ミリム様の襲来の後、ベルはリムルに荷造りの報告をするともう少し考えてみてもいいんじゃないかと言われ街に気分転換にやってきた。
「串焼き、タレのレパートリーが増えて迷っちゃったけど塩の方が肉の味を楽しめていいよね」
そう言いながら歩いていると、前から三人組女の子が目に入る。
その女の子達は
「あっ、ベルさんこんにちはです!!」
「こんにちは・・・」
「こんにちは!!」
「はい、フォスさん・ネムさん・ステラさんこんにちは」
三人に挨拶され、ベルも挨拶を返す。
「今日はとてものんびりしているのね」
「えぇ、五日後には少し遠出をするので。準備期間として五日ほど時間をいただいたのですが引き継ぎなどが順調に進んで暇を持て余していたところなんですが・・・丁度いいですね」
「何がです?」
「あいにく旅というものは初めてですので何を持っていけばいいのか解らないのでフォスさん達の意見をお聞かせ願えますか。報酬はあそこに売っているクレープの全トッピングでどうでしょう?」
「「「やる(です/の〜/わ)!!」」」
ベルの提案に即応する三人は旅に必要なものを考え始める。
「必要なもの・・・お金です」
「枕、これさえあれば好きな時にねむれるの〜」
「私なら調理器具かしら、美味しいものは食べたいし」
「なるほど、ありがとうございます」
三人の意見を聞いた後、ベルは全トッピングでクレープをごちそうするのだった。
「{お金・・・は異世界だから意味はないかな、フォスさんには悪いけど。ネムさんの枕という意見は悪魔だからあんまり睡眠を取らないからこれも除外かな。でも、ステラさんの調理器具という意見は採用しよう、向こうで美味しいものに会えなかったら自分で作らないといけないしね}」
そうして、ベルの荷物には調理器具が追加されるのだった。
「念の為に
そう言って旅行鞄に
「これでいいよね」
そうして、準備は整い元の世界に帰る期日になった。
ベルは出発時間三十分前にリムル様とテスタロッサのいる転送装置の部屋に行くと何故か簀巻きにされたヴェルドラ様とラミリス様、呆れた感じのべレッタがいた。
ラミリス様というのは妖精族で
「あの、リムル様この状況は一体・・・?」
「あぁ、いやまぁ・・・あはは」
「まぁ、ヴェルドラ様とラミリス様のことですから一緒に行くと言い出してリムル様が反対した結果というところでしょうか?」
「正解!!」
「ベルよ、お主からもリムルに言ってやってくれ」
「そうなのよさ、リムルだけ楽しむなんてズルいのさ!!」
「でも、お二方もリムル様に黙って異世界行きましたよね」
「「うぐっ!?」」
まさかの
「それもベレッタの静止も無視して、リムル様に報告もせずに。ですので、リムル様の行動に文句を言える立場にはありませんよ」
「「ぐぬぬぬ・・・」」
全くの正論にヴェルドラ様とラミリス様は反論の余地がなかった。
ベレッタも無言ではあるがうんうんと頷いている。
「それじゃあベル、行くぞ!!」
「行きましょう、ベル」
「はい、リムル様!義姉様!」
こうして、ベルはリムル様とテスタロッサとともに元の世界に旅立つのだった。
転送装置によってベルは無事に元の世界に返ってくることができた。
「ここが僕のいた世界・・・」
そう呟くとリムル様が声を掛けて来る。
「よし、成功だな」
「はい、流石はリムル様です」
「リムル様、この度は本当に感謝いたします」
「いいよいいよ、これくらい」
リムル様は二人の言葉に差も当然だという反応を見せる。
「それにしても、北の方になんか強い魔力を感じるな」
「はい、この世界の強者ということなのでしょうか?」
「確認に向かわれますか」
「う~ん、ベルお前はどうしたいんだ?」
「えっ、僕ですか?」
リムル様の言葉にベルは困惑する。
「これはお前の休暇なんだ、俺はお前の決定に従うよ」
「いえ、リムル様の行き先を僕が決めるなんて・・・」
「ベル、これはリムル様が正しいわ。貴方の休暇なんですもの、自由に過ごしていいのよ」
「義姉様・・・。解りました、僕も北方が気になっていたのでそちらに行こうと思います」
「よし、決まりだな」
「では、参りましょう」
ベルの決定に全員背中に翼を生やして北へ向かって飛び立つ。
そこに実現することがなかった出会いが待ち受ける。
『竜の谷』付近の一軒家では灰色の髪の女性が息を切らせながら外に立っている。
「どうした、アルフィア急に外に飛び出して」
「あぁ、ザルド何故か解らんが少し胸騒ぎがするんだ」
アルフィアと呼ばれる女性が臙脂色の
「まさか、『竜の鼾』か?」
「違う、なにか温かいものを感じる」
「そうか」
アルフィアは得も言えぬ感覚に戸惑い、ザルドも困惑するのだった。
「いやー、この世界の空って不思議だよな」
「えぇ、北に向かうにつれて空模様が変わってきますね」
「これは強い魔力持ってる存在の影響なんでしょうか?」
空を飛びながらそんな会話をしていると、人影を発見する。
「リムル様、あそこに人がいます」
「えっ、こんな所に人が住んでるのか?」
「もしや、訳アリの者なのかと」
人里から離れすぎている場所に人がいるとは思わなかった。
「少し話を聞きに行こう」
「「御意」」
そうして、ベル達は下に降りて灰色の髪の女性と臙脂色の髪の男の元に向かうのだった。
「なんだあれは・・・・・・!?」
「どうしたザルド」
「アルフィア、アレを見ろ」
「あれはモンスターなのか?」
ザルドの指差す方角を見るとそこには翼を生やした人間らしき存在が空を飛んでいた。
「おそらくな、あいつら全員の味からは竜の谷から感じる黒竜よりも強いものを感じる。その上・・・・・・」
「おい、どうした?」
「あの
「!?」
ザルドの言葉にアルフィアは閉じていた目を開く。
「バカな、あの子はゼウスとともに居る筈だ」
「だが、事実俺の味覚はそう断定している」
「・・・・・・ならば、見極めればいい」
「あぁ、そうだな」
アルフィアとザルドはこれから向かってくる存在に対して警戒を強めるのだった。