JR貨物の電気機関車「銀釜」、14日に定期運用終了 74年製造
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銀色の車体が特徴で鉄道ファンから「銀釜」の愛称で親しまれているJR貨物九州支社門司機関区の電気機関車「EF81形303号機」が今春のダイヤ改正を前に14日で定期運用を終える。 【写真特集】「銀釜」の愛称で人気の「EF81形303号機」 303号機は海水や湿度で腐食しないよう車体をステンレス板で覆っていたため、鉄道ファンの間では「銀釜」と呼ばれ、親しまれてきた。 EF81形300番台の電気機関車は1973~74年に、山口県下関市と北九州市門司区を結ぶ海底トンネル「関門トンネル」専用の電気機関車として製造された。現存するのは74年に製造された303号機のみになっている。 国鉄時代は関門トンネル専用だったが、民営化後に線路の状態が改善されるなどして長崎県を除く九州各地を走行し、総距離は約313万キロに上る。自動車の部品などの工業製品や工業原料のほか、ジャガイモやタマネギなどの野菜や米、生活雑貨などさまざまな物を運んできたという。 「銀釜」の303号機は老朽化などを理由に定期運用から離れる。今後は最新型の電気機関車「EF510形300番台」に置き換わるが、特徴のある銀色の車体は継承される。 JR貨物九州支社の担当者は「303号機の定期運用は終了するが、車両の検査期限に達するまでは、走らせることができる。もしかしたら臨時的に走らせる可能性もある」と話す。場合によっては再び雄姿が見られるかもしれない。 同社はまた、国鉄から継承し、九州の物流を支えてきたED76形電気機関車も15日のダイヤ改正に合わせて定期運用を終えると発表した。今後は、2023年3月から順次投入されているEF510形300番台交直流電気機関車、愛称「ECO-POWER レッドサンダー」に引き継ぐ。【下原知広】
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