目の前で剣が舞うように振るわれる。自分と同じくらいの背丈のモンスターに対して、その少年は恐れることなく潜り込み、掠ればかなり大きな怪我を受けるような鋭い爪を危なげなく躱している。
「(これほどとは、、予想外っす。団長.....!)」
現在
ギルドの定める適正ステイタスはレベル1のG~F。
たった昨日恩恵を受けた
フィンからベルの教育係を承ったラウルは、ダンジョンの空気を教えるため、とりあえず2階層まで、調子が良いようなら3階層を見せてあげようと思っていたが、この結果は予想外であった。
「終わりました。ラウルさん!!」
「もしかしてベル、ダンジョンに入った経験あるんすか?」
半ば確信的に尋ねたラウルだったが、困ったように眉を下げて否定される。
「ダンジョンに入ったことはないですけど、、僕の親代わりの人が元冒険者だったので色々教えてくれたんです。ラウルさん、もう帰りますか?」
挙句にこれだ。初めて入ったダンジョンをトントン拍子で進めているにも関わらず、まるで慢心がない。普通の新人ならもう少し下の階層を進みたくならところだろうに。
「そうっすね。ダンジョンにも適応してるみたいっすし、そろそろ帰っても良いっす。」
「あの、ラウルさん、魔法、、、試しても良いですか?」
ベルはおずおずと目を輝かせて、こちらに問う。そういえば、魔法も発現していたのだった、とラウルは魔法の存在を忘れかけていたことを思い出し、許可した。
「(子供っぽいところもあるんすね。)」
あまりの規格外さに、教育係として自信を無くしかけていたらラウルも、魔法を前にワクワクしている子供のような姿に、微笑ましさを覚える。
△ △ △ △
目を閉じる。己の中にある今まで感じたことのなかった
「【
瞬間放たれるのは、
目の前から飛び出してきた
「お義母さんの魔法──!」