猫捕獲に関するあれこれ

猫を捕獲するにあたって必要なあれこれの話



ばくわな実戦ファイル


file03 万策ヲ尽クシテ、難敵猫モ確実ニ捕ラエルベシ


ばくわなに歴史あり?
私が以前 YouTubeにupした動画に『ヤジロベートリガーを試す』と題されたものがある。



up日は2021年1月12日になっているが、実際にこの映像が撮られたのは2020年2月のことである。
このときは(ばくわなページの冒頭で述べていたような)紐罠の紐をいかにして引くか、という仕組みをあれこれ考えていた時期で、
①紐罠の紐の輪を縦に置いて、その上にヤジロベーのようなものを置く。
②ヤジロベーの一方の腕を板にしておいて、輪をくぐった猫の頭にその板が押されると反対側の腕が傾いておもりが落ちる。
③その力で紐を引けばうまくいくんではないか??
という、今のばくわなの基本となってるようなことを、最有力案としてずっと頭の中だけで考えていた。

ただ、当然ながらそんなトリガーを使っている罠など今まで見たことがない。
餌をさえぎるように板を置いたとして、その板をうまく猫は押してくれるものだろうか?ということからして、実際の猫で試してみないとわからないことなのです。
そこでまずはこの自作の捕獲器でそれを試してみた。それがこの動画というわけです。
この捕獲器でも扉の重さとのバランスでヤジロベーが働いてるとは言えるのですが、ほんとは次なる新罠のトリガーを試す、という意味合いが強かったのです。
(※なお、このヤジロベーという名前に関しては、形的にはシーソーといった方が良いかな…とは思っていたが、シーソートリガーという名ではやや無機質な感じがしたので、ちょっとでも面白くした方がよかろうとヤジロベートリガーとしただけであるw いまだにあまりしっくりとはしていない)

上の結果に気をよくして、翌3月に実際に作ってみたのがこんなものだった。

ばくわなの最初期型ですね。
左右上部に単三乾電池が一本ずつ置いてあります。板が押されると乾電池がコロコロと転がって…という、作動しているところを今見るとちょっと牧歌的な感じさえする代物ですが、欠点が多すぎてこれで猫が捕まることなど一度たりともありませんでしたw

しかしここから改良を重ねて、ヤジロベートリガーはばくわなトリガーになって、だいたい今のような形が出来上がったのが2021年3月くらいのこと。
そして今年2022年2月、その時点でもマニュアルを作るにあたっていろいろと細部を見直して改良を加えているのですが、そこで一応の完成を見た、ということになっています。

果たして完成しているのだろうか?というあいまいな客観的主観
しかし、本当にこれで完成なのか?とあらためて自問して考えてみると、んー…よくわからない。

なにせ独りで発想して試作して改良してマニュアル作って、さてどうだろうか?とやっただけのモノなのです。
常識的に考えれば、そんなんでうまくいくなんて思えないですよねw
だから私が満足すればそれで完成なのかも知れないが、それってあまりに主観が過ぎるなと。
そこを少しでも客観視するための材料として、この実戦ファイルなるものを作っているという面がある。

たとえば、これまでのfile01file02を見返しただけでも、おのずと気付くことがあります。
どちらの猫も罠の横位置から斜めに首を入れてますよね。それぞれのファイル中でも言及してますが、これはやはり成功確率を確実に下げてるはずだと思うのです。
そこ直せば良かろうと。
それには侵入路を限定してやれば良いわけで、それは紐罠ページの追記改訂したところでもやっていたことです。そこではさらに「退路を断つ」ということもやっていました。
ならば、ばくわなでも同様にやってみたらどうだろう、とは普通に思いつくことですね。
思いついたらとりあえず実験してみよう、ということでこんな感じにしてみた。

小さなブロックを両脇と正面前方やや離れたところに置いただけです。

難敵猫を捕まえる
結果がこちらの動画。



今回の猫、餌のにおいに釣られて一度箱の中を覗いたのでしょうが、餌を視認しただけですぐには食いつかず、後ろに回り込んで餌のあたりを後ろから確認するというような、一見奇妙な行動をしました。

しかし、このような猫の行動は特にめずらしいわけではなく、他の猫でも以前に似たのを見たことがあります。
罠のまわりをぐるりとめぐって、とにかくいろんなところのにおいを嗅ぎまわるというのをよくします。
これが箱型の大きな捕獲器ならもっとわかりやすく、大きくあいた口からは絶対入ろうとしないような用心深い猫でも、口とは反対側の箱の外から箱奥の餌に直接アプローチしようとするのがたまにいました。
特に自作の捕獲器などは箱の目が粗いので、手が入れられるような大きめのすき間を見つけたりすると、なんとかそこに手を突っ込んで餌をかき出そうとするのです。
当初は、大きな入り口に気付けないなんて単純に頭が悪いのかと思ってましたが(いや子猫などでほんとに入り口がわからないだけという猫もよくいるので)違うんですね。
つまり、これは猫が罠を警戒しているのです。

警戒心の強い猫で、通常の箱型捕獲器ではなかなか捕まえられなくて苦労するというのはこのタイプの猫のことです。
前回file02では動きの素早い若い小さな猫が強敵だという話をしましたが、それとはまた違うタイプの言わば難敵猫とでも言いますか。

そんな猫が再び後ろから回り込んできて、今までならまた横位置から斜めに首を入れられそうなところでしたが、両脇のブロックのおかげで真正面からまっすぐ首を入れさせることに成功しました。
紐が落ちた瞬間も、猫は体を引こうとしたもののすぐ後ろのブロックにあたってしまい、大きな動きができませんでした。

結果、過去の捕獲事例と比べてもいとも簡単にあっさり捕まったように見えます。
小さな三つのブロックが効率的に機能したことで猫の動きをうまく制御することに成功した、その成果といって良いでしょう。
若干かもしれないが、成功確率も上げられたんじゃないでしょうか。


*   *   *



以上、開発の流れをざっと振り返りつつ、ばくわなの現在地について一考してみた。
考えを尽くしたつもりでも、実戦を重ねるうちに足りないものが見えてくることもよくある。
まあ今回の実践例などは補助的なものだが、罠の設置場所とかを現場で具体的に考える際、多少の参考にでもしてもらえば良いかと思う。



2022年11月22日
by 皆ショ計画






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