新宿署の代表と同番号から不審電話相次ぐ「名前や所属確認を」
警視庁新宿警察署の「代表」と同じ電話番号から、特殊詐欺など犯罪との関連が疑われるが相次いでいます。
数日前から続いていますが、発信元などはまだ不明で、新宿警察署は「電話番号だけで信用せず、相手の名前や所属などを確認してほしい」と呼びかけています。
警視庁によりますと「新宿警察署の代表番号から電話がかかってきた」という相談や問い合わせが今月11日ごろから相次いで寄せられています。
新宿警察署によりますと、相談などの件数は、14日だけで100件以上、4日間の合計で少なくとも550件にのぼっているということです。
40以上の都道府県で確認され、ほとんどが携帯電話にかかってきているということです。
末尾が「0110」の警察署を装った番号が特殊詐欺グループなどからの電話で表示されることは以前からありましたが、これまでは番号の前に「+」と「国番号」が表示されるケースが多く、ニセの電話と見抜くことができました。
今、相次いでいる電話にはこれらの特徴がなく、番号をどのように偽装しているかや、発信元など、くわしいことはまだわかっていないということです。
電話に出ると、警察官を名乗る人物が出てきて「あなたの口座や携帯電話が犯罪に利用されている」などと不安をあおるということです。
最近急増している警察官をかたった特殊詐欺の手口とみられています。
新宿警察署の浅見英之生活安全課長は「新宿署からの番号であっても、まずは落ち着いて相手の名前、所属部署、内線番号などを確認してください。必ず電話をいったん切るようにお願いします。その上で、家族や知人に相談したり、最寄りの警察署に相談してください」と話していました。
愛知県に住む40代の女性のスマートフォンには14日朝、実際に新宿警察署の「代表」と同じ番号から電話がかかってきました。
ふだんから詐欺に気をつけているという女性は、知らない番号や国際電話の番号から着信があってもすぐに出ることはせず、ネットで検索して調べるようにしています。
けさの着信は番号の末尾が警察でよく使われている「0110」だったため、女性は「何かあったのか」と少し緊張しながら、そのまま電話に出たということです。
相手は若い男性の声で「新宿警察署の捜査2課」を名乗りました。
女性の氏名も知っていたということです。
そして、「奈良県警から捜査要請があって電話をしている。あなたの口座が、詐欺に使われたので、奈良県まで来て捜査に協力してほしい」などと求めてきました。
不審に思った女性が電話を録音しようとしたところ、相手は察知したとみられ、すぐに電話を切ったということです。
女性は「ふだんは知らない番号からの電話には出ませんが、警察署の番号だったので少しドキドキして、信じてしまう危険性も感じました」と話していました。