連載

RADIO DAYS 100

1925年に始まった日本のラジオ放送が、100年の節目を迎えます。ラジオスターらと次の100年に向けた可能性を考えます。

連載一覧

RADIO DAYS 100

DJ草分け・小林克也さん「ラジオはいま、すごい危機を迎えている」

ラジオの原体験やDJとしての歩みを語った小林克也さん=東京都渋谷区で2025年2月13日、藤井達也撮影

 ディスクジョッキー(DJ)の草分け、小林克也さん(83)は、ラジオの本場アメリカの手法を取り入れながら独自にアレンジしたスタイルで先頭を走り半世紀を超えた。だが、小林さんは日本のラジオ放送が始まって100年を迎える現在の状況を「危機」と捉え、「冗談じゃない100年だね」と語る。【井上知大】

「やっぱり勉強しなきゃダメだな」

 <バイリンガルDJとして知られる小林さんだが、その原体験は幼少期から一番のおもちゃだったというラジオから聞こえる英語と音楽だった>

 うちのラジオは高い棚の上に鎮座してあって、食事時にはよく鳴っていました。母は中学の教師で、僕が小学校から帰宅すると誰もいないから、ラジオを触って遊んでいました。背が届かないので椅子を台にして。ダイヤルは、だいたいNHK(の周波数)に合わせてあったけど、それをちょっとひねると、韓国語とか中国語とか、ロシア語とか、もちろん英語も、いろんな言葉が聞こえる。

 敗戦から間もない頃だから、日本をターゲットにプロパガンダで放送電波を飛ばしていたんじゃないかな。そういうのが面白くて、僕にとってラジオはすごいおもちゃだった。中学生になると、…

この記事は有料記事です。

残り3973文字(全文4466文字)

全ての記事が読み放題

春得最初の2カ月無料

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

この記事の筆者

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月