日本最東端の駅、日本最北の無人駅が廃駅に 鉄道ファンら名残惜しむ
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JR北海道のダイヤ改正に伴い、「日本最東端の駅」として知られる花咲線の東根室駅(北海道根室市)と「日本最北の無人駅」として人気のJR宗谷線の抜海駅(稚内市)が14日、営業最終日を迎えた。全国各地の鉄道ファンや通学などで利用した地元住民らが両駅に集まり、廃駅を惜しんでいた。 【写真まとめ】営業最終日を迎えた抜海駅のホームで記念撮影を楽しむ人たち 東根室駅は、1961年に開業。駅舎がなく、ホームだけだが、往時は、近くの高校に通う生徒らが通学のために乗り合わせ、にぎわいをみせた。2018~22年の平均利用者は、JR北が廃止の目安とする1日平均3人を上回る10・8人を数えたが、通学バスが整備され、役割を終えた。 日本最東端ということは、同時に「東アジア最東端の駅」も意味する。廃止が報道された昨年8月以降は以前にも増して全国から多くの鉄道ファンが来訪。「この駅」で写真を撮るために乗降する鉄道ファンの姿も目立った。15日からは隣の根室駅が最東端の駅となる。 根室市内の鉄道愛好家らでつくる「夢空間☆花咲線の会」は「ありがとう! 日本最東端の東根室駅」の横断幕を掲げて列車の発着を見守った。鈴木一雄代表(52)は「最東端の駅が本当になくなってしまうんだな」と寂しげな表情で列車を見送った。 一方、抜海駅は1924年に開業。日本最北の無人駅ということに加え、日本最北の木造駅舎があることでも知られる。営業最終日のセレモニーで、地元町内会などによる「抜海駅100周年事業実行委員会」が横断幕を掲示。鉄道ファンらは準備された垂れ幕に駅への思いをつづっていた。 愛媛県から訪れた20代女性は「6年前に親と初めて来たときにとても風情のある駅で気に入り、廃駅に合わせて来た。最後に来られてよかった。地元の人や鉄道ファンの方がたくさん集まっていてすごく愛を感じました」と感慨深げ。学生時代に鉄道研究会に所属した東京都内の20代男性は「大学の卒業旅行で来た。(この日に同じく廃駅の)東根室駅かどちらにしようかと思ったけれど、駅舎がある抜海駅に決めた。最後にふさわしい盛り上がりを見られました」と話した。【本間浩昭、那珂英一、那珂義也】
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