihub

連れ去りについて

Q6 「連れ去りではない。子連れ別居だ。」は正しいか?

嘘です。結論から言うと緊急避難はわずかで大半が単なる連れ去りです。
法務省による令和3年「協議離婚に関する実態調査」によると、別居前に話し合いをした割合が66.3%、そのうちどちらが子どもと同居するか合意が得られていた割合は約7割ということで、単純計算でどちらが子どもと一緒に住むか同意を得られていた別居は約5割しかないという計算になる。

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https://www.moj.go.jp/content/001346482.pdf
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また、話し合いをしなかった人でその理由の1位は「話し合いをするのが嫌だったから」が37.9%で最多であり、DVの緊急避難や、話し合いをすること自体が危険だった割合は足しても8.2%である。
要は子連れ別居のほとんどがDVからの避難ではなく、所謂実子誘拐(連れ去り)に該当する可能性が高いと言えるということ。

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https://www.moj.go.jp/content/001346482.pdf


Q7 「連れ去り勝ちなんてない」は本当か?

一部の弁護士でこれを言う人がいますがこれも嘘です。厳密には必勝ではないですが、かなり有利なのは間違いないです。

2009年にでた日弁連創立60周年記念誌でも、違法な連れ去りが有利になっている現状が記されています。第2章その4より
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/book/commemoration60.html

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https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/books/data/60kinenshi_2_4.pdf

また、弁護士が「親権を獲得したければ別居時に子を連れて家を出ること」を勧めている動画が複数流出しており、連れ去りが有利であるということは異論がないと思います。

さらにデータから見ても連れ去り勝ち傾向は確認されていて、法務省の統計では子の引き渡し調停/審判での認容率(勝率)は26%とかなり低いです。

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https://www.moj.go.jp/content/001347793.pdf

さらに言うと3割の勝率で勝って引き渡しの命令が出ても相手が応じない場合の強制執行の成功率は3割しかありません。単純計算で相手が頑なな場合、子供を連れ去られて戻ってくる確率は9%です。

このことからも連れ去りが親権獲得において圧倒的有利であるというのは間違いないと言えると思います。

Q8 最初の連れ去りは無罪、連れ戻しは犯罪?

そもそも最初の連れ去りも刑法224条未成年略取誘拐罪に当たるとされています。令和5年3月にも警察庁から通達が出ています。

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わかりにくいですが、連れ去り連れ戻しの区別をつけるなということらしいです。

なお平成17年に有罪判決となった例では、以下のような理由で違法性が阻却されるべき事情は認められないと判断されています。
・224条は親権者であっても適用される。
・必要ないのに無理やり環境を変えた。
・幼い子供を今後の養育の見通しのないまま連れ去った。
・かなり乱暴なやり方だった。
現在我が国の運用では勝手に最初の連れ去りは不問で、連れ戻しは有罪ということになっていて、確かにこの例は連れ戻しに該当するのですが、これを見ると本来有罪になった理由に連れ戻しも連れ去りも区別がないのがわかります。

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https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50081

また、議事録などは非公開ではありますが、超党派での共同養育支援議員連盟での会合で、法務省刑事局より「連れ去り」、「連れ戻し」の区別はない旨の説明があったと、会長である自民党の柴山議員の投稿があります。

なので誠に信じ難いことですが、『連れ去り無罪、連れ戻し有罪運用』にはきちんとした法的、判例的にも根拠がなく、実際は警察や検察、弁護士、裁判所が勝手にそう思っていて、なんとなくそういう運用になっているというのが現実なんだと思います。
そして最初の連れ去りでの起訴例が1例もないので、弁護士もタカを括っていまだに連れ去りを推奨しているという実態があります。

Q9 「連れ去りではない、緊急避難だ。その証拠にDV支援措置も認められている。」は正しいか?

まずDV支援措置のみで保護命令の申立てをしていなかったり、警察に被害届等を出していない場合はかなりの割合で虚偽DVだと思って良いと思われます。以下その根拠を述べます。

(1)DV支援措置はDVの事実を証明するものではない

DV支援措置は一方の言い分のみで申請が可能で、DVの事実があったことを証明するものではありません。DV支援措置は配偶者暴力センター等での相談を行なった相談証明書があれば、誰でも発行できます。
厚労省の令和5年3月30日の保険証に関する通達でも、『相談証明書などは暴力の事実を示すものではない』と明記されています。

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https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/kanrentsuchi/pdf/03/231117_03.pdf

また、令和6年1月30日には総務省の通達で、DV支援措置をかけられた相手方の表記がこれまで「加害者」とされていたものが、「相手方」と変更され、また、不服申し立ての手続きを相手方が望む場合はそれができる旨を教示することとされました。ただ実際はまだまだ解除に至る例は多くはありません。

ちなみにこのDV支援措置は1年更新で、なんの証拠もなく、書類手続きのみで延長が可能なので年々対象人数が1万人以上ずつ増えており、2020年時点で15万人を超えています。

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https://iwabuchi-tomo.jp/wp-content/uploads/2021/08/20210524siryo_iwabuchiQ_1.pdf

しかし、一方で実際に加害者とされるものが接近してきた時に逮捕できる効力を持つ保護命令が認められたケースは年間1000〜1500件くらいしかありません。こちらは双方に事実確認を行うプロセスを踏む必要があるものです。

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なお警察庁の発表によると、警察におけるDV事案の検挙は年間700〜800件でした。検挙数にしろ保護命令にしろ、いずれもDV支援措置の申立て数と比較すると10倍前後件数が異なります。

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これらのことから親権争い等のために虚偽のDVでDV支援措置を申請する人間が多くいることが推察されると思います。
実際前述している海外からの論文では親権(監護権)の争いに置いて虚偽DVが増えるという報告が多数あり、虚偽DV、虚偽虐待はもはや離婚案件においては世界共通の常識とまで言えます。
さらに虚偽DVが増えると偏見やリソースの問題で本当のDV被害が埋もれてしまう可能性があるため、虚偽DVは真のDV被害者にまで害を与えてしまいます。

(2)DV支援措置の効果

DV支援措置には住所を隠す効果しかないし虚偽の申請でもなんの問題もないとまで言い放つ弁護士がいますが、実際には問題があります。
・子供を連れ去られている場合は子供がどこにいるかわからない。特定するには探偵などを使わないといけないが、金もかかるし探偵はまずDV事案やストーカー事案では業務を請け負ってはいけないことになっているのでまずハードルが少し高い(実際には連れ去り事案を経験していて理解がある業者さんが多いですが)。
・親権があっても学校の行事に参加できない。同居親からDV被害に遭っていると言われてしまうと学校側としてはそれ以上何もできないというのが現状で、実質子へのアクセスを遮断されてしまう。
・相手がどこにいるのかわからないので、子の引き渡し訴訟や監護者指定の審判の開始が遅れる。(これに関してはDV支援措置を受けていても裁判所が必要と判断すれば行政に開示が可能とする通達が総務省より出ていましたので裁判自体は起こせます。しかし、まずこの通達を理解していない行政や裁判所も実際にあり、さらに行政の取り組みなのでラグがあり、裁判開始は間違いなく遅れます)
・何も知らない人からはDVを受けた被害者のように見える。(これが多分一番重要)

私見ですが、DV支援措置に関しては、保護にはスピードが必要という観点からは最初のブロックはわかりますが、その後は早期(2週間以内とか)に警察などによる事実確認を行い、不要であれば解除されるという仕組みにすべきだと思います。警察にも相談せず、保護命令も申し立てずにダラダラと何年も継続しているのは意味がわかりません。先ほどの弁護士の発言の通り、DVに関しては「住所を秘匿する効果」しかないので、DV支援措置は単体ではDV被害者を救ってくれないからです。

Q10 「誘拐だなんて大袈裟だ。ただ配偶者が愛想尽かして子供を連れて行っただけ」は正しいか?

連れ去りは英語では「Parental Child Abduction(親による子の拉致)」と呼ばれていて、れっきとした犯罪であり、また前述の通り、我が国でも刑法224条未成年略取誘拐罪に当たるとされています。
というのも連れ去りは子どもに様々な悪影響を与えることが様々な海外の論文から明らかになっているからです。
例としてアメリカ司法省から出ているreviewとそれをまとめた私のnoteを貼っておきます。

https://www.ojp.gov/pdffiles1/ojjdp/190074.pdf

実子誘拐による子どもへの影響

前述したnoteからの抜粋でいくつか子どもへの影響を報告します。
Agopian(1984)の研究によると、長期間拉致しされていた子は親に騙されることが多く、居場所を知られないように引っ越しを繰り返す。このような放浪的で不安定な生活のために、子どもたちは友だちを作るのが難しくなり、学校に通うとしても落ち着くのが難しくなった。年少の子どもたちは、連れ去られた親のことをなかなか思い出せず、再会したときに深刻な影響を及ぼした。年長の子どもは、もう一方の親から自分を引き離した誘拐犯と、自分を救い出せなかった置き去りにされた親、両方の親の行動に怒りと戸惑いを感じた。
また、Terr(1983)の研究では、誘拐から回復した後(あるいは誘拐の脅迫を受けた後、あるいは誘拐に失敗した後)に精神鑑定を受けた18人の子どものサンプルが報告されている。ほぼすべての子ども(18 人中16人)が、その経験から感情的に苦しんでいた。その症状には、残された親に対する悲しみや怒りが含まれ、さらに誘拐した親によって行われた「精神的洗脳」にも苦しんでいた
同様に、全米行方不明・被搾取児センター(NCMEC)の事例から抽出した104件の親による誘拐のサンプルを対象とした別の研究では、連れ戻された子どもの50%以上が、誘拐された結果として精神的苦痛 (不安、摂食障害、悪夢など)の症状を経験していることが明らかになった(Hatcher, Barton, and Brooks, 1992)。
Senior, Gladstone, and Nurcombe (1982)は、連れ戻された子どもは、しばしば制御不能な泣き声や気分の落ち込み、膀胱や便意のコントロール不能、摂食・睡眠障害、攻撃的行動、恐怖心に苦しんでいると報告している。
他の報告では、他人を信頼することの難しさ、引きこもり、仲間関係の悪さ、退行、親指しゃぶり、しがみつき行動(Schetky and Haller, 1983)、
権力者や親戚に対する不信感、個人的な愛着に対する恐怖(Agopian, 1984)、悪夢、怒りや憤り、罪悪感、成人期における人間関係の問題(Noble and Palmer, 1984)などが、拉致のトラウマとして記録されている。
また、Greif (1998a, 1998b)は、1989-91年に実施された最初の横断調査で調査対象となった被害者の親に再連絡をとり、再統合から数年後の子どもの様子を調査した。1989年に調査された当初の371人の親のうち、1993年の調査(Hegar and Greif, 1993)では69人、1995年の調査では39人が再連絡を受けた。1993年の調査では、ほとんどの親(86~97%)が、子どもは健康で、 行動や学業成績は満足または非常に満足であると回答した。これらの子どものうち、約80%が何らかの精神保健サービスを受けていた
まとめると
・実子誘拐は多くの子どもにとってトラウマになる。
・不安、摂食障害、悪夢、愛着障害、対人トラブル、親への不信感、怒りなどが報告されている。
・実子誘拐の期間、容態などがその後の状況に関与する可能性がある。
・連れ戻された子はおおむね予後良好であったが、それでも多くの子どもが精神保健サービスを受けていた。

連れ去りによる連れ去られた親への影響

子の連れ去りは当然連れ去られた親にも悪影響を与えます。これまで一緒にいた大切な子どもと突然会えなくなってしまうわけなので。
連れ去られた別居親に関しても悪影響を与えたという報告が当然ありますのでいくつか紹介します。

GreifとHegar(1991)らによると、行方不明児団体に登録している置き去りにされた親を調査した結果、置き去りにされた親が喪失感、怒り、睡眠障害を経験しており、これらの親の半数は、孤独感、恐怖 、食欲不振、重度の抑うつを訴えていました。このグループのうち、50%強がこの状況に対処するために専門家の助けを求め、置き去りにされた親の4分の1がうつ病の治療を受け、4分の1が不安やその他の問題の治療を受けたと報告しています。

Forehandら(1989)はまた、誘拐された子どもの親が、子どもが行方不明になっている期間は心理的障害のレベルが高く、子どもが戻ってからはいくらか軽減されたと報告しています。また、仮に子どもが返ってきたとしても疑心暗鬼は続きます。
Hatcher, Barton, and Brooks (1993)によると、調査対象となった置き去りにされた親のほぼ4分の3(73.1%)が 、自分の子供が再び誘拐されるのではないかという懸念を抱いていることを報告しています。

さらに実子誘拐は連れ去られた親に経済的負担を強いる可能性があるとも報告されています。Janvier, McCormick, and Donaldson (1990)は、誘拐されたた子供の捜索にかかる平均費用は、国内ケースでは8,000ドル以上、国際ケースでは27,000ドル以上であることを明らかにしています。(1990年のドル円レートがだいたい1ドル144円でしたので円換算するとだいたい国内ケースで115万円、国際ケースで388万円くらいになります。)
また別の国際的な誘拐に関する調査では、親が費やした費用は平均で誘拐された子供の捜索と奪還に33,500ドル(1990年ベースで約482万円)。
そしてすべての所得階層において、半数以上の親が、子どもを取り戻すために自分の年俸と同額かそれ以上を費やしたと報告しています(Chiancone and Girdner, 2000 )。文献は下記アメリカの司法省のOffice of Juvenile Justice and Delinquency Preventionのreviewより引用。

https://www.ojp.gov/pdffiles1/ojjdp/190074.pdf

DeepLに突っ込んで日本語訳したものがこちら


おまけ 海外からの実子誘拐における海外の対応

近年海外からはものすごく日本の実子誘拐は非難されています。
海外から行われたこと一覧をまとめたポストを以前しており、ツリーにソースもつけていますのでよければご一読ください。

養育費について

Q11 「共同親権とか言う前に養育費を払っていない男が多すぎる。まずはそれをなんとかするべきだ」

レスバ的観点から行くとまず養育費を払っていない割合は女性の方が多いです。母子家庭の養育費受容率は28.1%で父子家庭では8.7%です。(令和3年 全国ひとり親世帯等調査により)。また、養育費の支払い率は3割と言われていますが、取り決めがある場合は6割に跳ね上がります。

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まず母子家庭において現状、養育費の取り決めを行なっていないケースが約5割あり、取り決めを行わなかった理由として「相手と関わりたくない」が最多で、「取り決めが煩わしい」と合わせると約4割にもなります。
なおDVなどが問題となったケースは約5%です。

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これらのことからまず取り決めを行えば養育費はかなりの確率でもらえると考えて良いと思います。なので解決策としてはまず「離婚前にしっかり話し合え」ですなお、養育費が途絶えた約2割に関しては、親子交流が途絶えた割合とかなり数値的には近く、鶏が先か卵が先かわかりませんが、どちらかが消失したためもう片方も消失した可能性が高いと思われます。親子交流と養育費支払い率の関係については後述します。

あと個人的には養育費に関しては算定表によって年収から機械的に決まり、すでにシミュレーターがネット上に存在するので弁護士を入れるメリットをあまり感じません。

参考 令和3年 全国ひとり親世帯等調査結果
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf

Q12 「養育費未払いのやつは刑事罰にすべきだ」

養育費の未払いに対する刑事罰(収監)などの罰則がある国は基本的に親子交流を不当に拒否した者への刑事罰も同様にあるケースが多い。(例 英国 下記文献のP66 参照、ドイツP 113 参照など)。私見ですが、日本みたいに親子交流をブッチしてもなんのお咎めもない国では多分成立しない制度だと考えられます。
ちなみに刑事罰にしたり収監したりすると職を失ったり、別にそれで養育費の支払い率が劇的に上がったという効果はなかったと言われているので、懲罰したいという感情は満たされるかもしれないが、子どものためになったかと言えば疑問が残る。実際、制度上はそういう仕組みになっていてもそのような措置を受ける例はかなり稀だそう。

法務省 「父母の離婚に伴う子の養育・公的機関による 犯罪被害者の損害賠償請求権の履行確保に係る 各国の民事法制等に関する調査研究業務報告の公表について」https://www.moj.go.jp/content/001348073.pdf

Q13 親子交流の頻度と養育費支払い率に関係はあるか?

親子交流の頻度と養育費支払い率には正の相関関係がある。
2018年の子育て世帯全国調査によると月1回以上の交流で養育費受取率が36%で、交流がゼロだと10%にまで低下しています。

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なお、養育費受取り率は児童扶養手当の年収制限のせいで間違いなく未申告勢がいます。母子家庭の貧困が昨今では騒がれていますが、手当が十分に加味されていなくて、また養育費虚偽申告の罰則がないため、間違いなく実際の支払い率と異なっています。詳しくはこちらのnoteで考察していますので時間がある方は読んでみてください。個人的には支払い側にも調査すべきと以前から考えています。ちなみに父子家庭については平均年収が400万円以上で、そもそも年収制限に引っかかっているケースが多いので未申告のインセンティブがなく、残念ながらあの8%は実態とそう乖離はしていないと思われます。

また、他国からの報告書も多数あり、ドイツでは養育費の支払い率は70%であるが、頻回の親子交流がある場合は85%と増加し、全く交流がない場合は40%に落ちると報告されており(下記文献のP115参照)、アメリカでも年に一度も会っていない場合の養育費全額受取り率は31.7%で、会っている場合は52.1%と明らかに違いがあります(下記文献のP31参照)。

法務省 「父母の離婚に伴う子の養育・公的機関による 犯罪被害者の損害賠償請求権の履行確保に係る 各国の民事法制等に関する調査研究業務報告の公表について」より

https://www.moj.go.jp/content/001348073.pdf

共同養育計画策定、頻回の親子交流が養育費支払い率向上の1番の近道

ここまでみてお分かりのとおり、養育費の支払い率が低いのは取り決めを行なっていないからであって、その有効な対策は未払いの親に刑事罰を課すことでも、養育費のための弁護士費用を公費で負担することでもありません。
日本の離婚の9割が協議離婚と言われていますので、離婚時に共同養育計画提出を義務付ければ少なくとも0.9×0.6で5割強の支払い率は見込めます。
あとは子を継続的に別居親にも養育させることです。

親子交流について

親子交流の意義について

語るまでもないかなと思いましたが、一応書いておきます。
本邦でも、親子交流をしていなかった子はしていた子や両親が揃っている子と比較して自己肯定感が低く、親和不全が高いと報告されています。

https://oyakonet.org/documents/paper20110529.pdf

詳しくは共同親権と単独親権の比較の項で扱います。

Q14 「子供に会いたければ面会交流調停を申し立てろ。それでも会えない場合はそいつが悪い」

完全なデマ。事件を増やしたい離婚弁護士のポジショントークが大半。
端的に言うと調停を申し立てたところで約3割しか会えていません。
さきほどの全国ひとり親等調査によると取り決めがない場合の面会交流実施率は30.2%ですが、裁判で取り決めを行なっても継続して守られている割合は35.4%しかありません
ぶっちゃけやってもやらなくても変わりがないです。

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また、養育費については取り決めが守られない場合は給料や資産の差し押さえといったことが近年では比較的容易にできるようになりましたが、面会交流に関しては、先ほどの世田谷区での離婚セミナーにあるように「具体的な日時、場所などの指定が入っていない判決や取り決めは破っても罰則が働かない」という謎のローカルルールによる抜け道があり、弁護士を使って裁判している人は特に決まりを無視する傾向にあります。協議離婚のケースと取り決めを守る割合が20%以上差があるのはおそらくそのためです。

そもそも裁判所を通すと月1回数時間が相場なので基準がここになります。
後述しますが基本的にこの基準には何の科学的エビデンスもないですし、さらに言うとこれまで毎日一緒にいた親子からすると到底納得できるレベルではありません。

DVなどが問題になるケースはごくまれ

母子家庭が面会交流をおこなっていない理由ですが、DVなどが問題となりケースは1-3%と極めて稀で一番の理由は不詳(52.1%)です。養育費のケースから考えるとおそらく相手に関わりたくないからとかそういう理由だと推測できます。

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基本的に母親の方が取り決めを守らない傾向にある

先ほど母子家庭での親子交流の実施率は約3割であることを説明しましたが、父子家庭においては48%で、取り決めがあり場合は6割強です。
先ほどの養育費の話もですが、養育費においても取り決めがあっても守る母親の割合は3割ほどしかいません。つまり別居親だろうが、同居親だろうが母親のほうが父親より決まりを守らない割合が多いという話になってしまいます。

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Q15 「親の仲が悪い場合は会わせることがかえって子どものためにならない」

そういった科学的根拠はない。
両親の間が高葛藤である場合でさえ、共同親権は単独親権よりも、素行面、心理面、身体面そして学業面の全ての指標で子供の幸福にとって良い結果をもたらし、子供と両親・両祖父母との関係も良好にすることがわかっています。親子関係の質は、両親間の葛藤よりも、子供の長期的な生育結果を良く予測するファクターです。
Fabricius & Leucken (2007); Nielsen (2017 & 2018); Harmon, et al. (2022); Fabricius & Suh (2017)
そもそも何度も言っているようにどちらか一方に親権の大半を渡すことそのものが争いを生む構造になっています。原因と結果が逆。

単独親権VS共同親権

 Q16 どちらが子のためになったか

共同親権の方が優れていたという論文は多数出ている。その中でも代表的な強力なエビデンスとなっているものを2つ紹介する。

一つは2018年にニールセンという人が出した単独親権と共同親権を比較した60の論文のメタ解析を行なったものである。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10502556.2018.1454204#abstract

この論文では、3つの論文データベースから「joint physical custody, shared parenting」などのキーワードで検索し、共同親権と単独親権を定量研究を抽出した。抽出された論文は60で、バイアスを避けるため全件を調査対象とした。53件が査読論文で7件はオーストラリア政府による報告で、調査した子の福祉「well-being」に応じて5種類に分類され、評価された。

(1)学業および認知能力
(2)感情および心理学的側面(うつ、不安、不満、自尊心)
(3)問題行動(家や学校での不品行、多動、薬物、タバコ、アルコール)
(4)身体の健康・ストレス起因の身体症状(不眠、消化不良、頭痛)
(5)親子関係(コミュニケーション、心理的距離)

その結果、48/60 (80%)で共同親権が優れていたという結果的になり、単独親権の方が全て良かったという結果は一つもなかった。

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アカリパパさんのnoteより引用

また、夫婦の葛藤を補正した19件の研究でも14/19(73.6%)で共同親権が優れていたと報告されている。

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もう一つの論文は2016年にBaudeらによって報告された論文である。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10502556.2016.1185203#abstract

この論文でも、単独親権と共同親権を比較した19件の論文のメタ解析を行なっている。

研究方法

  • 1986年から2013年に発表された19の研究を分析対象とし、合計36,439人の子どもを調査(JPC:4,214)

  • 16の横断研究と3つの縦断研究を含み、66の効果量を評価。

  • 子どもの年齢範囲は3~18歳、親の離婚後の期間は24~96ヶ月

評価項目

  • 行動的適応(Behavioral Adjustment) :

  • 社会的適応(Social Adjustment) :

  • アルコール・薬物乱用(薬物乱用)

  • 家族関係(Family Relationships)と情緒的適応(Emotional Adjustment) :

結果

・共同親権が全般的に優れていた。ただ効果は小さかった。
・50:50の監護に近いほど効果があった

少なくとも共同親権vs単独親権を調べた論文では基本的に共同親権が優勢で単独親権に固執する理由は一つもない。
なおここでの共同親権とは最低でも子どもと3分の1以上の時間を過ごすことであることに留意が必要。日本の骨抜き共同親権で親子が会う相場がもしこれまで通り月1回とかだと共同親権のメリットについては何も受けられない可能性がある。

Q17 「婚姻中に共同できなかったのに離婚後にできるはずがない。」

Q15にも重なる部分があり、先ほどのニールセンの論文でもそうでしたが、両親の間が高葛藤である場合でさえ、共同親権は単独親権よりも、素行面、心理面、身体面そして学業面の全ての指標で子供の幸福にとって良い結果をもたらし、子供と両親・両祖父母との関係も良好にすることがわかっています。親子関係の質は、両親間の葛藤よりも、子供の長期的な生育結果を良く予測するファクターです。
Fabricius & Leucken (2007); Nielsen (2017 & 2018); Harmon, et al. (2022); Fabricius & Suh (2017)

Q18 「婚姻中に育児をしなかったのに離婚後にできるわけがない。」

これは主に女性から男性に対して言われがちなことであるが、反論していく。
まず育児能力に男女差はないと言われている。

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https://medical.jiji.com/news/57906

もっというと現代日本では男性はOECD諸国の男性の平均労働時間の1.42倍の時間働いているので物理的な養育時間がそもそも少ないのはその分労働しているからと言える。

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https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-c01-01.html

さら共働き世帯では男女の有償労働と無償労働の合計時間はほぼ同じくらいであるが、専業主婦世帯においては夫の方が合計労働時間の方がむしろ長い。

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さらに2012年と古いデータではあるが、夫より稼ぐ妻は約5%しかいないという結果が出ており、このことから男性の育児時間が短いというのは単に外で金を稼ぐ役割の大部分を男性が担っているからという話であり、共同親権になるということは男性は労働時間を減らし、育児時間を増やすことであり、女性に関しては育児時間を減らし、労働時間を増やすということなのである。

Q19 共同親権が子どもによい結果をもたらすのは単なる相関関係であって、因果関係ではない?

日本だとまずこの議論にすら至っていないのですが、海外ではこのような疑問が出ていたこともありました。要は共同親権を選ぶような家庭は高収入、高学歴、両親の葛藤が低いなどポジティブな要因を持つ家庭が多いから良い結果が出るのではないかと言われていましたが、こちらも社会経済的ないずれの階層においても共同親権が一般的となっている国で、共同親権の効果を測定することが可能な先進的な統計解析を行って否定されました。
Does joint physical custody "cause" children's better outcomes?
Journal of Divorce & Remarriage 59(5), 452-468.

Q20 「共同親権は両親の葛藤を高めてしまう。」

両親の葛藤を高めるという主張を支持する科学的根拠は何もない。
共同親権を行なっている父母は葛藤が少ないケースが多い。
Bauserman, 2012; Kruk, 2013; Nielson, 2017 & 2018

A meta-analysis of parental satisfaction, adjustment, and conflict in joint custody and sole custody following divorce.
Journal of Divorce & Remarriage. 53(6), 464-488.

Q21 「両親の家を行き来することは子どもの負担であり、子どものためにならない。」

2つの家を行き来することは時に不便なことはあるが、それが子どもの害にならないことが証明されている。「両方の親の家それぞれに、同じ日数だけ宿泊をするようにすることで、長期的な母子関係にも父子関係にもよい効果があった」ということがわかっています。
Fabricius & Suh (2017); Fransson et al. (2018); Warshak (2014)

Should infants and toddlers have frequent overnight parenting time with fathers? The policy debate and new data.
Psychology, Public Policy, and Law 23(1) 68-84.
https://psycnet.apa.org/record/2016-56883-001

What can we say regarding shared parenting arrangements for Swedish children?.
Journal of Divorce & Remarriage. 59(5), 349-358.
https://psycnet.apa.org/record/2018-23993-001

その他

親権を失った男性の自殺率は高い

離婚時に男性が親権を失うことは、離婚時の男性の精神状態や健康状態の著しい悪化と関連することが示されている。

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/019251393014003003

また、先ほどのHalla氏らの報告でも、米国で共同親権導入後に男性の自殺率が9%低下したことが示されている。

ひとり親家庭は非行率が高い。

前述した単独親権と共同親権の比較論文でも言われいるが、単独親権家庭では有意に非行率が高い。令和5年版 犯罪白書の少年院の入所者の保護者別の構成を見ると、なんと男女とも実父母が揃っている家庭よりひとり親家庭の人の方が多いのである。ひとり親家庭は約10分の1にもかかわらずである。これだけでも非行率が10倍以上なのがわかる。ちなみに割合からすると義父実母の組み合わせも実父母に比べるとかなり多い。
これは連日報道されている実母とそのパートナーによる児童虐待のニュースを見るからにも理解できそうな話ではある。
要は義父は実父の代わりにはならないのである。

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https://www.moj.go.jp/content/001410106.pdf

単独親権は子どもの権利条約、女子差別撤廃条約に違反している。

1989年に採択され、我が国には1994年に導入された子どもの権利条約においても、第9条で親がやばい人でなければ『父母の意思に反して子が分離されないことを確保する』、『いずれとも定期的な人的関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する』とされています。

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また1979年に採択され、我が国では1985年に批准された女子差別撤廃条約の第5条(b)にも『子どもの利益を最初に考慮すること』と書かれています。

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https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/joyaku.html

現在の単独親権制度は前述したとおり、7割近くの親子断絶を生み、また子の意思にも当然反しており、これらの条約にも違反しています。

親権争いは生産性を損ね、社会全体に損害を与えうる。

面白い論文を見つけましたので紹介させていただきます。これは2023年に米国で出た論文で、親権争いとそれに伴い生産性の低下、社会への影響について検討したものです。論文中で紹介されていましたが、ある報告によると親権争いによる生産性の低下によって米国のGDPの1〜2.5%が失われていると言われているようです(推定2000〜5000億ドル)。また親権争いによって、遅刻、欠勤、医療費の増大(不安、うつなどの治療のため)、集中力の低下、決断力の低下などが見られると言われており、この研究の参加者は56%仕事での生産性が低下していたと報告されています。親権争いの渦中にいる人が約2600万人と推計されていたので、2023年時点での米国の平均給与5万8563ドルと合わせると米国企業に8790億ドルの損害を与えている計算になると推計されています。

WHAT IS THE IMPACT OF CHILD CUSTODY DISPUTES AND MENTAL/EMOTIONAL HEALTH ON EMPLOYEE PERFORMANCE AMONG EMPLOYEES OF UNITED STATES CORPORATIONS?
https://business.fiu.edu/academics/graduate/doctor-of-business-administration/docs/2023/casey-sowers.pdf


片親疎外について

片親疎外とは端的に説明すると「子と同居している親が子を洗脳して別居親を嫌うよう仕向けること」です。共同親権国ではもっぱら現在の課題はこの片親疎外の問題です。ここはまだ根強い反対論もありますが、ここ10年くらいで急速にエビデンスが集積しつつあります。

Q22 「片親疎外は似非科学だ。」

片親疎外に関する記事や書籍はすでに1000件以上存在し(Vanderbilt University Medical Center, 2017)、ハーマンらは
「親子関係の疎外に関する研究の現状は、成熟しつつある科学的探究分野の 3 つの基準を満たしています。つまり、文献の拡大、定量的研究への移行、理論に基づく仮説を検証する研究の増加です。親子関係の疎外に関する研究の約 40% は 2016 年以降に発表されており、この分野が科学的発展の初期段階を過ぎ、科学的に信頼できる知識基盤を生み出していることが立証されています。」と結論付けている。
つまり、多数の査読付き論文があり、もはや科学的根拠のある話であるということができるだろうという話。

Losses experienced by children alienated from a parent. Current Opinion in Psychology, 43, 7–12.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352250X2100066X?via%3Dihub

Q23 「アメリカ心理学会などでは片親疎外は正当な科学概念として認めておらず、DSM-5-TRでも症候群として取り上げられなかった。」

DSMには確かに症候群として追加されなかったが、運営委員会のメンバーは、その理由として「親子関係の問題の説明にはすでに「片親疎外」と呼ばれることが多い種類のやりとりが含まれている(L. Yousif、2023年7月27日)」、「現在の説明には、一方の親と子どもの関係がもう一方の親からの圧力によって悪影響を受ける可能性がある状況が含まれている」ことを挙げた。要は現象としてはすでに存在しているが、特異的な症候群ではないということ。
また、2022年にアメリカ心理学会では家族法手続における子どもの監護評価のガイドラインを発表しているがその中に、「親の疎外行動の存在など」という項目が含まれている。
よって専門組織から概念自体が否定されているというのは明確な間違い。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/01926187.2024.2396279#d1e216


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コメント

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Bear_PAPCAJP
Bear_PAPCAJP

大変便利です。ご尽力助かります。
海外論文は日本の家裁は無視してくるので、似たようなエビデンスを日本の子どもの例から作る必要がありますが、子ども家庭庁はあっち側に乗っ取られているので、家裁を含め悉皆調査が難しい。今後、成育医療センターからの公衆衛生のドクターからでる論文が重要になると思います。

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親権問題について海外の論文を紹介していきます。
共同親権エビデンス集|連れ去られ夫
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