【ワシントン、キーウ共同】ウクライナと米国の両政府は11日、サウジアラビア西部ジッダで高官協議を開いた。ウクライナは米国が停止した軍事支援と機密情報提供の再開を要請するとみられる。米国は見返りに、早期和平に向けた譲歩を迫る可能性がある。ウクライナのゼレンスキー大統領が提唱する海空の部分停戦案のほか、鉱物資源権益も議題になりそうだ。
2月の首脳会談決裂後、両政府高官の対面協議は初めて。米国が支援を停止して以降、ロシアは攻撃を激化させ、ウクライナは劣勢に立たされている。トランプ米大統領が早期の和平実現にこだわっており、米側は協議で、領土や安全の保証について妥協してでも交渉の席に着くようウクライナに求める構えだ。
米側はルビオ国務長官、ウィットコフ中東担当特使らが参加。ウクライナ側はイエルマーク大統領府長官やシビハ外相らが出席。
ルビオ氏は10日、和平実現に向けて「ウクライナ側に、どのような譲歩の意思があるのか把握する必要がある」と説明。軍事支援の再開は「協議が鍵を握る」と語った。