これは別に言ってもいいかな、ジャンルは手広くやってるけど、今は主にホラー。
私はわりと積極的に、自分が触れた映画とかマンガとかのコンテンツの感想をSNSで日常的につぶやく方の作家です(作家は他人の作ったものにはあれこれ言うべきではない、あくまで作品で語るべきという主義の人もけっこういる)
コメント対象の中には、自分に近いジャンルの小説も含まれてて、下手なことを言うとブーメランになる(エラそうなことを言ってるけどお前自身はどうなんだ?)のは分かってるけど、自分を追い込む意味でもいいかなと思って続けてます。
そういう活動の一つとして、数カ月前にとある作家さんの作品についてSNSで感想を書きました。
完全な新人ではないんだけど、もともと別ジャンルで活動していて、その作品で初めて私と似たような分野に挑戦することになった、という経歴の人です。実をいえば、私はお名前自体その本で初めて知りました。
で、感想の中身なんですが。
メインギミックのやりたいことは分かるけど、表現がそれにあんまり追い付いていない。これは以前に書いていたジャンルのクセが抜けてないんじゃないか。
正直、良くも悪くもそこまで強い印象に残った作品ではなく、私にとってその時は、あくまでその他大勢の中の一つでしかありませんでした。
しかしその直後、私の感想がどうも作者さんの目に触れたらしいことが、作者さんのポストで分かりました。私の名前こそ出していないものの、明らかにそれと分かる形で言及されていたのです。
私自身プロ作家ですから、ペンネームや作品名でエゴサすることは日常茶飯事ですし、自分の感想が相手に届いてしまうことも常に覚悟していたつもりです。
俺の元ジャンルのこともきっと見下しているに違いない。
…とすごい剣幕でした。
繰り返しますが、当該作品への私の感想はせいぜい、自分にはあまり合わなかったという程度のもので、批判でさえありません。それでここまで過剰な反発を引き起こしてしまうとは、非常に驚きました。
それに、こんなことはあまり言いたくありませんが、作家としての総合的な実績で見れば、その作家さんより私の方がはるかに上です。嫉妬などあるはずもないでしょう。
また、私がAmazon等で低評価レビューを扇動しているかのような匂わせポストもありました。
恐らく、私の感想と似た指摘をしているレビューが多数あったことを根拠にしてそのように考えたのでしょうが、的外れもいいところです。それは単に、私の感想が作品の妥当でありふれた評価の一つでしかなかった、という証拠と考えるべきでしょう。
きっと本心では扇動どころか私自身が複アカで自演していると言いたかったのでしょうが、低評価しているアカウントの多くが数年前からレビューを続けている上に「Amazonで購入」が付いていたせいで捨てアカ認定できず、仕方なく扇動疑惑を主張したのだと思われます。
(これは余談ですが、むしろ絶賛レビューを付けているアカウントの方に、作ったばかりの捨てアカらしきものが複数確認されたのですが、これは気のせいでしょうか…)
ここまでなら、相手の自意識過剰に困惑と苦笑で済んでいたのですが、その後も作者氏の「同業者」に対する嫌味はいっこうに止まることがありませんでした。
最近では、
同業者なのだからパーティーなどで実際に顔を合わせる機会もある
というような、何らかの行動を匂わせる発言もするようになり、呑気な私もさすがに恐怖を覚えるようになりました。
幸いなことに、私は当該作品の版元である出版社でも仕事をしているので、担当編集者に仲裁をお願いしてみたのですが…
なにぶん巨大な出版社であり、件の作家氏が本を出しているレーベルは実質的な別部署となるとのこと。そのため、直接どうこうすることはできないみたいです。
さて、どうしたものか。