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[インタビュー]「FFXIV」の最新アップデートは過去最大級のボリュームに。パッチ7.2「永久の探求者」について吉田直樹氏に聞いた
https://www.4gamer.net/games/199/G019924/20250227049/



吉田氏:あと,これはコンテンツではなく,運営上で皆様にご迷惑をおかけすることになりましたが……。僕自身,MMORPGを長くプレイしてきて,開発運営側がネガティブを先回りしてシステムを作るのはあまり好きではないのですが,ブラックリストの強化は世界中から長年要望が寄せられていました。

ただ,難しいことではあると理解しているものの,一時的にそうしたシチュエーションがあったとしても,話し合いでの解決や,ゲーム側からのペナルティという要素もあります。これを踏まえても,他人を完全にシャットアウトするといったレベルにまで機能を拡大したくなかった,というのが正直なところです。

とはいえ,(FFXIVの)規模も拡大して,世界中でプレイしていただいていることを考えると,強い拒絶機能というのは仕方がない部分なのかな,と。結果,アカウントに紐づけられているキャラクターは一括で処理されるシステムとなりましたが……。



4Gamer:そこを持ちキャラの情報を引っ張り出すという。



吉田氏:引っ張り出す,とは正確には違っていて,当該の外部ツールを使っているプレイヤーが出会ったほかのプレイヤーキャラクターのIDを外部に蓄積して……といったものです。このツールを使用している人が数十人であっても,一回のプレイですれ違うゲーム内キャラクター数は軽く数百を超えますので,それを蓄積して……というものです。

先日のPLLの冒頭でもお伝えしましたが,もちろん対策は取っていきます。ただ,根本的なことを言えば,このアップデートしたブラックリスト機能自体をゲームから取り外す,というのが一番の対策になってしまいます。もちろん,先日のフォーラムでもお伝えしたとおり,これによってプレイヤーのみなさんの住所や支払情報といった個人を特定できるような情報には絶対にたどり着けません。ゲーム中でそういったデータのやりとりは,当然ですが行っていないからです。しかし,これから「みんなで遊べばさらに面白い!」というものを作ろうというときに,ブラックリストなどの機能は必要だとも思うのです。

「悪用されないようにシステムを作るのがお前らの仕事だろ」とはごもっともです。しかし,考えうるすべての手段を実行できるかと言われたらそうではないのも事実で,我々は法律を守ってシステムを作らなくてはなりませんが,破壊する側はお構いなしに攻撃してきたり,ツールを制作してきます。僕自身,エンジニアとしても,開発者としても,企画者としても,ゲームは楽しいものですし,ポジティブな経験こそすべてと考えているので,今回の件は非常に複雑な心境で対応を指揮しています。この歳になって気づかされたというか,この仕事の楽しさと怖さを,あらためて思い知ったという感じです。

とはいえ,お話ししたように,機能をなくしてしまえばいい!とは思っておらず,できうる対策を重ねていきます。どうぞご安心ください。また,繰り返しとなりますが,お住まいの住所や決済情報等は,ゲームとはまったく切り分けて,安全に管理させていただいておりますので,この点もご安心ください。





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