今後の話をした翌日、アルフィアとザルドは荷物をまとめて自分達の主神達を探しに旅立ちベル達も迷宮都市オラリオへ向かうのだが、ここを立つ前にアルフィアとザルドから言われていることがある。
それはオラリオに着いた際の注意事項だった。
【フレイヤ・ファミリア】【ロキ・ファミリア】に注意しろ
神の言葉を真に受けるな
歓楽街に行くな
特に歓楽街についてはアルフィアが念を押してきた。
それだけを伝えると二人は旅立った後、ベルが話を切り出した。
「リムル様、義姉様、お話があります」
「なんだ」
「僕は隻眼の黒竜を倒しに行きます」
真剣な顔とともにベルはオラリオに向かう前にやっておきたいこととして隻眼の黒竜討伐を口にする。
「理由は?」
リムル様はベルに黒竜討伐の理由を問いかける。
「それは随分と自分勝手なことなんですけど・・・義母様と叔父さんの憂いを断ち切りたいなと思いまして」
「いいんじゃないか」
「えっ?」
リムル様からの返答は肯定だった。
「だって、それはベル自身がやりたいことなんだろ。悪魔になった自分のことを受け入れてくれたアルフィアとザルドに恩返し・・・親孝行したいってことだろ。それにこの世界を守ることに繋がっているんだから一石二鳥だ」
「ありがとうございますリムル様」
「私もリムル様と同意見よ」
「ありがとうございます義姉様」
こうして、リムル様とテスタロッサの許しを得たベルはアルフィアとザルドの話で聞いていた竜の谷へと向かうのだった。
北へと空を飛び最速で向かうベルはあることに気づく、それは・・・。
「
そう、魔物もといモンスターが北から南へと南下していく光景を目にする。
「これは・・・」
「黒竜の影響なのかもな」
「!? リムル様!?」
「よぉ」
突如として現れた主君に驚くベル。
「なんで着いてきたんですか!?」
「いやな、背中押した手前お前に何かあったらテスタロッサとアルフィアとザルドに申し訳ないなと思ってさ。まぁ、俺は基本手は出さないから安心しろ、迷惑かけて悪いな」
「いえ、迷惑だとは思っていません。むしろ、後ろにリムル様が控えてくださっていることを心強く思います」
「そっか。じゃあ、さっさと片付けてオラリオに行こうぜ」
「はい!!」
そうして、ベルはリムル様とともに竜の谷へと向かうために山脈の終りが見えだしたところで黒ずんだ雲の下に巨大すぎる壁が姿を現した。
「リムル様」
「目的地は近いな」
その壁を眼にしたベルとリムル様はいよいよだと警戒を強める。
「まるで「境界」ですね」
「あぁ、まるで向こう側を蓋するかのようだな」
すると、飛竜の群れが襲ってくる。
「邪魔だ」
その言葉とともにベルは異空間から黒の長剣を取り出した。
その長剣は魔国連邦随一の職人・黒兵衛の作品でベルの魔素を取り込んで
「おぉ、流石だな」
「強敵だったのね」
「ハクロウさんやアゲーラとアルベルト殿と迷宮で剣技を磨いていますから」
そうして、飛竜を瞬殺したベルとリムル様は竜の谷へと向かうのだった。
すると、あるものが目の前に飛び込んできた。
それはあまりにも巨大で、天をも貫くもの。
「あれは竜巻・・・?」
「あぁ、そうだな」
【告。あれは『大精霊』の力による
「!? ベル、どうやら着いたみたいだぞ」
「はい、リムル様・・・あの竜巻の先に黒竜がいる・・・!!」
リムル様の言葉にベルは同意しながら竜巻の中にいる存在を睨みつける。
「おいおい、顔が怖いぞベル」
「すみません、リムル様義母様達を苦しめる存在を前にして少し苛立っています」
リムル様の言葉にベルはそう答える。
「それじゃあ行くか」
「はい」
そうして、ベルはリムル様とともに竜の谷へと入った。
谷へと入った二人が見たものは正に地獄、無数の竜が蔓延る『竜の園』。
そこへ入り込んだ
しかし、眼の前にいる
「木偶の分際で図に乗るな」
その言葉とともに拳大の漆黒の業火を生み出した。
それの名は
「あっ、魔石と
「承知しました」
リムル様の言葉にベルは
核撃魔法【
ベルが選択し放った
天と地を繋ぐ漆黒の柱、それは万物をも破壊する大爆発。
故に、抵抗する間もなく何が起こったのかさえ解らぬまま、谷の竜は一匹を残して滅んだ。
そして、滅んだ竜達の魔石と
「おぉ〜、大量だな」
リムル様は竜達の魔石に
「リムル様、申し訳ありませんが・・・」
「あぁ、これは全部一旦俺の中に入れておくぞ」
ベルの言いたいことを理解したのかリムル様は全て自身の胃袋に保管した。
「いよいよだな」
「えぇ、ですので・・・惰眠を貪る黒い羽つきトカゲには消えてもらいます」
「そんな羽根付き餃子みたいな言い方すんなよ、食いたくなるだろ」
「では、ザルド叔父さんに説明して作ってもらいましょう」
「それ賛成!!」
今から黒竜を討伐するというのに平常時と変わらない様子の二人。
「ゴガァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「起きたみたいだな」
「そのようですが・・・問題はありません」
その言葉とともにベルは動いた。
「そのもう片方の眼も抉ってあげますね」
そう言ってベルは黒竜の残った眼も剣を突き刺して潰した。
「ガァッ!?」
黒竜の叫びが上がるがベルはお構い無しに追撃をかける。
「次は邪魔な羽を落としてあげますね」
その言葉とともに黒竜の翼はあっさりと切り落とされた。
「次は腕ですね」
「次は足」
「次は角」
淡々と作業のように黒竜を解体するベルを見てリムル様はこう思った。
「{ベル、初めてあった時から悪魔っぽくないなとは思ってたけどちゃんと悪魔だった。帝国にヴェルドラを奪われた時に起こった戦いの時のことを聞いてるベルを見てると無邪気な子供みたいな反応だったのに・・・}」
かつての戦いにて
「リムル様ぁ、見てくださいよ。黒竜が蛇になっちゃいました!!」
「あー、そうだなぁ・・・」
黒き終末と呼ばれていた黒竜はベルの手によって角・腕・足・翼を切除され、蛇扱いされていた。
「じゃあもう死ね」
そして、黒竜の尊厳を悉く砕き遊んだベルはあっさりと首を落としてしまう。
そうして、黒竜は魔石と
これにて黒竜討伐は終わりを迎えた。
「それじゃあ帰るか」
「リムル様、この大精霊の
黒竜の魔石と
「もしかすれば、黒竜が消えた今大精霊が命を削る必要はないのでは?」
「それもそうだな・・・{シエル、どうだ?}」
【告。個体名:ベル・クラネルの言う通り
「よし、今から大精霊を助けるぞ」
「はい、リムル様」
こうして、人知れずに『三大