「薬物3種を同時に飲ませ、悪質」元介護職員に懲役17年求刑 老人ホーム女性殺害、長野

長野地裁
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長野県塩尻市の老人ホームで2022年、女性入所者=当時(77)=に向精神薬を飲ませ、薬物中毒死させたとして、殺人などの罪に問われた元介護職員、望月大輔被告(42)の裁判員裁判論告求刑公判が14日、長野地裁松本支部であり、検察側は懲役17年を求刑した。弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は26日。

検察側は論告で、医師の鑑定結果で犯行に影響を与える精神の病気はなく、完全責任能力があったと指摘。入所者の安全を守る立場であったのに、より作用を強めるため3種類を同時に飲ませたとし「態様は危険で悪質だ」とした。

弁護側は最終弁論で、心神喪失状態で責任能力がなかったと反論した。投薬と死亡結果との因果関係がなく、殺意もなかったとし「殺人罪は成立しない」と訴えた。

起訴状によると、22年5月28日ごろ、勤務していた施設で入所者の前田裕子さんに向精神薬を飲ませ、同29日ごろ薬物中毒で死なせたとしている。

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