リムル様の提案のあった日の翌日、ベルは迷宮の最深部いる暴風竜ヴェルドラ=テンペスト様に呼び出された。
「ベルよ、元の世界に帰りたくはないのか?」
「あぁ、つまりヴェルドラ様はその世界に遊びに行きたいんですね」
「そのとおり・・・いや、違うぞ!?我は純粋にお前は働き者であるから・・・!!」
ヴェルドラ様の言葉にベルがそう返すと激しく動揺する。
「そうですねぇ、リムル様からも打診されましたし・・・。次の休暇までには考えをまとめておきます」
「おぉ、そうか!!いい返事を期待しておるぞ!!」
そうして、ベルはヴェルドラ様の部屋から出るとこう言った。
「ヴェルドラ様、本当好奇心旺盛だなぁ・・・。僕も見習わないと」
ベルはそう言いながら仕事に戻っていくのだった。
「よし、もう良いぞモス」
「はい、ご協力感謝いたしますヴェルドラ様」
ヴェルドラがベルが帰った後、まるで他にも誰かが居るように喋ると音もなく一人の少年が姿を現し、感謝の言葉を述べどこかに向かうのだった。
少年の名前はモス、ベルの義姉であるテスタロッサの配下の一人にして数万年無敗の先史種の大公爵である
主がベルを義弟として迎え入れた五千年もの間成長を見守っていた一柱である。
今回ヴェルドラの協力を得てベルの心情を探るような真似をしたのは主君・テスタロッサの命令だからだ。
「テスタロッサ様」
「モス、なにか解ったかしら?」
モスがテスタロッサの下に戻ると報告を始める。
「ベル様本人は元の世界への帰還には終始頓着がないようでしたが、ヴェルドラ様の好奇心もとい遊びに行きたいという欲に釣られて多少なりとも興味を持っているご様子です」
「そう、それで最終的にはベルはどうしたいのかしら?」
「次に休みが決まるまでに決めておくと零しておられました」
「解ったわ、下がってちょうだい」
「はっ」
テスタロッサは報告を聞き終えるとモスに下がるように言い立ち上がる。
「リムル様に願い出なくては」
そう言って敬愛し崇拝する主君の下に向かうのだった。
ここはリムルの執務室。
「ヤバい」
「何がヤバいのですか、リムル様?」
リムルの言葉に
「実はベルの実働記録見てみたらアイツ休み無しで働いてるんだよ」
「まぁ、彼はテスタロッサの義弟ではありますが配下の一人ですので当然かと」
「いや、それでも俺の配下になってからずっと働き続けてるんだぞ!?」
「それがなにか?」
「{あっ、そうだ。こいつもあっち側だった}」
リムルはディアブロでは話にならないと悟るのだった。
そんな時、扉をノックする音が響く。
《リムル様、テスタロッサにございます》
「あぁ、入っていいぞ」
来訪者は話にも出てきていたテスタロッサ、リムルは入室を許可する。
「おはようございますリムル様、本日も御身のために働けることに至上の喜びを感じます」
「う、うん、ありがとうな。それで今日は朝早くにどうかしたのか?」
「はい、今回リムル様にベルの休暇についてお話がございます」
「実はベルの勤務事情のことで話があるんだけど・・・」
「ベルがリムル様に愚行を働いたのでしょうか?それでしたら今すぐに・・・」
「あーっ、違う違う!!愚行とかそうじゃなくて働きすぎなんだよ、ベルの奴が!!」
「働き過ぎとは・・・?」
「月に何回かある休日すら休まずに働いてるみたいでな、ちょっと気になったんだよ」
「おかしいですね、あの子にはちゃんと休日は無駄にしないように過ごしなさいと言ってあるのですが・・・」
「えっ、そうなの?」
テスタロッサの言葉にリムルが疑問に思った時、シエルがこう言ってくる。
【告。解釈違いが起こっていると推定します】「{なるほど、そういうことか・・・}」
「テスタロッサ、その言い方だとずっと働けみたいな感じで伝わっていると思うぞ」
「え」
その時、空気が死んだ!!
ここで補足として、テスタロッサは五千年前に出会ったベルのことを溺愛しておりものの見事に
ちなみにだが、テスタロッサは束縛系かと思えばベルの幸せを一番とする考えがある平和的ブラコンであるため、ベルに好きな女が出来れば全力支援する考えでハーレムも許容範囲である。
そんなにも大切に想うベルが働き詰めになるその原因が自分の発言で会ったことに
「そんな・・・私が・・・」
「そんなにショックだったのか・・・」
「まぁ、彼女はベルのことは大切してますしね」
リムルとディアブロの会話が届かないくらいにはショック状態に陥っていた。
しばくして、テスタロッサが正気に戻るとリムルが話を始める。
「それでベルに休みを取らせていんだけど・・・」
「リムル様、素晴らしい考えです。そこでなのですが・・・ベルの休暇の場所をベルの元の世界にすることは可能でしょうか?」
「それ良いな!!」
テスタロッサの悪魔の一声によってベルの元の世界での長期休暇が決まった。