強い魔力を感じる北方に飛んで向かっていると、進路上にその土地に住んでいると思われる住民を発見したベル達は話を聞くために下に降りてその住民二人のいる場所まで歩いていくのだった。
「あそこの家だな」
「はい」
「参りましょう」
そうして向かっていると先程発見した灰色の髪の女性が黒いドレスを、臙脂色の髪の大男が黒い甲冑と大剣を装備して立っていた。
「えっと・・・・・・」
まさかの反応にリムル様も言葉を詰まらせる。
「・・・・・・メーテリア」
灰色の髪の女性が誰かの名前を呟く、ベルの方を見て。
「問おう、お前達は何者だ?」
大男が問いかけてくる、それに対してベル達の取った行動は・・・・・・。
「俺の名前はリムル=テンペスト、でこっちが・・・・・・」
「テスタロッサです」
「ベル・クラネルと申します」
「!!」
ベルが名乗った瞬間、灰色の髪の女性が反応する。
「お前達は何者だ、人間ではあるまい」
「「「!?」」」
大男の言葉にベル達は驚く、自分達から正体を明かす前に気づかれたからだ。
「あぁ、俺達は人間じゃない」
リムル様はそう言って元の姿・・・スライムの姿となりベルとテスタロッサも背中から悪魔の翼を生やす。
「「!?」」
女性と大男は目を見開き驚きの表情を浮かべる。
「実は俺達異世界から来たんだよ、俺の配下・・・ベルの溜まりきった休暇を消化するために」
「一つ聞かせろ」
「なんだ?」
リムル様の言葉を遮り女性が問いかけて来る。
「その白髪の少年、ベルと言ったか。その白髪私の妹の子の名に似ているのは偶然か」
「えっ!?」
「「・・・・・・!?」」
女性の言葉にベル達が全員驚愕する。
なんと目の前にいるこの女性がベルの伯母だと言うことに・・・。
「アルフィア、事実だ。俺の感覚がそれを伝えてきている」
「ザルド、黙っていろ。今はこの者達に問うている」
ザルドという大男の言葉にアルフィアと呼ばれる女性が封殺する。
「貴方が僕の・・・?」
「えっ、マジ!?」【告。個体名:ベル・クラネルと個体名:アルフィアは血縁関係なのは確定です】
リムル様はシエルの解析鑑定によってベルとアルフィアの関係を把握する。
「どうした、答えられないか?」
「すみません、僕はお爺ちゃんと暮らしていたんですけどある日おじいちゃんがモンスターに殺されてその直後に異世界に勇者召喚という儀式によって召喚されたんです。勇者召喚で召喚された僕はその負荷に耐えきれず死が確定していた時、一体の
「・・・・・・つまり、お前はメーテリアの・・・妹の子なのだな・・・・・・」
ベルの説明にアルフィアは一人納得すると、たった一言。
「【
その一言とともに鐘の音が響く。
「「「!?」」」
魔法の行使に驚くもベル・リムル・テスタロッサの三人は完璧に躱す。
「!? アルフィアの魔法を躱しただと!?」
ザルドはまさかの光景に声を荒げる。
「い、いきなり何すんだよ!!」
「黙れ、妹の子を悪魔へと変えた罪その生命を持って贖え!!」
「そうだな、俺達の家族に手を出した報いを与えなくてはな」
リムル様の抗議の言葉にアルフィアは激昂し怒声を上げる。
ザルドもアルフィアの言葉に賛同し大剣を向ける。
「リムル様、ここは私が・・・」
「いえ、義姉様僕が相手をします」
テスタロッサがアルフィアの相手をしようとした時、ベルが名乗りだし
「【
「なに!?」
アルフィアの言葉にザルドが驚愕する。
「
「何だと」
「僕の話を聞いてもらえませんか、アルフィアさん」
「他人行儀は止めろ、私のことはお義母さんと呼べ」
「はい、アルフィア義母様」
こうして、ベルはアルフィアとザルドにこれまでのことを話した。
「まさか、悪魔となったことで生き延びることができたとはな・・・」
「全くだ、異世界とは言え頭が追いつかん」
全てを聞き終えたアルフィアとザルドはリムル様とテスタロッサの方を向き、こう言った。
「リムル、テスタロッサといったか。妹に代わりベルが世話になった。感謝する」
「俺からも礼を言わせてくれ」
「いいよいいよ、俺もベルには助けてもらってるし」
アルフィアとザルドはリムル様に感謝の言葉を言い、それを受け入れる。
「それにしても、今日はいい日だーーーーゴフッ!!」
「アルフィア!!」
「義母様!?」
「お、おいどうしたんだよ!?」
アルフィアが突然血を吐き、場が騒然とする。
「アルフィアは生まれつき先天的死病を患っていて普通ならばとっくに死んでいるが、
「とりあえず安静させないとな」
「あぁ、待っていてくれ
そう言ってザルドはアルフィアを寝室に連れて行くのだった。
「リムル様」
「どうしたベル?」
「お願いしたいことがあります」
真剣な表情をしたベルの言いたいことは解っている、しかし本人の口から聞かなければならない。
「アルフィア義母様を助けて下さい」
「あぁ、任せろ」
「待たせたな、ぐふっ!?」
「叔父様!?」
「まさかアルフィアの病がザルドも・・・・・・!?」
【告。個体名:ザルドは病ではなく何らかの毒に侵されている模様。侵食度が76%】
「なんだよそれ・・・・・・」
リムル様はベルが身内に出会えたこと喜んだが、その身内二人には死が訪れようとしていたことを知る。
「リムル様・・・・・・」
「もちろん、お前のこの世界での家族を失わせる訳にはいかないからな」
「ザルド」
「なんだ?」
「今からお前の治療をする」
「なんだと?ベヒーモスの猛毒を解毒出来るというのか!?」
リムル様の言葉にザルドは怪訝な顔をするもすぐに受け入れたような顔を見せる。
「異なる世界を行き来できる存在がいるんだ、それにお前の言葉に嘘はない、信じるさ」
「それじゃあ一旦俺の中に入ってもらうぞ」
「えっ」
パクリとリムル様はザルドを飲み込み解析鑑定を開始する。
そして、三秒後ザルドはリムル様の身体から出てきて自身の身体の変化に驚く。
「ベヒーモスの
「俺の細胞を使ってザルドの身体を解毒した後、
「
「異世界の薬草から抽出した回復薬です」
「そうか、もうなんでもありだな異世界・・・・・・」
そう言いながら遠い目をするザルド。
「さぁ、次はアルフィアの番だな」
「アルフィアの病も直せるのか!?」
リムル様の言葉にザルドが反応する。
「あぁ、せっかく会えた家族なのにあんまりだろ」
「あぁ、そうだな」
ザルドはリムル様の言葉に同意する。
そして、リムル様はアルフィアの治療には自身の細胞を取り込ませ内側から直していき完治させるのだった。
「まさか、この病からの呪いから解放される時が死以外で訪れるとはな・・・・・・」
死病が消え去ったとは言え今までの負荷は抜けきっていないため安静を取って
「やっぱりリムル様は凄い方だなぁ・・・」
ベルは自身の身内の命を救ってくれたリムル様にこれまで以上の感謝の忠節を捧げることを心の内に誓う。
「ベル、来い」
「え」
アルフィアはその言葉とともに掛け布団を上げて手招きをする。
「私にもお前を感じさせてくれ」
「うん」
ベルは
この時のベルは心地よさを感じて眠ることができたのだった。
数時間後、もうすっかり夜となった頃にベルとアルフィアが目を覚まし下に降りるとザルドが料理をしていた。
「おぉ、起きたか。もうすぐ飯だ、手を洗ってこい」
「はい、叔父様」
「叔父様なんて呼び方は止めてくれ、むず痒い」
「じゃあ、おじさんで」
「あぁ、それなら問題ない」
「いくぞベル」
「はい、義母様」
そうして、夕食の時間となり食べ始めると・・・。
「美味い!!」
「本当に美味しいわ」
「おかわりお願いします」
「ベル、もっとゆっくり食え」
「はっはっは、気に入ってくれたなら幸いだ」
こうして楽しい食事は終わりベル達はザルド達がこの世界の事とどうしてこんな僻地で暮らしているのかを知る。
「隻眼の黒竜・・・」
「そんな存在がお義母様とザルドさんの派閥が・・・・・・」
「・・・・・・」
リムル様とテスタロッサは言葉を漏らすもベルは無言のままでアルフィアはベルの隣りに座って頭を撫で続けている。
「それにしても、その黒竜はそんなに強いのか」
「俺とアルフィアは当時は毒と病で戦線離脱していたが・・・・・・黒竜の力はそれ以上に規格外だったということだ」
重い空気が流れ始めた頃、ベルがこんなことを口にする。
「ねぇ、義母様と叔父さん僕の眷属になる?」
「は!?」
「眷属、それはお前のように悪魔になるということか?」
「うん、そうすればいつまでもずっと居られるし」
「いや、ベル「あぁ、なろう」アルフィア!?」
ベルの言葉にザルドの言葉を遮ってアルフィアが答える。
「なんだザルド、文句でもあるのか?」
「いや、ためらわないんだなと思ってな」
「何をためらう必要がある、この子が一緒に居たいと言っているんだ。叶えてやるのが筋だろう」
アルフィアの圧に負け、ザルドもベルの眷属になることにした。
「来い、
ベルが悪魔召喚によって呼び出したのは二体の
「喜べ、お前達の命が役立つ時が来たぞ。お前達にはこの二人の糧になってもらう」
その言葉とともに
「気分はどうかな
ベルに名付けされ二人の種族が
「ふむ、さっきまでよりも力の上昇を感じるな」
「あぁ、今までにない感覚だ」
【告。個体名:ザルドが
「ふぁっ!?」
「どうかしましたかリムル様?」
「いや、なんでもない」
リムル様は密かにまさかの事態に動揺を隠せなかった。